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音楽とは

メロディーとは一度生成されたの音の響き、羅列、乃至 そこから生まれる叙情を記憶に留めようとする働きのことである。
つまりメロディー自体が再生装置として機能しているのである。

そして作曲とは掴みどころのない無数の音の海、無限に散らばる取り留めのない音の宇宙から、自らを捉え直そうとする心の働きである。
音を形として顕在化させ、それを自らと対比させることにより、自分という存在を形成させていく。そのプロセスの中で自我を見つめ直す精神の働きである。

演奏とは音と肉体の獲得である。
肉体から離れていった音から再度肉体を獲得しようとする運動である。
放たれた音と、それをもう一度自らに取り戻そうとする身体の働き。その二つがフィードバックし、ひとつの または複数の流れのようなものを生み出す。それはうねりであり、ビートである。
空中に霧散していく音から肉体性を獲得しようとする精神の働きである。
若しくはそこからの脱却を試みる行為である。


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