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「書く」とは? 創作とは?書き方とは?スランプに陥ったら?直木賞作家の原点に学ぶ

エッセイを書くようになり、プロの作家さんのエッセイに今一度触れたいとこちらの本を手にとりました。

直木賞を受賞した作家さんが、受賞直後に執筆したエッセイを集めたものです。

作家のみなさまが「書くこと」についてご自身の過去や、どのように文章にふれてきたのか、書かれています。
(藤原華さん主催の「なぜ、私は書くのか?」のコンテストに参加される方にはぜひ読んでいただきたい本です)

ものすごいメンバーです。
・重松清さん
・唯川恵さん
・石田衣良さん
・江國香織さん
・京極夏彦さん
・角田光代さん
・東野圭吾さん
・森絵都さん
・三浦しをんさん
・池井戸潤さん
・辻村深月さん
・朝井リョウさん
・朝井まかてさん
・姫野カオルコさん

全部書ききれませんので、私の好きな作家さんだけピックアップさせていただきました。これで半分くらい。この倍の方のエッセイが読めます。

直木賞受賞作家という、トップオブトップたる作家のみなさんが「書くこと」について語っています。



当たり前だけど

めちゃくちゃ
おもしろい。



おもしろい……語彙力が足りなくて表現できてないけど、勉強になる。惹き込まれる。それだけじゃなくて。


間違いない、期待を裏切らないはず、と分かって読んでも、うわー!!!作家さんってやっぱすげーーーーーーーー!!!(語彙力消失)ってなること必至。


先日ご紹介した「自分の文章に、ちょっと酔ってない?」もこのエッセイ集の中で朝井リョウさんが書かれているものです。

ほんの一部をご紹介します。

とにかく、書いて、投稿をし続けるしかない。自分で書いたものを自分で読んで酔っているだけでは、この場所から出ることはできない。

朝井リョウさん ルーレットの目

生きていれば忘れたくても忘れられない記憶ができるものだし、生活のなかでどす黒い感情は次々に生まれる。降り積もるそれらをどうするのかというと、私の場合、形を変えて小説にする。

三浦しをんさん  生きることは、本を読むこと

だが、あるとき自分の小説が急につまらなく思えてきた。
ほんとうにこんな小説でいいのかという思いを抱きつつ、自分が目指すべき小説とは何なのか、おもしろい小説とはなんなのか、と悩むことになったのである。

池井戸潤さん 田舎育ちの乱歩好き少年

スランプ。(中略)
ようやく小説執筆の時間を作ってワープロに向かったときには、もはや一行たりとも書けなくなっていた。物語りたい何かはすべてキーとキーの狭間に埋没し、モニターには抜け殻みたいな文字の羅列だけが残った。

森絵都さん 父に捧ぐ

作品に自信はあった。しかし一か月後には次の作品にとりかかっていた。落選が決まってから執筆を始めていたのでは次回の応募に間に合わない、というのもあった。だがそれ以上に、仮に受賞した場合でも、次の作品を用意しておいたほうがいいという計算があったのだ。

東野圭吾さん 楽しいゲームでした。みなさんに感謝!

毎日来る日も来る日も原稿を書いていた。書きながら、この時間をいつか笑ってやろうと思っていた。私ひとりが泣こうが笑おうが、誰を幸福にもしない。そんなことは百も承知で書いた。しかし野心まるだしの稚拙な原稿はどれも、活字にはならなかった。

桜木紫乃さん 愚かで愛しい時間

ライターとしての仕事で不本意な修正を求められることも、反応の薄さにも慣れている。いや、慣れるように精一杯、己を抑えることを覚えてきたのだ。でなければ食べて行けないし、むしろ少々の手直しなど何でもないと涼しい顔をすることがプロとしてのプライドだった。

朝井まかてさん 毛玉たちへ

やばくないですか?


プロの作家さんのどん欲さ。書くことへの情熱。スランプに至るまでと、そこから脱出するしようともがくありのままの姿。

これほんの一部分を抜粋しているだけですので、もっともっと作家さんの心情が丁寧に書かれています。

これまでnoteでたくさんの優良記事を読ませてもらいました。
すっごく勉強になったし、おかげでビュー数やスキ数もとっても増えました。

だけど、もしもっと上を目指すなら、プロの文章を読むこともやっぱり大切だと痛感しました。

私は「書くこと」を専門に学んだことはありません。だからこそ、自分の好きな文体で書かれている文章をたくさん読んで、それを自分の中にため込むのはとても大切なことだと思っています。


創作大賞2024に参加される方は、きっと本を出すことを目標にされていると思います。私ももちろんそうです。

でも、本を出す=商業作家目指すって、想像しているよりずっと大変なことなのかもしれません。実は追ってるときの方が夢を見られて甘くて気楽でいいのかもしれない。


ちょっと怖くなってきたぞ。
(いやいや、怖がるのはせめて予選通過してからにしなさいよ。)


そんな私に「やる気あんのか?やんのかい?やんないのかい?どっちなんだい?」と脳内きんに君が笑顔でお尻を叩いてきます。痛い。

よく見ると目が笑ってない。怖い。


noteを開いて、書いて消して、また書いて。
書いたの読んで自分で泣いて自分で酔って。



私、やれるかなぁ。きんに君を覗き見る。

ーーどうするんだい?
やんのかい?やんないのかい?どっちなんだい?


……答えは明白。



▼「書くこと」はこちらでもまとめています




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