【新作童話】ディセンダント/前編
観測中だったはずの星、
グリーン・ブライトは
瞬く間に大宇宙(ホロスコープ)の中を
駆け抜けて行った。
その背中に、この俺を乗せてーーー。
ウーッシッシッシッシッシッシッシッシッ!!!!!!
南中点にあった太陽がすっかり海に落ちた頃、
世界はまるで宝石箱をばらばらにしたように
地上では七色のネオンが
天空では星の乳が
まるで先程ひばりが唄い出した時みたいに
くらくらと震え出しました。
その美しい星の乳はこの都市、カムパネラの
重要な電力だったものですから
夜勤のアルタイルはせっせと星の乳をタンクに
積みながら、そして時折自分が機体にでも
乗っているかのような錯覚を起こしました。
風に空にその色が反響して、
ざあざあ雨が降っているかのようなのです。
そしてアルタイルは急に頭に血を昇らせて
エンコーダーをばらばらに床に落としてやりました。
「全部あの星のせいだーーーー!!!!!!」
すると、この研究所である天空台のモニターから
奇妙な笑い声が迫って来るのです。
モニターの中の観測中の星、
グリーン・ブライトはまたもやおかしな動きを
見せ始めました。
グリーン・ブライトは何かに堕とされて、
流れて行ってしまったのです。
その背中に、観測をしていた
アルタイルを乗せてーーー。
ウーッシッシッシッシッシッシッシッ!!!!!
事件の前ーーー…
天空の秋分点辺りに日が昇った頃、
青と碧の混じった空で、真昼の星座たちは
今日も神話を語りながら、そうです。
この都市、カムパネラは昼でも星座の見える
世界で唯一の都市ですから
それを電力にして、星の乳と呼ばれる資源を
せっせと享受しておりました。
その日は丁度、
ろくぶんぎ座流星群の極大日(ピーク)でしたので
散り散り流星が飛び交います。
その中の一つがとても変な動きを見せたのです。
そいつはとびきり変てこな奴で、
昼でも夜でも空にひょっこり現れては
まるで生き物なのでした。
街ではそいつの写真を撮って
SNSに上げるのが流行するくらいで、
天空台でも調べる事になりまして
アルタイルも多角的に分析しましたが
やはりそいつは流星でした。
そのうちにそいつには、
グリーン・ブライトという名が付きました。
アルタイルは家に帰ることすら忘れて、
次の観測提案の提案書の準備に
打ち込んでいました。
そんなある日、疲れて久々にシャワーでも
浴びようと家に帰って来た
アルタイルの前にあったのは、
破水して倒れている妻の姿でした。
妻のベガは妊婦で、片手にはスマホを
ぎっちり握っている状態でした。
すぐさま病院に抱え込みましたが、
ベガは既にこの世の人ではありませんでした。
アルタイルは存在すら忘れていたスマホに
沢山のベガから来ていた着信を、
恨めしそうに見つめながら
一度に失った二つの命について
日に日に現実が迫って来るのが
どうしても耐えられなくなって
黒い服を着た日、天空台に寄りました。
そして星の乳をタンクに積んだ後、
急にエンコーダーを床に投げて発狂しました。
「全部あの星のせいだーーーーー!!!!!!!!」
すると画面から
グリーン・ブライトの奇妙な笑い声、
高らかな奇声が迫って来るのでした。
そして高らかに笑った後、
次のような声がしました。
「お前はベガを生き返らせたいのか?
叶えてやろう、さあ、冒険の始まりだ!
ウーッシッシッシッシッシッシッシッシッシッシッシッシッ!!!!!!!!!!!!」
アルタイルはいつの間にか
グリーン・ブライトの背に乗って、
どこまでもどこまでもこの大宇宙、ホロスコープ
の中を、駆け抜けて行きました。
PS
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次回、1月22日夕方
「ディセンダント」中編
お楽しみにお待ち下さい❣️🥰
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