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読書記録

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ジャンル問わず。読んだ本の記録、紹介。
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2022年11月の記事一覧

いのちの終末をどう生きるか~読書記録199~

いのちの終末をどう生きるか~読書記録199~

1987年発行。
故・日野原重明先生が各地で講演されたものをまとめられている。

この本が出た頃は、癌の告知が今ほどはされていなかったと思う。
だから、時代背景をも考慮しながら読んだ方がよいと個人的には思った。

読みながらも、「イヤイヤ、今の勤務医、看護師は忙しすぎて、そこまで出来ない」と思った。
そして、現代の医師で日野原重明先生のような心を持った方が何人いるだろうか?

さてさて、話は変わる

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死ぬ瞬間~読書記録198~

死ぬ瞬間~読書記録198~

アメリカで精神科医をされていたエリザベス・キューブラー=ロスの著書。キューブラー=ロスは、スイスのチューリッヒに、三つ子姉妹の長女として生まれる。父親が医学部進学に反対で、自ら学費を捻出するため、当初は専門学校を経て、検査技師をしていた。その後、1957年、31歳の時にチューリッヒ大学医学部を卒業している。彼女は医学部での学生時代に知り合ったアメリカ人留学生マニー・ロスと共に学業をさらに続け、また

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生きるヒント~読書記録197~

生きるヒント~読書記録197~

作家の五木寛之先生が1993年に書かれたエッセイだ。

五木寛之先生なりの「人生論」であるが、重く堅苦しいものではなく、気軽なアドバイスのようなものである。

12章に分かれて構成されている。
歓ぶ(よろこぶ)
惑う
悲しむ
買う
喋る
飾る
知る
占う
働く
歌う
笑う
想う

「人生に希望はあるのか」
「人生に価値はあるのか」
若い時から先生が考えて来られた事。

自分たちがどこから生まれ、ど

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あと何回ペットロスになればいいですか?~読書記録196~

あと何回ペットロスになればいいですか?~読書記録196~

漫画家・松苗あけみさんによるエッセイ漫画。

1956年生まれの著者は30年以上に渡り、猫の多頭飼いをされてきた。
動物を飼うということは、やがては死を迎える事。
動物は必ず死ぬ。わかっちゃいるけど、死ぬ前の様子が、猫、飼い主共に、リアルに描かれていて、共感を持った。

私も猫のいない生活は考えられない。何度も猫を見送り、そして新しく迎える。
けれども、亡くなった時の悲しみは・・・

私も著者のよ

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ここが僕たちのホスピス~読書記録195~

ここが僕たちのホスピス~読書記録195~

1993年、山崎章郎医師による著書。
先生は元は、千葉県にある消化器外科医であったが、1991年、世田谷区にある病院に転職された。
その前年に「病院で死ぬこと」を出版されている。

先生は、1991年、東京都世田谷区にある桜町病院のホスピス病棟に転職された。
それは元はカトリックの精神を持って作られた施設であった。

末期がん患者をそのケアの対象としたホスピスは、1967年イギリスの聖クリストファ

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身軽に生きる~読書記録194~

身軽に生きる~読書記録194~

2017年に書かれた、元東京大学付属病院救急医の矢作直樹先生の著書だ。

この本は、東京大学付属病院を定年退官された直後に書かれたものだ。

色々な物を手放す事。断捨離、ミニマリストではなく、シンプルになること。それを強調されている。

歩きスマホについて著者が言われている事には、いちいち納得しながら読んだ。
姿勢が悪くなる。現代はストレートネック、肩こりで悩む若い人(60歳未満を私は言っている)

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シャーロック・ホームズ 恐怖の谷~読書記録193~

シャーロック・ホームズ 恐怖の谷~読書記録193~

アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズでは最後の長編となる。

2部構成となっており、第1部で事件の概要と解決に至るまでのホームズの推理を、第2部で事件の背景となった「恐怖の谷」と呼ばれるアメリカの炭鉱街・ペンシルベニア州ヴァーミッサ峡谷(Vermissa Valley)での事件を記している。シャーロック・ホームズの終生のライバルとされる、ジェームズ・モリアーティ教授が事件の黒幕

