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カラーコード#f5c9c4
あおいは色についてよく考える。中学校までは美術部に在籍していた。熱心ではなかったし上手でもなかったが、そういうことに好奇心だけは持っていた。高校で美術部を選択しなかったのは、部活動を選ぶ初日に美術室を探すのに校内を迷ったこと、高校生ともなればきっと絵が圧倒的にうまい連中に混ざってやっていけない自信があったこと、その迷いの結果として廊下をうろうろしているところを同級生に誘われて映研に入ってしまったこ
もっとみる【詩かもしれない】深淵
いつもは目線の高さで見る空を、何の気なしに首を90度上に曲げて見上げてみると、めまいがして、そのまま背後に倒れそうになる。底の知れない得体の知れない深さが一瞬、雲間から伺えるようで、背筋がヒヤリとする。高層ビルやタワーから街を見下ろす時。淀んだ淵の、あるいは自分の乗った船の下の海の深度を想像する時。それよりももっと遠い距離が頭上にある。夕闇が濃さを増すごとに、それは限りなく深くなり
放り出される
【詩かもしれない】やっぱり三日月
三日月が見えると
見える頃になるとウキウキする
今日は正真正銘の三日月、旧暦三日の月である
夏に向かって日足がずいぶん延びてきたから、西の空に細い月が見えるのも、ずいぶん遅い時間になってきた
今日はカレーライスを食べ終えた19時半、カメラを手にして外に出てみた
日没時刻はとうに過ぎ、でもまだ地平のあたりに太陽の名残がある
三日月が、目の高さより少し上に見えている
地球照もばっちり確認で
【詩かもしれない】カゲロウ
この数日、暗くなるとカゲロウが大量に舞う
大量などというと彼ら(their/each)一匹一匹の命をカウントしていないようで気がひける
一級河川が流れ、住宅地には用水路が大小張り巡らされている
たまに大発生したカゲロウが道路の上を埋め尽くすように乱舞している
その大量のカゲロウは朝に見ると弱々しく草葉にすがりつき、命を終えようとしている
儚い命だけれど、一夜限りの命でもない
幼虫でいる