本多俊一ShunichiHonda

国連環境計画 国際環境技術センター プログラムオフィサー。 サステナビリティ×創造力で…

本多俊一ShunichiHonda

国連環境計画 国際環境技術センター プログラムオフィサー。 サステナビリティ×創造力で私たちの暮らしを地球にやさしく!! SNSは所属組織と関係のない個人の発信です。

記事一覧

汚染のない未来へ:持続可能な廃棄物管理の重要性

日本の年度末と国連の年度初めが重なる2月から3月にかけて、毎週どこかで色々とお話しさせていただく機会に恵まれております。基本的な内容は、僕の守備範囲の廃棄物管理…

プラスチック汚染対策には何が必要か?

プラスチック汚染への取組みが進む中、UNEPがアジア太平洋地域の国々を結集しプラスチック汚染に対する多様なステークホルダーの知識共有会議を開催 2022年3月、国連環境…

気候変動における廃棄物分野ファクター6

今年最初の記事は「気候変動における廃棄物分野ファクター6」、と言いつつこちらが副題で主題はこちら「統合的廃棄物管理における気候変動対策の今後について」。大阪カー…

地球沸騰化を止めろ:メタン削減に向けた最先端モニタリング技術

毎年そうなのですが、11月ぐらいから毎週どこかで何かをお話しさせていただいていますが、今回はこのタイトル「大気中のメタンをモニタリングせよ!」です。先週、地球環境…

水俣 みなまた Minamata - その心は?

はじめにこの記事のタイトルは「水俣 みなまた Minamata - その心は」です。昨日、熊本県が主催した「水俣条約外交会議10周年記念 くまもと環境フォーラム」で講演する…

琵琶湖の大自然と僕のこころ

1. はじめにお手伝いさせていただいている関西・歴史文化首都フォーラム の滋賀イベント、マザーレイククルーズ2023に参加しましたので、その時にあれこれ考えていたことを…

地球危機の未来:2123年の2つの姿

前回の記事から少し間が空いてしまいましたが、近況報告も兼ねてnoteを書いています。夏が終わり、短い秋の間、いかがお過ごしでしょうか?私はこの会議シーズン、今年も裏…

捨てられたE-waste、捨てられたチャンス:ジェンダーが浮き彫りにするE-waste問題

今回のテーマはこちら、「捨てられた電子機器、捨てられたチャンス:ジェンダーが浮き彫りにするE-waste問題」について。今回もいつも通りに、とある組織からの依頼のプレ…

共に歩む未来 - 2043年のE-waste問題が問う、人間と地球の本当の関係とは?

はじめについに夏本番が到来で酷暑の毎日ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?国連の職場で働いていますが、まさしくバカンスシーズン到来、で、同僚皆さん少なくとも…

プラ問題:未来はリサイクルでグルグルだ!

梅雨と言いつつも、日中の日差しは真夏そのもの。アイスが欠かせない日々ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?今回のテーマも、ド定番のプラスチック。同じネタです…

ブルーエコノミーと廃棄物、その本質は?

はじめに今回の記事は、今年から関わらせていただいているあるプロジェクト会議であれこれ考えていた内容です。僕はUNEPの廃棄物担当職員で、今まではそれほどブルーエコノ…

E-wasteの未来は?

今僕がいる国際的なごみ管理”界”に入りたてから取組んできているこの電気電子機器ごみ、E-waste。それから20年経ち、様々なレベルでのプロジェクトを実施したり、講義し…

パネルディスカッション:資源効率や循環型経済にアプローチする製品設計とは?ー日本の課題とプロジェクト事例から考えるー

コペルニク・ジャパンがAlliance to End Plastic Waste(廃棄プラスチックを無くす国際アライアンス、AEPW)とのコラボで開催しているウェビナーシリーズ、AEPWの事例から…

世界環境デー ウェビナー: プラスチックごみ削減への取組

大阪は例年より早く梅雨入りして、毎日雨なんだか曇りなんだか晴れなんだかの天気です。引続き週2回出勤、週3回在宅勤務なのですが、職場まで地下鉄で2駅なので出勤は基本…

プラプラの記事:プラごみ問題はどこに行く?

すっかり世の中がアフターコロナになったこの頃。仕事の方もほぼオンラインから少しづつ現場での活動に戻ってきています。今回は久しぶりの対面でのJICA研修で講義させてい…

途上国支援のゲームチェンジ支援から共創へ - 循環経済に向けた共創的SDGs技術開発 -

はじめに今回の記事は、少々タイトルが長いのですが「途上国支援のゲームチェンジ支援から共創へ - 循環経済に向けた共創的SDGs技術開発 -」です。5月10日にNIKKEIブルー…

汚染のない未来へ:持続可能な廃棄物管理の重要性

汚染のない未来へ:持続可能な廃棄物管理の重要性

日本の年度末と国連の年度初めが重なる2月から3月にかけて、毎週どこかで色々とお話しさせていただく機会に恵まれております。基本的な内容は、僕の守備範囲の廃棄物管理ではあるのですが、ここ最近のご要望の傾向として、廃棄物分野と循環型社会、そして循環型経済、特に開発途上国におけるインフォーマルセクター、零細・中小企業の役割や環境ビジネスとしての今後の発展・拡大戦略、マーケティング・ブランディング、などなど

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プラスチック汚染対策には何が必要か?

