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Art Writing & Photos

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自分が見にいって楽しかったアートに関する文章と写真を載せています。
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#美術館

「わかりやすい」は恐ろしい程にかっこいい。ー「青山悟 刺繍少年フォーエバー@ 目黒区美術館」を鑑賞して感じたことー

「わかりやすい」は恐ろしい程にかっこいい。ー「青山悟 刺繍少年フォーエバー@ 目黒区美術館」を鑑賞して感じたことー

わかりやすいって現代美術においてとても勇気がいることだと思うのです。

最初に明確に定義させて頂きます。こちらの展覧会が開催されている目黒区美術館は解体予定とのニュースがあります。

「この展覧会の関する文章と目黒区美術館再開発計画に関する見解は明確に区別します」ということをここに定義させて頂きます。なのでこの文章に関して目黒区美術館再開発計画に関しては触れません。コメントを求められてもこの文章に

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日本の美術館においてベビーカーが透明でなくなる転換点に居合わせた透明だったかつての私。

日本の美術館においてベビーカーが透明でなくなる転換点に居合わせた透明だったかつての私。

美術館で幼子を連れた日本の親はなぜ透明であったのか、かつて幼子の母であった俺の語りを聞いてくれ。

先日、一瞬、一般にも話題沸騰になった国立西洋美術館の展示に行きました。

上記のnoteでは触れなかった部分「美術館におけるベビーカー/車椅子ユーザー」について子連れ鑑賞を続けきたい自分も触れるべきだと思い始めたので、自分なりに整理してみたいと思います。

私は17年ほど子供を連れて現代アート界隈を

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Seinaさんが選ぶ2023年展覧会(国内編&国外編)

Seinaさんが選ぶ2023年展覧会(国内編&国外編)

Seinaさんが選ぶ2023年展覧会、年末年始ドタバタしててそういえば何も書いてないと年末に気がつきました。
自分のためにまとめてみました。

その前に懺悔:
記録が少ない、少なすぎる。
以前あんなに記録していた俺はどこへ行った状態です。ここ数年、記憶をサボっていたことを懺悔し、2024年はしっかりと訪問を記録していきたいと思います。

では振り返ってみましょ。

国内編:黒部市美術館 キュンチョ

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うるさい人は子供だけじゃないのに美術館での子供排除案はなぜ定期的に上がるのか。具体的対策とそれぞれが対策をとるべき理由。

うるさい人は子供だけじゃないのに美術館での子供排除案はなぜ定期的に上がるのか。具体的対策とそれぞれが対策をとるべき理由。

美術館での子供排除はなぜ定期的に上がる理由、それは文化芸術に投資する金がないからですよ。要は金です。

1;美術館で子供の声がうるさいと思う大人がとるべき即効性のある対策

定期的に上がる「美術館に子供を連れて行っていいのか」について子連れ鑑賞を17年続けて来た者として分析と思いをまとめてみました。この件に関しては何回も何回も話題になりますね。私は現状で考える最善の方法はこれです。

排除、ゾーニ

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共感してほしくないならどうしてほしかった?と問いかけてみて見えてきたものー共感OFF会に参加してみたー

共感してほしくないならどうしてほしかった?と問いかけてみて見えてきたものー共感OFF会に参加してみたー

東京都現代美術館「あ、共感とかじゃなくて。」のゆるゆるイベント共感OFF会に参加してみました。

この展覧会。わからんことでも良きなのよ、が快感で何回も鑑賞させて頂いています。

今回はその「わからんこと」について、人の言葉で対話できるのか、面白い予感しかない!ということで、興味津々で参加しました。

突然ですが、私、共感っ言葉めっちゃ日本的だと思うんですよ。ちなみに、「共感」をウキペディアで調べ

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子連れ美術鑑賞、終了を迎えて。

子連れ美術鑑賞、終了を迎えて。

17年。気がつけばあっという間でした。

2023年9月から息子さんが大学進学のためにカナダのトロントに渡航します。大学の寮に入るので親元を離れて暮らします。気がつけば本当にあっという間でした。
私の書く文章を読んでくださる方は、「子供連れでアート鑑賞をする」というテーマから読み始めてくださった方も多いと思います。ここで子供が独り立ちするので私の中では2023年8月で「私の子連れアート鑑賞」は一旦

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新美の李禹煥展を訪問して「アクションを起こすことで、アクションしない大切さ」を実感することができた話。

新美の李禹煥展を訪問して「アクションを起こすことで、アクションしない大切さ」を実感することができた話。

出かけないことの大切さを、出かけて、気づく。

毎日忙しいって動いていると、今度は体が疲れてくる。なので数日は家からでないと今度は心が「行動できる幸せな状況なのに何やってんの!」と焦りにくる。ほんまこの世は難しい。。

この暴れる気持ちを整えるためにということで国立新美術館の李禹煥展へ親子で出かけることにした。李禹煥展は静かな状態で鑑賞すべきだ、アートナイトの雑踏の中で鑑賞するものではない!という

