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琵琶湖の大自然と僕のこころ

1. はじめに

お手伝いさせていただいている関西・歴史文化首都フォーラム の滋賀イベント、マザーレイククルーズ2023に参加しましたので、その時にあれこれ考えていたことを書いてみました。半日のクルーズ船に乗ってのフォーラムはものすごく楽しかったです。通常の会場だと話す方と聞く側と見えない境界があるのですが、今回はみんなが一体化して、笑い声あり、おどろきの声あり、そしてみんなで琵琶湖のすばらしさを体で感じながら、みんなでフォーラムを開催したような素晴らしいイベントでした。プロデューサーの楽しいリーダシップやスタッフの皆さんに感謝です。ありがとうございました。

「関⻄・歴史文化首都フォーラム」滋賀イベント出演者

ゲストスピーカー
福井 昌平(関⻄・歴史文化首都フォーラム推進委員会座⻑)
本多 俊一(国連環境計画 環境技術センタープログラムオフィサー)

ナビゲーター
川本 勇(関⻄・歴史文化首都フォーラム滋賀プロデューサー/(株)ユーストン代表)

パネラー
「歴史」 今村 翔吾(歴史小説家/2022年直木賞受賞)
「環境」 井手 慎司(滋賀県立大学学⻑/環境科学・琵琶湖専門家)
「文化・暮らし」 加藤 賢治(成安造形大学副学⻑/「近江学研究所」副所⻑)
「祈り」 鷲尾 龍華(石山寺座主)
「スポーツ」 伊藤 みき(元フリースタイルスキー・モーグル日本代表/滋賀県日野町出身)

コメンテーター三日月 大造(滋賀県知事)

2. 琵琶湖の大自然と僕のこころ

朝起きぬけにコップ一杯の水を飲んだ。コップを左手で持ち、右手で蛇口をひねり、コップ半分ぐらいまで水を入れ、そのまま飲むはずだった、毎朝のいつものルーチンのように。でも今日はその瞬間、ビビット閃くものがあった、全てがつながったのである。

  1. 宇宙が誕生したのが約137億年前。

  2. 地球が誕生したのが約46億年前。

  3. 琵琶湖が誕生したのが約400年前。

  4. 琵琶湖が今の一に移動したのが約40万年前。

  5. 人間の先祖のホモサピエンスが、東アフリカの水資源が乏しい極限の環境中に出現したのが約12万年前。

  6. その過酷な状況を抜け出すために東アフリカを出発したのが約5万前。

  7. そこから2万年もの間で誕生した古代4大文明、エジプト、メソポタミア、インダス、中国文明はいずれも大河沿いで発展。

  8. そして、人間が日本にたどり着いたのは約3万年前。東アフリカからアジア経由の人間のグレートジャーにの終着点。

  9. 7000年から5000年前に琵琶湖の支流の淀川と大和川が交わったところでできた三角州いより流れ着いた堆積物で作られたのが大阪平野。その地理的条件から、大阪は大都市として成長していく事になった。

  10. そして、今。450もの琵琶湖の水源に降り注いだ雨が、地下水として大地の栄養素を受け取り、支流を通り、琵琶湖を通り、淀川を流れ、大阪市の浄水場で飲料水になり、そして大阪市内の僕の家の水道に届けられ、そして、このコップに注がれた。

たかがコップ一杯の水道水、日常の生活に完全に埋もれているその水。でも46億年もの間の多くの偶然が重なり合い、その偶然でもたらされたありとあらゆるめぐり逢いの中でも、この瞬間しかない奇跡が、このコップ一杯の水であり、この偶然が重なり合い奇跡的な先で生かされているのが自分自身である、と言う事にビビット来た瞬間。これを奇跡と言わずになんというか、日常の一風景、と言うのかもしれないが。その日常の風景の裏側には、こんな奇跡が隠れている事に気が付くと、身の回りの風景が全て変わって見えてきた。

3. 自分は恵まれていただけ

それは、自分がいかに恵まれているかと言う事だ。国連職員として仕事していると、開発途上国の中でも非常に厳しい・過酷な状況で生活している人たちの、その日常が頭の中にある。それを考えるたびに、日本人である、と言うだけで、ものすごい恵まれた環境を手にしている、そう、日本に生まれただけで。もちろん、日本の社会もなんだかんだでいろいろある、が、それでも、世界有数の先進国だし、途上国の過酷な生活状況と比べれば、遥かに良すぎる普段の生活を手にしているのが私たち。日本にいると、どうしても欲望として、より豊かな生活をしている一部の日音たちの暮らしと比較し、なんで自分はそうならないのだろう、と嘆く人が多いですが、それは贅沢な欲望と言うもの。足るを知る生活でも、ここ日本では世界有数の幸せな暮らしを送ることができる国。

いのちの水。水の惑星地球、と僕の住むここ大阪市は水の都とも言われ、○○橋や○○島、○○津や○○浜と言う水に関係する地名が多くある。大阪の水は、全て琵琶湖から流れ着いた先なので、もし琵琶湖が無かったら、大阪の都心部は存在しなかったかも。地政学的にも大阪市の土地は、淀川や大和川から流れ込んだ堆積物が形成されて大阪平野が誕生。

日本は水が豊富の一つ。日本が誇る大自然のおかげで、山の森が水を貯え、川に水が流れ出し、琵琶湖のような湖へ流れ、さらに下流へ流れていき、所々で整備された浄水場の取り込まれ飲料水となり家庭に届けられ、家庭や工場からの排水は下水処理場で処理され、川に放流されている。その水が海に流れ、地球の遥かな水循環の旅に出る、と言う事を実感できる国。これも当たり前の日常風景だけど、偶然が重なり私たちが生かされているここ日本の大自然があるからこそ、日本は水が豊富であることを忘れてはいけない。

4. どっちが世界標準?

