見出し画像

レコード

知られざる物語と知らない過去
排気ガスが星空に吸い込まれる
君はずっと変わらないままで
男はいつも背中に時間を抱えて

知っていた過去はゆっくり形を変えて
俺は君に会いに行く 橋を渡り
君は星空が消えた晩に 姿を消した
最初からそうだった 俺もいなかった

胸が固まるときの妙な温度は
スプーン一杯の後ろめたさ
濡れたアスファルトに体溶かして
過ぎ去った後には言葉だけ残った

ためらいは優しくて
ためらいは苦しくて
目の前は何もなくて
目の前に全てあった

ただそこに記憶が生まれた
自分の中に景色があった

レコード 煙と 見えない足跡
レコード 煙と 紙に書いた記憶


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?