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「聞き上手」になってよかったこと。

――やっぱり聞き上手になってよかったなと思う瞬間のひとつは、聴くことで誰かの心を軽くできるとき。僕なんかの想像が及ばないくらい重い荷物を背負っている人は少なくなくて、そこに耳を傾けることでその荷物を下ろしてもらえたら、あわよくば少しでも軽くできたらいいなって思うのです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「『聞き上手』になってよかったこと。」というテーマで話していこうと思います。


📚聞き上手になろうと決めた日

具体的にいつだったかは覚えていません。ただ、僕ははっきりと「聞き上手になろう」と決心したときがありました。多分、3,4年前、大学1年生の頃だった気がします。

聞き上手になろうと思った理由は大きく分けて2つ。以下の通りです。

①今を生きる人はみんな発信したがっているため、それに応えるリアクターの価値が高まっているから。

②相手の話を聴くことで、自分が話しやすくなるから。

インターネットにSNSの普及のおかげ様で、今や誰しも、作家だし、アーティストだし、動画クリエイターだし、カメラマンだし、芸人だし、役者です。それを職業としていなくても、このインスタでめちゃくちゃ綺麗な写真を投稿している人も、TikTokでダンスを披露している人も、YouTubeで弾き語り動画を投稿している人もいる。このnoteもそう。作品を投稿したり、ブロガーじゃないのにブログを載せている人はいる。

お金をもらっているわけじゃないのに、「趣味」として創作を行っているんですよね。そのときに対価として発信者が欲しいのは、お金、ではなく、共感や賞賛。つまり、たくさん「いいね」をされたり、リツイートされたり、「その絵めっちゃステキですね!」とか「この文章を読んで感動しました!」などの言葉をもらったり。ちゃんと受け止めてくれる人がいたら、それだけで充足感を得られるんですよね。

で、発信者が「いつも反応してくれる人がいる!」と気付いたら、その相手に対する信頼や感謝が芽生えるじゃないですか。毎回のライブ配信でめっちゃコメントくれたり、投げ銭をくれたりするファンの方は、配信者に存在を知られていることが多くって、名前を読んでもらったり、特別なサービスをしてくれたりするじゃないですか。そういう例からも分かる通り、「聞き手」や「受け手」の価値が高まっているといえるわけです。


また、②に関してですが、人は基本的に好きな人の話、興味がある話題にしか耳を傾けないじゃないですか。初対面の人の話よりも友達の話を聴きたいし、文学男子はおすすめの公式よりもおすすめの本の話を聴きたいわけです。

で、自分の話したいことの全てが、相手の興味を持つものとは限らないので、というか基本的にそんなことはないので、自分のことを好きになってもらった方が(信頼してもらえるようにふるまった方が)手っ取り早いんですよね。

人は基本的に話したがりな生き物ですから、その欲求を満たしにいくのが一番の近道。

「この人、私の話をこんなにも面白そうに聞いてくれてる」
「僕の話に興味をもってくれてる」
「この人に聞いてもらったら話しやすいな」

そんな風に思ってもらったら、万々歳。自分のターンになって半紙出しても、事故が起こりにくいわけです。

もちろん後付けの理由もありそうですが、以上のような理由から、僕は聞き上手になろうと思ったのです。



📚聞き上手になるために

聞き上手になろうと決め手からというものの、僕は口癖や仕草に意識を向けるようにしていました。

とりあえず「たしかに」とか「面白っ!」と言える口になれば、自然と相手を言葉で受け止めることができます。

また、オーバーリアクションも効果的です。両手を叩いて、大声で笑う。膝を叩く。酔っ払っていたら、相手の身体を小突くのも良い。ちなみに僕は飲みの席でそれをやりがちです(笑)

なかでも何より大事にしているのが、表情ですね。僕、基本的に笑顔で聴くように意識しているんですよ。満面の笑みとまではいかなくとも、口角を上げて、微笑みながら相手の話を聴いているようにしているんです。

さっきもいったように、自分の話に興味を持ってくれている!と相手に思ってもらわなきゃなので、顔を向かい合わせて話す以上、表情をつくることはめっちゃ大事だと思います。一番相手の視界に滞在する時間が長いのが、自分の表情なので、逆にいえばそこをクリアすると相手からの印象が良くなると考えるのです。

なんか改めて言葉で整理すると、ちょっと人間味がないし、こいつめちゃくちゃ考えながら人の話を聴いているんだな、とか思われそうですが、考えずとも自然とできるくらいのフェーズにはなっているので、特別不自然に思われることはないんじゃないかなと思います。

実際、最近も「聞き上手になってよかったな」と思う瞬間がいくつかありました。



📚聞き上手になってよかったこと

先日、友達の家にお邪魔しました。今、一緒に脱出ゲームをつくっているしゅんちゃんの家です。彼は、インスタで料理の投稿をするほど手料理することが好きで、定期的に彼の家で彼の手料理をいただいています。

この前は「バーナーあるから炙り寿司やろうぜ」と誘われて、転がり込みました。僕はしゃりをつくって、彼はネタを切って……というカップルムーブ。

土曜の丑の日だったこともあり鰻寿司をつくったり、サーモンを焙ったり、甘辛ダレの肉を乗せたり、だいぶ豪華に盛大に寿司パーティーをしていました。

で、食べながらいろんな話をしていたんですが、過去や未来の深い話をすることもあって、デリケートな問題を打ち明けられたりもしました。本当に信頼できる人じゃないと話せない内容も話してくれました。

やっぱり聞き上手になってよかったなと思う瞬間のひとつは、聴くことで誰かの心を軽くできるとき。僕なんかの想像が及ばないくらい重い荷物を背負っている人は少なくなくて、そこに耳を傾けることでその荷物を下ろしてもらえたら、あわよくば少しでも軽くできたらいいなって思うのです。


また、最近いろんな人に取材をしているんです。

お世話になっている「はちとご」というシェアハウスがあるんですが、今度そこを舞台にした物語をつくって本にしようと思っているんです。



で、そのために「はちとご」界隈の人にインタビューをしているんですが、ここで「聞き上手」が活きてくるんですよね。やっぱり気持ちよく取材を受けてほしいし、リラックスした状態の方が話しやすいだろうから、聴く側の姿勢、態度、訊き方が大切になってきます。

いつも聞き上手であろうとしているから、僕はそのあたりクリアできている感触です。実際、「質問が上手だね」や「すごい話しやすい」と言われることもあったので。

今はまだそこに対価は発生していないけれど、やりようによっては仕事にもできそうだなと思い、自分の力を見つめ直すきっかけにもなりました。もっとも、作家の仕事に取材が含まれるなら、本を買ってもらうという形で対価は発生していますがね。

とにもかくにも、この3,4年聞き上手であろうと意識し続けてきてよかったなと思ったという話でした。僕は意識ひとつで変わることができたので、参考にしてみてください。最後まで読んで下さりありがとうございました。

20230802横山黎





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