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#小説

『寒山拾得』

『寒山拾得』

『寒山拾得』
森鴎外著

唐の貞観の時代というのは、西洋では7世紀の初めのころ、台州の知事の閭丘胤(りょきゅういん)は、頭痛に悩まされていた。そこに、乞食僧、豊干(ほうかん)が現れ、あるまじないを唱えられて、閭丘胤の頭痛が解消する。

豊干は閭に、天台山の国清寺に住む二人の聖人、寒山と拾得に面会することを推奨したのたまった。豊干によれば、これらの聖人はそれぞれ文殊菩薩(智慧や学問の象徴)と普賢菩薩

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『小僧の神様』

『小僧の神様』

『小僧の神様』
志賀直哉著

小僧の仙吉に貴族議員Bが、奢ってあげるという話。

たまたま貴族だから、金持ちのBは、
同情することが偽善ではないか?金持ちが社会に還元することが偽善とみられてしまうのではないか?ということに、葛藤を感じているということなのだけど。

日本人は、お金持ちが、社会に還元しようとすると反感を感じさせてしまう。昔からそうだったのだろうね。zozoの前澤氏がお金をばら撒いた時

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『スタートライン』

『スタートライン』

『スタートライン』
喜多川泰著

『あなたが見たいと思う変化に、あなた自身がなりなさい』

『明日死んでしまうかのように生きなさい。そして永遠に生き続けるかのように学びなさい』

「向かい風が強いいうことは、前向いて走ってる証拠や。」

物語の冒頭に三連発の名言で始まる。

物語は大きくは五部構成で、主な登場人物は伊福大祐、長森真苗の二人。

第一部は、高校生18才の伊福大祐の目線で同級生の長森真

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『山椒魚』

『山椒魚』

『山椒魚』
井伏鱒二著

 山椒魚と岩屋って、知らずに選択してしまった人生ってことなのかなあと思った。

岩屋は〝壊れない〟し〝出ることができない〟それが、日常になる。

群れに縛られるメダカをバカにする。その点、山椒魚は、確かに自由だ。しかも、山椒魚には身の危険が無い。ただ、孤独なのだ。

そこに蛙が迷い込む。

最後に山椒魚が、死にゆく蛙に対して、「お前はどういうことを考えているのか?」と問う

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『ローマ人の物語 27』

『ローマ人の物語 27』

「ローマ人の物語 27」

塩野七生著

古代ローマ人は、街道を始め様々な基礎的システムを整備してきた。現代社会にとっても欠くことができないこれらのインフラは、すべてローマに源を発している。

本書では、インフラのなかでも、街道と橋が取り上げられている。

印象に残ったこと。

①街道
紀元前3世紀、地球の東と西で、大規模な土木事業が始まった。東方では、万里の長城。その全長は5000キロに及ぶ

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『運転者』喜多川泰著

『運転者』喜多川泰著

『運転者』
喜多川泰著

「運が劇的に変わる時、場というのが、人生にはあります。」

「運はいいか悪いで表現するものじゃないんですよ。 使う・貯めるで表現するものなんです。 」

「周囲から運がいいと思われている人は、貯まったから使っただけです。」

自己啓発風な小説ですが、読みやすくて、わかりやすく、元気付けられる内容です。思っていた以上に、よい本でした。

クリスチャンの人だったら、
「いつも

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「たけくらべ」

「たけくらべ」

『たけくらべ』
樋口一葉著

文学史で、単語として単純に暗記していたことを思い出す。タイトルの「たけくらべ」って、丈(背丈)を比べるってことで、幼なじみってことということも学んだ気がする。

冒頭の
『廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火ともしび
うつる三階の騷ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行來ゆきゝ
にはかり知られぬ全盛をうらなひて、』

よくわからないけど、何か趣きを感じる

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『傲慢と善良』

『傲慢と善良』

「傲慢と善良」
辻村深月著

このタイトルを聞いて、最初にイメージしたのがオースティンの「高慢と偏見」
どちらも、恋愛小説で、どちらもハッピーエンド。話の組み立てはよく似ているように思った。
雰囲気は、だいぶ違うが、、、

本書のメインテーマは結婚。

結婚といえば「愛」,

聖書によれば「愛は寛容である、愛は親切である」とされている。

今は、無駄に情報があふれているということが、結婚を困難にし

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「プロだけが知っている小説の書き方」

「プロだけが知っている小説の書き方」

『プロだけが知っている 小説の書き方』
森沢明夫著

『書店員さんから絶賛の声。
今後、小説の書き方についての書籍を訊ねられた際は、
まず本書を読むべし! とオススメしたい。』

小説家になろうなど大それたことは考えていないのだけど、いろいろな物語を読んでいて、一体全体、どんな感覚で壮大な妄想物語をつくっているのか?ハウツー的な要素があるなら探ってみたいと思って本書を読んでみた。

想像していたよ

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「コーヒーが冷めないうちに」

「コーヒーが冷めないうちに」

『コーヒーが冷めないうちに』
川口俊和著

「とある街の、とある喫茶店の
とある座席には不思議な都市伝説があった

その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

ただし、そこにはめんどくさい……
非常にめんどくさいルールがあった」

4つの短編
映画の方は見ていたのですが、小説の方は、初めてでした。

英語版を外国の方がレビューされていて、すごく高評価だったので読んでみようと思ったのでした。

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