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学校引率の美術鑑賞の破損事故を防ぐために大人達が出来ること

学校引率の美術鑑賞の破損事故を防ぐために大人達が出来ること

このような事故がきっかけに学校の美術鑑賞を無くさないために出来ることを大人達がはじめないといけません。

追加:6月6日の時点では自分が鑑賞経験がある&記録が残っている「クワクボリョウタさんの作品」のみ記載していました。ご指摘があったのでもう1点の作品に関しても作品動画を追加しました。

悲しいニュースが飛び込んできました。

もっと詳しい記事はこちら。

正直びっくりしました。クワクボさんの作品

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「美術館に赤子連れで行く際のコツ」を子連れで美術鑑賞訪問歴15年の俺が語るからちょっと聞いて。

「美術館に赤子連れで行く際のコツ」を子連れで美術鑑賞訪問歴15年の俺が語るからちょっと聞いて。

子連れで美術館、行ったことないと怖いですよね。でも怖いを事前に解決しておけばめっちゃ楽しくなりますよ!

子連れで美術館に行くことは本当に本当に、楽しい。そう言い続けて15年近く経ってる、でもなかなか浸透しない。理由を聞くと「怖いから」。なぜそう思う親御さんが多いのか?それはなぜかを改めて考えてみました。そしてそのなぜを潰せば家族で行きたくなるのでは?と子連れで美術館賞歴15年の

俺の話を聞け〜

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Chim↑Pom個展「ハッピースプリング」に行くと現代アートを楽しむ気づきをゲットできると子連れアート鑑賞歴15年の私が全力で主張する理由。

Chim↑Pom個展「ハッピースプリング」に行くと現代アートを楽しむ気づきをゲットできると子連れアート鑑賞歴15年の私が全力で主張する理由。

私が美術館に家族で行きたい時に一番欲しかったのは「子連れの私も他の鑑賞者さんと同等に展示を緊張しないで鑑賞する権利」でした。

2月18日からChim↑Pomの大規模な展覧会が森美術館で始まりますね!

そして展覧会と同時に進行してるChim↑Pomの新アートプロジェクトも興味津々です😀。

私も早速、noteを書いてそして参加させて頂きました。

そして私は声を大にして言いたいことがあります。

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子連れ鑑賞歴15年以上の私がChim↑Pom展のクラファン「くらいんぐみゅーじあむ」を子育て世代に全力でオススメしたい理由

子連れ鑑賞歴15年以上の私がChim↑Pom展のクラファン「くらいんぐみゅーじあむ」を子育て世代に全力でオススメしたい理由

このコロナ禍で行き詰まった時代だからこそ、絶対行くべき。怖くないよ。

久々にワクワクするクラファンに出会いました。

私は子供を連れて美術鑑賞するという活動をもう15年以上続けています。正直、美術館があったから子育てできたといっても過言ではありません。15年?またまた盛って。。という人はこちらをみてください。

最近の活動はこちら。

ね、15年以上続けてるのは盛ってないことをお分かりいただけた

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「文化財を残す意味」と文化の伝え方について私なりの回答。

「文化財を残す意味」と文化の伝え方について私なりの回答。

文化財を残す意味とは表現に尊厳を持って振る舞うことで自己を癒すことが出来るから。そしてその想いを次の世代に引き継ぐことに意味を感じるから。

気がついたらCOVID-19と共に生きて1年以上が経過してしまった。私はマレーシアに住んでいるので日本より比較的中国の情報が早かった。新型肺炎という言葉を聞くようになってから大体1年半が経ったと言えるだろう。

1年前は「2020年の混乱は今年一杯。来年には

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「日本から海外へ」「海外から日本へ」という配信を海外から日本語で見て感じたこと。

「日本から海外へ」「海外から日本へ」という配信を海外から日本語で見て感じたこと。

先日、1日で2つの配信を見た。現在私の住むマレーシアでは再び感染者が増えてきて非常にピリピリムードであります。現在は家族の目的に支障が起きないように過ごすことが最優先。なので配信はそんな私の心強い味方である。

森美術館は私にとって特別な美術館だ。自分が子供と一緒に鑑賞にチャレンジする際に最初に暖かく迎えてくれたのが森美術館。ここの「おやこでアート」という鑑賞プログラムが開館当初から開催されていた

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美術館好き親子から「対話型鑑賞」が強奪されようとしてる今、私たちができることは何だろう。

美術館好き親子から「対話型鑑賞」が強奪されようとしてる今、私たちができることは何だろう。

気がついたら今年も半分終わってしまう。もうすぐ、夏休みだというのに全くもって心が盛り上がらない。全然心がワクワクしない。理由はわかっている。

それは「美術館に気持ちよく行けない」からだ。

このnoteは対話型鑑賞を積極的に展開している臼井 隆志さんの呟きを読んだことをきっかけに描いてみた。

「長年対話型鑑賞を行ってきた親子の親として自分は何を感じてきた、そして今何を感じているんだろう」と改め

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