海外生活振り返り日記-ニュージーランド前編-#8

実践

　午後のソフィー授業は実践的で楽しい。例えばライティングの授業ではポストカードを隣の席の人同士で送り合うというのがあった。その場で交換するのではなくちゃんと切手を貼って出す。
　授業では手紙と日記の書き方を勉強した後、ソフィーが用意してくれたポストカードにメッセージを書き、お店での切手の買い方の練習をした。そして切手を買ってポストカードを出すのは宿題として出された。
　近くのドラッグストアの様な所で切手が売っているので放課後皆で買いに行った。そしてそのままお店の人に渡して送ってもらい無事に宿題は終了。あとはおまけとしてポストカードが届くのを待つのみ。
　ポストカードは２、３日後、皆ホームステイ先に届いた。しかし私の隣の席の子はとても面倒くさがりで切手を買いにも行かなかったので残念ながらその子からのポストカードは届くことはなかった。薄々わかっていたのでどうせなら自分宛てに自分で出せばよかった。
　また別の日のスピーキングの授業では、ソフィーのお気に入りのアイス屋さんでアイスを買うという楽しい授業をした。
　まずは教室で順番に店の人役と客の役になり接客と買い物の仕方を学んだ。１時間位しっかりと練習してちゃんとオーダーできるようになってから授業中皆で街のアイス屋さんへ出かけた。

アイス屋さんごっこ

　皆緊張しながら順番に注文していく。ソフィーのおすすめはホーキーポーキーというフレイバーでニュージーランド発祥のアイスらしい。バニラアイスをベースにキャラメルのような小さな固まりが混ざっている。折角なのでおすすめのホーキーポーキーと全く合わないけど自分の好きなレモンシャーベットを注文した。皆んな無事に注文でき、店内でソフィーを交えて皆で午後の授業を楽しんだ。これが私にとってニュージーランドで一番心に残る授業だった。

ランギトトアイランド

　ある日これもソフィーの授業でランギトトアイランドのパンフレットを使って授業をした。ランギトトアイランドは前にも書いたが、オークランドの海に浮かぶ火山島。昔海底噴火により出来た島で、日帰りのハイキングができるようになっている。
　この授業もバタフライクリークのパンスレットの時と同じように、フェリーの時間の見方やチケット売り場等の情報を探し出すというものだった。オークランドに住んでいれば誰もが見たことのある島なので皆興味を持った。
　休み時間中に誰かが今度の週末に皆で行かない？と提案すると全員賛成。さっそく週末行くことになった。

冒険

　時間を決めてフェリーのチケット売り場で待ち合わせ。しかし7人中２人来ない。電話しても出ない。フェリーは週末５本のみで１、２時間に一本しか出ていないので、皆「もうしょうがないね」とさっさと諦めて５人でフェリーに乗り込んだ。
　実はこの後も何度か皆で何処かに行く約束をするのだが、その度にこの寝坊組はドタキャンをし続けた。こんなに簡単に約束を破る人は今迄周りにいなかったので約束をすっぽかされるたびにイラついていたがそういう人なんだと皆割り切った。逆にちゃんと来たらおめでとうと言っていた程だ。
　オークランドのフェリー乗り場から30分弱で島に着いた。いくつかハイキングコースがあり、頂上まで登るコースがあったらしいが、我々はハイキング初心者の為簡単そうなコースにした。ハイキングなんていつぶりだか分からない。簡単なコースさえも息が切れる。ブラジル人の女の子を先頭に私とサウジアラビア人の男の子は後からゆっくり付いていった。
　歩いていると火山島なのに木が生えていて途中森のようになっているところがあった。昼食をとり少し休んでからまた進むと今度は洞窟があった。なんだか急に冒険っぽい。
　どれくらい歩いたか忘れてしまったが、途中雨が降ったり止んだりで濡れながら最後に溶岩が沢山あるパートを歩いてフェリー乗り場に辿り着いた。簡単なコースは多分所要時間1、２時間位のはずだったが、どの道を通ったのか意外と沢山歩いていたようで、帰る頃にはもう夕方になっていた。
　日が沈む頃曇っていたので辺りは全体的に白っぽく冷たく澄んだ水色が広がり、水面は金属のように所々光っていてとてもきれいだった。
　学校に通い始めて一ヶ月弱、この初旅行でクラスメイトとの仲も縮み益々留学生活は楽しくなっていった。
　しかしこの次の日、この島のせいか将又全く関係ないのか私の体に異変が起きた。

探検隊

つづく

おまけ-授業で習った英語-

・cup or cone ?
アイスクリームを注文する時に聞かれる。

・One scoop…
・Two scoops…
・Three scoops of ice cream please.
アイスのみでなくニュージーランドのフィッシュアンドチップス等置いているお店でフライドポテトを注文した時もこのscoop という単位を使った。ある時二人でフライドポテトを3scoops 頼んだらお店の人に「え！？二人で 3scoops ！？だめだめ！多過ぎ！2scoopsでenough !!」と言って売ってもらえなかった。