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シャーロック・ホームズの功績~読書記録192~

シャーロック・ホームズの功績~読書記録192~

著者は、コナンドイルの息子、エイドリアン。それから共同執筆として、一流の探偵小説作家、ジョン・ディクスン・カーだ。

ジョン・ディクスン・カー
1906年アメリカ、ペンシルヴェニア州生まれ。1930年に予審判事アンリ・バンコランが登場する『夜歩く』を発表。ギディオン・フェル博士シリーズの『帽子収集狂事件』、ノンシリーズの『皇帝のかぎ煙草入れ』のほか、カーター・ディクスン名義によるヘンリ・メリヴェー

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病院で死ぬということ ~読書記録191~

病院で死ぬということ ~読書記録191~

1990年 当時、千葉県にある市民病院消化器外科医師であった山崎章郎(ふみお)氏による著書。
短編の物語形式で書かれているが、事実を基にしている。

時代背景も考えてみる必要があるかもしれない。
現代では告知は行われるようになった。有名人がブログやら記者会見やらで報告をする時代でもある。
20世紀の日本では殆どが、がんの告知をしなかった。
胃がんは胃潰瘍。子宮がんは子宮筋腫。など、そのように言う時

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七十歳死亡法案、可決~読書記録190~

七十歳死亡法案、可決~読書記録190~

垣谷美雨の作品。

あらすじネタバレを言うと・・・

七十歳死亡法案が可決された。
これにより日本国籍を有する者は誰しも七十歳の誕生日から30日以内に死ななければならなくなった。
例外は皇族だけである。
主人公の宝田東洋子は、この法律が可決されて密かに喜びを感じていた。
というのも55歳の東洋子は、義母の介護に一人で奮闘するも、夫、その姉妹、娘と息子達の手助けは全く受けることができない。
義母は我

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ネズミの国のシャーロック・ホームズ~読書記録189~

ネズミの国のシャーロック・ホームズ~読書記録189~

タイトル通り、ネズミの世界での物語。主人公の「ネズミの国のシャーロック・ホームズ」ことベイジルは、人間のホームズ氏の部屋の床下に相棒のどーソン(ネズミの国のワトソン博士)と住んでいで、その探偵技術を学んでいる。
全4巻シリーズだ。

1950年代から1970年代にかけ、アメリカの女流作家イヴ・タイタスによって書かれた童話だ。
作者自身、シャーロック・ホームズが大好きで、かなり模倣している。
登場す

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シャーロック・ホームズの帰還~読書記録188~

シャーロック・ホームズの帰還~読書記録188~

お待たせいたしました。お待たせし過ぎたかもしれません。
と、村西監督の真似を。。。

最後の事件から9年。周りのファン、並びに出版社の熱い要望を受けて、ホームズは帰還した。

こちらには、短編が13篇収録されている。

空き家の冒険
ノーウッドの建築業者
踊る人形
さびしい自転車乗り
プライオリ学院
ブラック・ピーター
C=A=ミルバートン
六つのナポレオン像
三人の学生
金縁の鼻めがね
スリーク

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毒親と絶縁する~読書記録187~

毒親と絶縁する~読書記録187~

2020年 評論家の古谷経衡(つねひら)氏の体験記だ。

私は、古谷氏の事はネットでのイメージしかなかった。
ネトウヨらから嫌われている。そんな漠然としたものであった。

この書を読んで、かなり驚くと共に怖くなった。これは個人的な感想なので、他人にもそれが当たるかはわからない。

著者は北海道出身であるので、北海道の名門と言ったら、北大だろう。
そこに入れ!という父親の強要からくるパニック障害。

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シャーロック・ホームズ バスカビル家の犬~読書記録186~

シャーロック・ホームズ バスカビル家の犬~読書記録186~

作者コナンドイルは、1893年「最後の事件」という短編にてシャーロック・ホームズを死なせている。宿敵モリアーティと共に滝つぼに落ち、死体は見つからなかった、と。

それから8年後、周りからの多くの要請により、コナンドイルが書いたのが、こちらの長編小説となる。

あらすじをここに書いておくと・・・

かつて悪行を重ねた当主ヒューゴー・バスカヴィル卿が、最後に女を拉致するという蛮行をした際、どこからと

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