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病院で死ぬということ ~読書記録191~

1990年 当時、千葉県にある市民病院消化器外科医師であった山崎章郎(ふみお)氏による著書。
短編の物語形式で書かれているが、事実を基にしている。

時代背景も考えてみる必要があるかもしれない。
現代では告知は行われるようになった。有名人がブログやら記者会見やらで報告をする時代でもある。
20世紀の日本では殆どが、がんの告知をしなかった。
胃がんは胃潰瘍。子宮がんは子宮筋腫。など、そのように言う時代であった。
だからこそ、書かれた本かもしれない。

終末期医療における医療スタッフと患者、家族の想い。それが大切にされるようになったきっかけではないかとも思う。

著者は1991年、ホスピスケアのある聖ヨハネ会桜町病院に移られた。


その後は、在宅診療を開業されている。


人は必ず死ぬ。そのことは絶対であるはずなのに、何故か日本では曖昧にされているような気がする。
医療が発達し過ぎた故なのか。何とか、生かして欲しいと願う家族と苦しむ患者の心は同じなのか?

尚、山崎医師については、恥ずかしながら、永六輔さんの本で知ったのだ。しかも、その永六輔さんの著書を紹介していたのは、実家にあった菩提寺から送られてきた真言宗豊山派の会報からであった。

キリスト教であれ、仏教であれ、死にゆく人には必要なのではないか?
私は単純にそう思うのであった。


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