プラスチック汚染対策には何が必要か?

プラスチック汚染への取組みが進む中、UNEPがアジア太平洋地域の国々を結集しプラスチック汚染に対する多様なステークホルダーの知識共有会議を開催

2022年3月、国連環境総会(UNEA-5.2)の第5回会議で、プラスチック汚染に関する国際的な法的拘束力のある文書を作成する歴史的な決議が採択されました。政府間交渉委員会(INC)が設立され、2024年4月に第4回会議が開催されます。プラスチック汚染に

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気候変動における廃棄物分野ファクター6

気候変動における廃棄物分野ファクター6

今年最初の記事は「気候変動における廃棄物分野ファクター6」、と言いつつこちらが副題で主題はこちら「統合的廃棄物管理における気候変動対策の今後について」。大阪カーボンカンファレンス2023(~COP28の結果:Global Stocktake (GST)とパリ協定6条実施について~)における講演の準備ノートです。昨年12月にドバイで開催されたCOP28(気候変動枠組条約第28回締約国会議)の結果を報

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地球沸騰化を止めろ:メタン削減に向けた最先端モニタリング技術

地球沸騰化を止めろ:メタン削減に向けた最先端モニタリング技術

毎年そうなのですが、11月ぐらいから毎週どこかで何かをお話しさせていただいていますが、今回はこのタイトル「大気中のメタンをモニタリングせよ!」です。先週、地球環境戦略機関(IGES)主催のオンライン会合、全球レベル及び国レベルのメタン排出量観測のための衛星データの活用でモデレーターをさせていただきました。僕的には新たなテーマでのモデレーターでしたが、地味な廃棄物管理分野において、いきなりデジタル化

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水俣 みなまた Minamata - その心は?

水俣 みなまた Minamata - その心は?

はじめにこの記事のタイトルは「水俣 みなまた Minamata - その心は」です。昨日、熊本県が主催した「水俣条約外交会議10周年記念 くまもと環境フォーラム」で講演する機会がありました。10年前の10月に、4年間にわたる5回の交渉会議を経て、私は水俣条約外交会議の開会式で、日本代表席に座っていたのを思い出します。偶然とも言えるめぐり合わせや重なりがあり、水俣条約交渉を担当することになりました。

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琵琶湖の大自然と僕のこころ

琵琶湖の大自然と僕のこころ

1. はじめにお手伝いさせていただいている関西・歴史文化首都フォーラム の滋賀イベント、マザーレイククルーズ2023に参加しましたので、その時にあれこれ考えていたことを書いてみました。半日のクルーズ船に乗ってのフォーラムはものすごく楽しかったです。通常の会場だと話す方と聞く側と見えない境界があるのですが、今回はみんなが一体化して、笑い声あり、おどろきの声あり、そしてみんなで琵琶湖のすばらしさを体で

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地球危機の未来:2123年の2つの姿

地球危機の未来:2123年の2つの姿

前回の記事から少し間が空いてしまいましたが、近況報告も兼ねてnoteを書いています。夏が終わり、短い秋の間、いかがお過ごしでしょうか?私はこの会議シーズン、今年も裏方に回っており、日々、会議文章の作成や、そもそも作成する前の準備を含めたリサーチ、各国の最新情報の把握等で、なんだか学生時代の研究を思い出す日々です。と言っても、今実際に行っているのは、研究でもなく、コンサル業でもなく、国連加盟国、特に

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捨てられたE-waste、捨てられたチャンス:ジェンダーが浮き彫りにするE-waste問題

捨てられたE-waste、捨てられたチャンス:ジェンダーが浮き彫りにするE-waste問題

今回のテーマはこちら、「捨てられた電子機器、捨てられたチャンス:ジェンダーが浮き彫りにするE-waste問題」について。今回もいつも通りに、とある組織からの依頼のプレゼンテーションの準備ノートです。

女子ワールドカップサッカーも開催されていて、ニュースでもLGBTQの事を多く目にするところです。世界トップのサッカー選手が長年抱えていた悩みや思い、社会からの重圧や偏見についての報道もあり、改めてL

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共に歩む未来 - 2043年のE-waste問題が問う、人間と地球の本当の関係とは?

共に歩む未来 - 2043年のE-waste問題が問う、人間と地球の本当の関係とは?

