記事一覧

【書評】小乃おの『きつおんガール』

2020年9月、合同出版より発売されました、小乃おのさんのコミックエッセイ『きつおんガール』。 ”きつおん”は漢字表記だと”吃音”になります。近年「吃音」は様々なメデ…

りゅう
5か月前

【書評】堅田利明・菊池良和『吃音のある子どもと家族の支援』

今回は、堅田利明さんと菊池良和さんの共著である『吃音のある子どもと家族の支援』の感想を書いていきます。本書は、吃音の子を持つ親や、吃音支援・臨床に携わる教員、医…

りゅう
5か月前

【書評】神谷悠一・松岡宗嗣『LGBTとハラスメント』

今回は、『LGBTとハラスメント』という本の書評をしていきます! 著者の一人である松岡宗嗣さん(@ssimtok)はTwitterでも有名ですね。LGBT関連のツイートを調べるとこの方…

りゅう
5か月前

【書評】ジュディス・バトラー『自分自身を説明すること』

今回は、現代のフェミニズム界隈において最前線にいる、と言っても過言ではないカリフォルニア大学教授のジュディス・バトラーさんの書籍『自分自身を説明すること』の書評…

りゅう
5か月前

【書評】ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

今回は、本屋大賞2019ノンフィクション本で大賞を受賞し、今でも様々なメディアで取り上げられている、ブレイディみかこさんのエッセイ『ぼくはブルーでホワイトで、ちょっ…

りゅう
5か月前
1

【書評】岡田尊司『愛着障害の克服』

今回は、岡田尊司さんの『愛着障害の克服』という本の書評をしていきます。「愛着」って聞いたことあるでしょうか。ボウルビィと言う方が提唱された言葉で、子育て関係の本…

りゅう
5か月前
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【書評】ぼくらの非モテ研究会『モテないけど生きてます』

今回は2020年9月28日に発売された『モテないけど生きてます』の書評をしていきます。本書では、「非モテ」というキーワードから集まった方々の体験から語られる当事者研究…

りゅう
5か月前
1

【書評】柚木麻子『終点のあの子』

今回は柚木麻子さんのデビュー作、『終点のあの子』の紹介をしていきます!オール讀物新人賞を受賞した、短編4編が収録されており、しかも、その4編の舞台が同じで、主人公…

りゅう
5か月前

【書評】苫野一徳『愛』

今回は、日本の哲学者である苫野一徳さんの『愛』という本の紹介をしていきます。「愛とは何か」は哲学者にとって、いや、人類にとっての大きなテーマだと思います。苫野一…

りゅう
5か月前

余白を持つこと/保留する勇気

本を読むのが好きだ。様々な人、様々な作品に触れるのも好きだ。 そんな中で気付いたことがある。 人間関係において大切なこと。コミュニケーションする時の心構え。 それ…

りゅう
5か月前

【書評】村田沙耶香『コンビニ人間』

今回は、第155回芥川受賞作品(2016年)である本書、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』の紹介をします。もう紹介するまでもないくらいの人気作品ですが、この本にはとても…

りゅう
5か月前
1

【書評】小林秀雄『読書について』

今回は、「批評の神様」と呼ばれる作家であり批評家としても活躍された小林秀雄さんの『読書について』というエッセイの紹介をします。 読書法についてだけでなく、鑑賞や…

りゅう
5か月前
2

「死との向き合い方」を考えてみる

先日、映画『最高の人生の見つけ方』の鑑賞会に参加してきました。オンライン通話をしながら、各自がAmazon PrimeやNetflixなどの定額制の動画配信サービスを利用して鑑賞…

りゅう
5か月前

【書評】『SINGLE TASK 一点集中術』

回は、デボラ・ザックさん『SINGLE TASK 一点集中術』の書評をしていきます。 シングルタスク・マルチタスクという言葉、特に職場でよく聞きますよね。 発達障害の話でも、…

りゅう
5か月前

【書評】原潤一郎『魔法のピットインカード』

「子育てが上手くいかない」 「子どもとコミュニケーションがうまく取れない」 とお悩みの親御さん、子どもと関わる仕事をされている方、たくさんいらっしゃると思います。…