世界を見ると、水に関しても日本は恵まれすぎている。そもそも、水道水が飲める国は、世界にどれくらいあるか知っていますか?世界196か国のうち、水道水を完全に安心して飲める国は、僅か12か国。まぁ安心でしょう、と言う国を入れても30か国程度、多くは欧州の国です。大多数の国は水道水を飲むことはできません。そもそも、各家庭に水道水が届けられていない、と言う方が世界標準だ。

地球上の全人口約80億人のうち、10%約8億人が極限の水不足の生活を余儀なくしている。今後10年で世界人口の約40%が水不足での生活を余儀なくされると予想がある。世界では水が足らないのが現状。その一つの原因が、国連事務総長も言っていた、地球沸騰化。今年の夏は、世界中で観測史上一番暑い夏を記録。平年より約1.2℃も高かった。ここ関西では、11月にもかかわらず、先週末まで日中の気温が25℃を越え夏日を観測。11月になるとホットコーヒーがよりおいしく感じる季節なはずだが、今年はまだアイスクリームを食べたいと感じる。明らかに気温が上がっていることを普段の生活で実感できる、それが地球温暖化だったが、今年はそれを飛び越えて地球沸騰化時代となってしまった。

人間社会や産業・農業による水資源の搾取も水不足の原因となっているが、地球沸騰化による水不足も急激に顕著となっている。地球沸騰化のために、本来の水の世界循環であるべきところの水が貯まらず、すぐに水蒸気として気体となり大気中を循環している、その影響として水不足となり、さらに大気中の水分が多くなることで豪雨災害や巨大台風による巨大自然災害による甚大な影響を人間社会に及ぼしている。自業自得…である。

今でさえ、80億人が必要としている水が足らない状況で、今後はそれがより悪化する。世界の多くの湖は、いくつかの国教と接しているため。もしかしたら水資源確保を目的とした軍事衝突も起こるかもしれない。資源をめぐる戦争、過去の過ちを人間は再び犯すかもしれない。忘れてはならないのが、これらの全ての原因は、我々人間である事。人間が欲望をむき出しにしてこの社会を作り上げてきたこと。全ての天然資源は有限であるにもかかわらず、それを資本主義社会の原料とし、自然資源を富に変え、そこから出てきた副産物は、自然にそのまま放り込むことをしてきた人間が、この出来事の悪の中枢である。その現実を正面から直視して解決していかない限りは、地球環境は完全に破滅する。

5. 何を考えて何をするべきか?

でも、今日こうして、土曜日の午後、琵琶湖で豪華客船に乗船し、週末のひと時を過ごしていると、もしかしたらこう思うかもしれない、「日本は大丈夫だろう、島国だし、琵琶湖のように水は豊富だし」。確かにそうかもしれない、日本は既に人口が頭打ちしているので、少なくとも水資源を取りあうこともなく、逆に一人当たりの国内の水資源量は増えてくことは明らかである。でもそれで本当に良いのですか?

資源に乏しい日本は、世界中から製品を輸入することで、日本での経済社会を回しています。言い換えれば、世界中でその製品を製造するために必要な大量の水を日本人がバーチャル的に現地で使用している事実。日本は世界ランキングで第6位、このランキングをどう読み解くか?少なくともその製品を輸入していることは、その製品の製造元に対して経済効果をもたらすが、その反面、大量の水を現地で使い続けているのは確かである。日本人一人当たりのウォーターフットプリントは約1700トン。

この数値をみると、少なくとも日本に住んでいる限りは水不足になることはないが、日本だけ水不足がないから安心、と考えてよいのか?誰一人も残さない、と強いメッセージを出しているSDGsを踏まえると、日本人はより少ない水資源で生活をすることが求められる。無駄なものは買わない、地元の製品、少なくとも国内製品の物を選ぶ、その小さなアクションが、バタフライ効果として地球上全体での水不足問題削減につながる。

6. 大事なこと

それともう一つ、水資源の確保の大前提として、その水資源流域の自然をしっかり守る事。琵琶湖も、日本も、先進国も、かつては環境汚染ありきの経済成長を遂げた。それが間違いだったことに気が付いたが、それには大きな代償が伴った。環境問題と言うのは、事前に防ぐ対策を取った方が、コスト的にも安くつき、心理的にも私たちに安心感をもたらす。あの過ちを二度と起こさない、これが水資源を守る重要なメッセージの一つです。

環境問題と言うのは、正確に言うと人間の問題だ。今日、こうして琵琶湖の大自然に触れて何か感じる私たちの心、それが人間の本心でしょう。その本心を大切にし、自然環境を守っていくのが私たち人間の使命です。

だからこそ、私たちが今できること、小さな日常の選択が、未来の世代に水を守り、豊かな環境を維持する手助けとなります。水資源を無駄にしない、環境を大切にすることは、私たちの責務です。一滴一滴の水が、未来への希望とつながっています。水を大切にし、自然を保護することは、私たちの選択次第で、地球環境を再構築するスタート地点となります。今日、ここから始めましょう。


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