はじめについに夏本番が到来で酷暑の毎日ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?国連の職場で働いていますが、まさしくバカンスシーズン到来、で、同僚皆さん少なくとも2週間、多いと1カ月丸々長期休暇を取ってバカンスや母国に帰国という夏休みを取っています。僕の場合は、日本人で自国・自宅にいますし、さすがに4週間完全休暇、と言う習慣もないので、毎年7月と8月は週休3日とかにして、仕事のスピードを落としていま

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プラ問題:未来はリサイクルでグルグルだ!

プラ問題:未来はリサイクルでグルグルだ!

梅雨と言いつつも、日中の日差しは真夏そのもの。アイスが欠かせない日々ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?今回のテーマも、ド定番のプラスチック。同じネタですみません。そろそろ違う仕事もしたいのですが、相変わらずプラプラが中心の生活が続いているので、今回もこのテーマです。いつも通りに今回のnoteも、とあるワークショップで企業の皆さんとざっくばらんな意見交換したときの本多メモです。詳細は明かせな

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ブルーエコノミーと廃棄物、その本質は?

ブルーエコノミーと廃棄物、その本質は?

はじめに今回の記事は、今年から関わらせていただいているあるプロジェクト会議であれこれ考えていた内容です。僕はUNEPの廃棄物担当職員で、今まではそれほどブルーエコノミーを考えてきませんでした。でも、プラスチック汚染対策が喫緊の地球規模課題となってから、ここ数年、特にその経済的な側面に触れるようになってから、その問題点や深さ、そこから自分の生活に結びついてくる波及的な影響などの相互作用・影響・効果、

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E-wasteの未来は?

E-wasteの未来は?

今僕がいる国際的なごみ管理”界”に入りたてから取組んできているこの電気電子機器ごみ、E-waste。それから20年経ち、様々なレベルでのプロジェクトを実施したり、講義したり、プレゼンしたり、報告書書いたりしてきましたが、果たして20年前と状況が変わったのだろうか?今回、E-wasteに関してインタビューを受ける機会があったので、頭の中を整理してnoteを書いてみました。

さて、まずは電気電子機器

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パネルディスカッション:資源効率や循環型経済にアプローチする製品設計とは?ー日本の課題とプロジェクト事例から考えるー

パネルディスカッション:資源効率や循環型経済にアプローチする製品設計とは?ー日本の課題とプロジェクト事例から考えるー

コペルニク・ジャパンがAlliance to End Plastic Waste(廃棄プラスチックを無くす国際アライアンス、AEPW)とのコラボで開催しているウェビナーシリーズ、AEPWの事例から学ぶ特別編「資源効率や循環型経済にアプローチする製品設計とは?ー日本の課題とプロジェクト事例から考えるー」にパネリストとして参加しました。この1週間で3回ほどプラスチック汚染関係のイベント等で話す機会があ

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世界環境デー ウェビナー: プラスチックごみ削減への取組

世界環境デー ウェビナー: プラスチックごみ削減への取組

大阪は例年より早く梅雨入りして、毎日雨なんだか曇りなんだか晴れなんだかの天気です。引続き週2回出勤、週3回在宅勤務なのですが、職場まで地下鉄で2駅なので出勤は基本的には徒歩通勤30分程度です。でも雨天時は在宅勤務としておりますが、毎日5キロ×2回(早朝と午後)のウォーキングは必ずしています。山登り用の雨具(夏仕様)でしっかり身を固めウォーキングをしています。雨の中のウォーキングは空気のしっとり感や

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プラプラの記事:プラごみ問題はどこに行く?

プラプラの記事:プラごみ問題はどこに行く?

すっかり世の中がアフターコロナになったこの頃。仕事の方もほぼオンラインから少しづつ現場での活動に戻ってきています。今回は久しぶりの対面でのJICA研修で講義させていただきました。JICA研修の講義は年間で数回行わせていただいているのですが、この研修は対面で行うことに意義があると思います。JICA研修参加者はその国を代表する方で、その国の課題をどう解決するかについて、講義内容を参考にしつつも、他の参

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途上国支援のゲームチェンジ支援から共創へ - 循環経済に向けた共創的SDGs技術開発 -

途上国支援のゲームチェンジ支援から共創へ - 循環経済に向けた共創的SDGs技術開発 -

はじめに今回の記事は、少々タイトルが長いのですが「途上国支援のゲームチェンジ支援から共創へ - 循環経済に向けた共創的SDGs技術開発 -」です。5月10日にNIKKEIブルーオーシャン・フォーラム『産官学で取り組む海洋保全』に登壇させていただき、その時にあれこれ考えていたことをnoteに書いてみました。
NIKKEIブルーオーシャン・フォーラム『産官学で取り組む海洋保全』とは、日本経済新聞社が主

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