りゅう
5か月前

「肯定」と「否定」を捉え直す

「肯定」「否定」という言葉が持つイメージ肯定と否定、よく使われる言葉ですね。 「肯定的な/否定的な態度」「自己肯定感/自己否定」等々… この「肯定」と「否定」という…

りゅう
5か月前

【書評】小乃おの『きつおんガール』

2020年9月、合同出版より発売されました、小乃おのさんのコミックエッセイ『きつおんガール』。
”きつおん”は漢字表記だと”吃音”になります。近年「吃音」は様々なメディアで取り上げられており、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』や『英国王のスピーチ』『ラブソング』等の映画・ドラマでも話題になりました。
吃音は発話の流暢性に関する障害です。症状自体はそれだけなのですが、「流暢に話すのが難しい」ことで

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【書評】堅田利明・菊池良和『吃音のある子どもと家族の支援』

今回は、堅田利明さんと菊池良和さんの共著である『吃音のある子どもと家族の支援』の感想を書いていきます。本書は、吃音の子を持つ親や、吃音支援・臨床に携わる教員、医師、言語聴覚士等の専門家に特におすすめです。

基本情報基本情報(価格・ページ数など)

タイトル:『保護者の声に寄り添い、学ぶ 吃音のある子どもと家族の支援 -暮らしから社会へつなげるために-』
編著:堅田利明(関西外国語大学短期大学部准

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【書評】神谷悠一・松岡宗嗣『LGBTとハラスメント』

今回は、『LGBTとハラスメント』という本の書評をしていきます!
著者の一人である松岡宗嗣さん(@ssimtok)はTwitterでも有名ですね。LGBT関連のツイートを調べるとこの方のツイートが出てくることが多いです。私自身、この方のツイートを良く拝見していて、その関係でこの本を知りました。昨今、よく問題になっているLGBT関連のハラスメント…この本を読めば今の時代の流れについていけるかも…!

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【書評】ジュディス・バトラー『自分自身を説明すること』

今回は、現代のフェミニズム界隈において最前線にいる、と言っても過言ではないカリフォルニア大学教授のジュディス・バトラーさんの書籍『自分自身を説明すること』の書評をしていきます!
非常に難解な本なのですが、極力分かりやすい言葉で書いていけたらと思っています。

本書の基本情報基本情報

タイトル:『自分自身を説明すること -倫理的暴力の批判-』
著者:ジュディス・バトラー
   (カリフォルニア大学

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【書評】ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

今回は、本屋大賞2019ノンフィクション本で大賞を受賞し、今でも様々なメディアで取り上げられている、ブレイディみかこさんのエッセイ『ぼくはブルーでホワイトで、ちょっとブルー』の紹介をしていきます!

本書の基本情報基本情報

タイトル:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
著者:ブレイディみかこ(保育士・ライター・コラムニスト)
出版社:新潮社
価格:本体1,350円+税
ページ数:25

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【書評】岡田尊司『愛着障害の克服』

今回は、岡田尊司さんの『愛着障害の克服』という本の書評をしていきます。「愛着」って聞いたことあるでしょうか。ボウルビィと言う方が提唱された言葉で、子育て関係の本には必ずと言っていいほど記載されています。愛着とは簡単に言うと、愛されたり認められたりすることで基本的信頼感が育まれる状態で、この愛着形成が不十分なままに育つと様々な問題が起こると言われています。最近、発達障害やHSPいう言葉をよく耳にする

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【書評】ぼくらの非モテ研究会『モテないけど生きてます』

今回は2020年9月28日に発売された『モテないけど生きてます』の書評をしていきます。本書では、「非モテ」というキーワードから集まった方々の体験から語られる当事者研究の報告がなされています。恋愛だけでなく家族関係や仕事など射程を広げて自身の悩みを掘り下げていくところが面白く、またとても考えさせられました。タイトルから敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的には2020年に読んだ本の中で暫

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【書評】柚木麻子『終点のあの子』

今回は柚木麻子さんのデビュー作、『終点のあの子』の紹介をしていきます!オール讀物新人賞を受賞した、短編4編が収録されており、しかも、その4編の舞台が同じで、主人公の視点が入れ替わることで物語に深みを与えている面白い作品になっています。ライター・書評家である瀧井朝世さんが「なんだろう、この観察眼の鋭さは!」と絶賛するほどの作品…この作品の魅力を少しでもお伝えできればと思います。

