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シャーロック・ホームズ 恐怖の谷~読書記録193~

アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズでは最後の長編となる。

2部構成となっており、第1部で事件の概要と解決に至るまでのホームズの推理を、第2部で事件の背景となった「恐怖の谷」と呼ばれるアメリカの炭鉱街・ペンシルベニア州ヴァーミッサ峡谷(Vermissa Valley)での事件を記している。シャーロック・ホームズの終生のライバルとされる、ジェームズ・モリアーティ教授が事件の黒幕にいるとされる。

この作品の面白さは、密室トリックにあるかもしれない。
ネタバレをしてしまうと、殺されたと思われていた男が、実は犯人の方で、(と言っても正当防衛になったが)屋敷の中の秘密の部屋に潜んでいたのだ。
第一発見者である親友の怪しさいっぱいの行動と供述には、単純な警察や読者は
「あ、こいつ犯人」
と思ってしまうようになってしまうのだ。

暗号解読から始まり、密室殺人と、ミステリー小説、ミステリードラマの基になっているなと思うのであった。

又、第2部のアメリカでの話は歴史的背景を知ると感慨が増す。その辺りは、訳者の各務三郎先生が解説されていた。アメリカ合衆国ではリンカーン大統領の時代、資本家と労働者の2つの階級の闘い。

やはり、コナン・ドイルは最高だ。



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