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【おすすめ本紹介】がんをデザインする

本日はおすすめ本のご紹介。

QOLデザイナーである中島ナオさんの
がん罹患後でも明るく挑戦し続けた7年間が
綴られた本です。

『がんをデザインする』


中島さんががん罹患後に起業され立ち上げた
「ナオカケル株式会社」に大学時代の後輩が
スタッフとしてプロジェクトに参画しており、
今回の本を知りました。

私も生命保険会社で日々仕事をする中で、
がんの給付金請求やがん死亡というのは
この5年半で何十回、何百回と聞いてきました。

また、大切な叔母を「膣がん」で亡くし、
がんの怖さは身に染みて理解しています。

少なくとも一般の方よりはがんに関心が強く、
今回本を手に取りました。

中島さんは31歳という若さで乳がんに罹患され、
38歳でご逝去されています。

ご冥福をお祈りいたします。

しかし、中島さんががんになってからの行動や
考え方は多くの人に変化を与え、世の中をも
変えていくほどのパワーがありました。

その1つ1つがこの本には盛り込まれていて、
中島さんがこの世に残したことは、今後の
世界に大きな影響を与えるといっても過言では
ないと感じました。

中島さんは「ナオカケル株式会社」にて、
がんという「暗い、重い」ワードを、
「明るく、軽く、柔らかく」デザインしていく。

『がんをデザインする』

をベースに活動されていました。

例えば、抗がん剤投与で脱毛が進む頭を
明るく美しく見せるための「N HEAD WEAR」
というファッション性の高い帽子。

下着などの締め付けですら、がんを罹患している
と窮屈に感じるため、それらから解放された
心地の良いリラックスウェア「Canae」など。

自身の体験を元に「がんをデザイン」した
がん患者のためのアイテムなども打ち出されて
いました。

また、「deleteC」という「がん=Cancer」
のCを世界から消そうといったプロジェクトも
立ち上げられていました。
Cが頭文字につくようなサービスを持つ、
多くの企業を巻き込み、世の中に影響を与え、
本当に素晴らしいなと思いました。

以下は、私が本の中から抜粋した心を動かされた
ポイントです。

がんは人の美しさを奪う病気ではない。
けれど、命は奪う病気です。
がんをデザインすることを通して、
がんのイメージを変えていきたい。

→ がんはたしかに罹患してしまうと、心身とも
 に削られる大病で、命をも奪います。
 しかし、がんに人の美しさは奪えないんだと
 いう点はとても共感しました。


デザイン思考

→ 中島さんは病気と向き合っている感覚はなく、
 がんは自分の中にある一要素にすぎないので、
 がんにではなく、自分や生活と向き合っている
 ということでした。その中で、自分の中の思考
 がどこかデザイン的で、そこからの展開を考え
 たり、ポジティブに変換することを考えたり、
 この「デザイン思考」は物事を考える上で、
 とても重要なことだと思いました。

キャンサーギフト

→ 私も初めて聞いた言葉でした。 
 がんになって新たな気づきを得たり、
 新たな出会いを得たり、感謝することが
 起きたり、がんを罹患したからこそわかる
 ことがあるということで「がんからの贈り物」
 として意味づけられた言葉です。
 たしかに、人は逆境に置かれるからこそ、
 学ぶことや経験できることがあります。
 しかし、誰もががんにはなりたくありません。
 なので、がんからのギフトはいらない。
 しかし、チャンスは得られたのではとお考え
 になっていたそうです。

我慢の時間

→ 「今は辛抱の時」「もう少しすれば良くなる」
 といった我慢の時間とも捉えられますが、
 我慢をするのではなく、今できることすれば
 いいんだという思考をされておりました。
 今の自分を受け入れ、前に向いて進みたいと
 思える素敵な考え方でした。

「がんの中島ナオ」ではなくて、
「中島ナオががんである」ということ

→ がんというものはその人の要素としてプラス
 されたものであるというだけで、その人自身
 は何も変わらないということでした。
 がんになった自分として実態はあるものの、
 がんになったから自分が変わるということで
 はなく、自分自身は本来の自分として何も
 変わらないという考え方でした。
 例えば、自身に何か大きな事象が生じると、
 その事象が発生した自分として捉えがち
 ですが、事象がプラスで乗ってきただけで、
 そのことで自分が変わることはないという
 考え方はとても勉強になりました。

1人でできることが多くないからこそ、
ご縁を大切にしている

→ 私も以前から「ご縁」については記載して
 いますし、自分としてもとても大切にしている
 部分です。
 私がなぜ大事にしているのかと考えた時に、
 中島さんのこの言葉も理由の1つになっていると
 改めて感じさせられました。
 人は1人では生きていけませんし、私自身も
 できないことがたくさんあります。
 助け合って生きていくために、「ご縁」を
 大切にしているのだなとも感じました。

過去に記載した「ご縁」についての記事も
ご参考ください。


以上、私が心を動かされた部分を少しだけ
ご紹介させていただきました。

この本はがんを学ぶ専門書ではありません。
がんに罹患していても、していなくても、
どれだけ明るく、多くの人と繋がり、
物事をポジティブにデザインしていけるか、
といった素敵な生き方や考え方がまとまった
一冊でした。

また、がんという病を多くの人に理解して
いただき、少しでも減らしていきたいという
強い思いも共感することができました。

ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
紹介してくれたほーちゃんありがとう。

それでは。

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