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ブレークダウン

夢見が悪かった。

メンタルが下限値ギリギリである。普段から中間より上に振れることはほとんどないが、それにしても、だ。

夢は悪い内容ではなかったが、一晩中見ていてた。何度か睡眠の途中で気が付くと、あ、夢を見ていた、と思い出す。最終的に朝の四時半に目が覚めた時に明らかに落下しているのが自覚できた。その三十五分後に鳴るはずの目覚まし時計をもう十分遅らせて、抗不安薬を一錠飲んだ。朝方にうっかり飲むと心が落ち着いて(すぎて)、アラームを止めたのも気づかずに寝坊するから先回りしたのだ。

夢は脈絡が無かった。色々な場面が出てきてほとんど覚えていないが、一つは電車か車かで山間を走っていると、木々の開けた野原のような場所でテントを張っている人がいたこと(黄緑色のテントだった)、もう一つは何かの作業場で作業をしていたら(たぶん石細工だが経験は無い)三人の女子中学生に憧れを持たれていたことだ。あ、あの人が喋った、と控えめにはしゃいでいたからちょっとしたアイドル気分だった。安い。制服と言動から中学生だと判断した。何も意味がわからない。だから疲れている。もしかしたら後者は、ひと月くらい前に中学の文集を開いてかえこの写真を見たからかもしれない。そんなにか、と思うが思い当たる節といえばそれくらいだ。

そのあと少し眠ることができて、遅らせたアラームで目が覚めた。と思ったらすぐに五分後のスヌーズが鳴った。メンタルは完全には復活していなかったが、起床することができるくらいには回復していた。休職前あるいは復職直後ならほぼ間違いなく仕事を休む程度ではあったが、対処の仕方をある程度身に着けた(着けてしまった)から、それは無い。出勤した。ただ仕事に身が入らない。

オフィスの人口密度が異常に高く、喋り声や無遠慮な咳や咳払いやコピー用紙の束を机に叩きつけて端を揃える音や一聴して誰とわかる足音や割り込みやマウントやそれらが一度に重なることにいちいち嫌悪感を抱く。上司との面談で体調面を尋ねられたときに、周りの音が気になって集中できないと相談したら、自分はそうは思わないと一蹴された。じゃあ聞くなと思うが、上司なんてそんなものだろうとは思う。諦めている。

出勤前のノンとの散歩で何か前向きな気持ちになるものを見つけられたらと思ったが、ノンくらいしかなかった。十分すぎる。

今、もう一度抗不安薬を飲んだら多少ましになってきた。
やれやれだ。




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