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#ファンタジー
短編小説 | バースデーバルーン | 創作大賞2024
妹の頭が徐々に大きくなっていく。病気じゃない。
わかっているんだ。家族の誰もが。だけど何も言えやしない。
傷ついても、恥ずかしくても、怒っても、どうしたって、妹の頭は大きくなって、その成長を止めることは出来ない。
(一)
妹は僕の八つ下で、ぼくにとっては目に入れても痛くない存在だった。だけど、そんな例えですら口にするのも憚られるくらい、妹の頭は大きくなっていた。
その始まりはた
【小説】好奇心は泡に消える
今日も砂の中から、光る糸を何本も見つけた。
キラキラしていて好きだけど、今拾った糸が、しまっているお菓子の缶に、はいりきれるかな。
糸の他に、石や海藻とはまた違う、ツルツルとしたものも拾った。
いつも人間界のことを教えてくれるカモメさんはこれを「プラスチック」と教えてくれた。
これも糸の次に、よく見つける。
こんなのじゃなくて、まだ見たことないものが落ちていないの?
一昨日行ったばかりだけど
コイン・チョコレート・トス_第1話
🪙 プロローグy=-3x²の放物線を描きながら、宙を舞うコインチョコ。
玄関の白い天井の少し下の位置を最高到達点とし、コインチョコは幸子の手の平に落ちてきた。幸子はそれを両手で優しくキャッチする。
幸子はコインチョコが左手に落ちてきた瞬間、上から右手をそっと添える。コインチョコがどちらかを向いているかが見えないように静かに隠す。
表か、裏か。
全ての決断は、コインチョコに委ねられた。