本書の基本情報基本

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【書評】苫野一徳『愛』

今回は、日本の哲学者である苫野一徳さんの『愛』という本の紹介をしていきます。「愛とは何か」は哲学者にとって、いや、人類にとっての大きなテーマだと思います。苫野一徳さんは「愛」についてどのように考えているのでしょうか。愛について深く考えてみたい、そんな人におすすめしたい本です。

本書の基本情報基本情報

タイトル:『愛』
著者:苫野一徳(熊本大学教育学部准教授)
出版社:講談社(講談社現代新書)

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余白を持つこと/保留する勇気

本を読むのが好きだ。様々な人、様々な作品に触れるのも好きだ。
そんな中で気付いたことがある。
人間関係において大切なこと。コミュニケーションする時の心構え。
それが表題にある「余白を持つこと」と「保留する勇気」だ。

今年の2月に観たとある演劇が、そのことに気付かせてくれた。

とある演劇を観たときの話吃音症の友人と私

今年、2020年の2月に友人が出演するという舞台に興味を持ち、京都に足を運ん

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【書評】村田沙耶香『コンビニ人間』

今回は、第155回芥川受賞作品(2016年)である本書、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』の紹介をします。もう紹介するまでもないくらいの人気作品ですが、この本にはとても衝撃を受け、更に現代の生き方や価値観に疑問を投げかけ、大きな影響を与える様な作品だと思ったので、自分なりに魅力を伝えていきたいと思います。

本書の基本情報基本情報

タイトル:『コンビニ人間』
著者:村田沙耶香
出版社:文藝春秋(文

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【書評】小林秀雄『読書について』

今回は、「批評の神様」と呼ばれる作家であり批評家としても活躍された小林秀雄さんの『読書について』というエッセイの紹介をします。
読書法についてだけでなく、鑑賞や批評すること、書くことについての考えも述べられています。
個人的には「本とどの様に向き合っていこう」と考えさせられる、素晴らしい本でした。

本書の基本情報基本情報

タイトル:『読書について』
著者:小林秀雄(作家・批評家)
出版社:中央

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「死との向き合い方」を考えてみる

先日、映画『最高の人生の見つけ方』の鑑賞会に参加してきました。オンライン通話をしながら、各自がAmazon PrimeやNetflixなどの定額制の動画配信サービスを利用して鑑賞するという極めて現代的で合法的なシステムで行われていますのでご安心ください。
ネタバレもすると思うので、もし映画をご覧になっていない方は自己判断で読み進めてください。

あらすじ「私の死」/「他者の死」との向き合い方自分の

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【書評】『SINGLE TASK 一点集中術』

回は、デボラ・ザックさん『SINGLE TASK 一点集中術』の書評をしていきます。
シングルタスク・マルチタスクという言葉、特に職場でよく聞きますよね。
発達障害の話でも、シングルタスクの話はよく出てきます。
「マルチタスクの方がいい」「シングルタスクは能力が低い証拠」など、様々なことが言われていますが、実際のところどちらの方がいいのか…というか、タイトルの通り”シングルタスクのメリット”につい

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【書評】原潤一郎『魔法のピットインカード』

【書評】原潤一郎『魔法のピットインカード』

「子育てが上手くいかない」
「子どもとコミュニケーションがうまく取れない」
とお悩みの親御さん、子どもと関わる仕事をされている方、たくさんいらっしゃると思います。
今回紹介する、原潤一郎さんの『魔法のピットインカード』は子どもとのコミュニケーションを円滑にし、子どもから「話したい!」という気持ちを引き出す、本当に魔法の本になっています。
『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』で一躍有名になった「アドラ

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「肯定」と「否定」を捉え直す

「肯定」「否定」という言葉が持つイメージ肯定と否定、よく使われる言葉ですね。
「肯定的な/否定的な態度」「自己肯定感/自己否定」等々…
この「肯定」と「否定」という言葉に対して皆さんはどのような印象・イメージを持っていますか?

「肯定」は、受容、賛同、承認、支持、良い評価…等というポジティブなイメージ、それに対して「否定」は、批判、拒否、不承認、不支持、悪い評価…等のネガティブなイメージを持たれ

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