火曜日と金曜日
いつかぼくも死ぬ
想像が今はまだつかないけれど
確実にその日はやってくる
突然やってくることもある
目を背けるわけではないけれど
その時をどうやって受け入れたらいいかわからない
昔のことを時々思い出す
辛かったことばかりに目がいくことも多い
それでも
それなりにそうでもなかったこともあり、そんなに捨てたもんじゃなかったことに気づく
◇
高校の卒業アルバムを持っていない
卒業して間もない頃、他校に行った地元の同級生が
ブルーんところの学校って、かわいい子が多かったらしいな
そうか?
ああ、そうかもしれんな
ちょっとアルバム見せて
ちょっとだけ貸して
といわれてそのままになった
二十代の半ばで、地元で集まる機会があり、その場で貸した当人に問いただしたけれど、知らないといわれた
又貸しをしたようだった相手も同じ場にいたが同じ態度をとられた
ずいぶん酷い話だし、それから長いことそのことに固執していた
相手のことよりも、その一冊が手元に戻らないことに
今朝、小学校からの卒業アルバムや記念文集の類を、本当に大切な二、三ページだけ残して、あとは燃えるゴミに出した
外からはわからないように他のものにくるんで捨てた
夕方、ゴミ出し場からはきれいに消えていた
週末にそうしようとふと思いついたのだった
あれだけ心のなかでわだかまっていた高校の卒業アルバムは結局戻ってきていない
しかしそれが無かったことで困ったことがあったかというと、
正直なところ、ない
自分の中で大きな穴が開いていた感覚すらあったというのに
生まれてからずいぶん年数がたって、そのことに費やすメモリにも限界がきているのだ、たぶん
これでいいんだと思う
ガタついてきたストレージの容量を空けるために
次に目の前にやってくる風景のために
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