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指導のヒント

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記事一覧

きっと君は後悔する

きっと君は後悔する

全国で走り方の教室やイベンド、講演などで年間約1万人の小中高生達に出会う機会があります。これを約10年間も続けると色々な小中高生達と出会うわけです。

本気で全力で取り組む子もいれば、友達と話して聞いていない子もいます。

イベントのような初対面が多い場ではあまり見受けられないのですが、学校で授業をしたり、クラブチームなどにいくと、たまに見受けられます。

当然ですが、そういった子は目立ちます。

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守備を崩すには

前提として、どんなに良い守備でも、守備は「タイミング」で成り立っているということを忘れてはいけない。
戦術ボード上で「ここではこう構えてこのコースを切って」とかやってても、実際にそのタイミングでそうなっていなければ、その守備は成立していない。

そしてその”タイミング”は「予測」が元になっていることも頭に入れておこう。
ボールは人より早いし、人も攻撃側は先に勝手に動くのだから、広いコートでそれに対

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サッカーを好きにさせる指導って必要?

タイトルの質問。

「サッカーを好きにさせる指導って必要?」

指導者の方々はこれについてどう答えるだろうか。

自分の答えは

「必要ない」

だ。

私が好きなこのサッカーというスポーツは、それだけで十分に面白いゲームだ。

チュートリアルを少しやればすぐにでも遊び始められる簡単なゲームなのに、いろんな才能にチャンスを与えてくれるゲームバランスも良くできているし、ルールのカスタマイズ性もかなり

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元サッカー日本代表選手が子どもたちに語った言葉が、大人にも響いた理由

元サッカー日本代表選手が子どもたちに語った言葉が、大人にも響いた理由

子どもたちに向けた言葉が、自分の胸中に響いた。それがどういうことなのかを数日のあいだ考えていた。本人が自覚的かはわからないが、きっと言葉は発する人の想像以上に、人となりや姿勢を表すのだと思う。

・・・

先日、自分が所属するクラブ、水戸ホーリーホックのホームゲーム(JリーグではなくJエリートリーグという試合)が茨城県日立市で開催されて、その試合後には日立市出身で水戸ホーリーホックにも所属した元日

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選手の日常を想像できないコーチたち

自身の経験を元にした「育成年代のコーチはこうなりがちじゃない?」という話。
自戒を込めて。

題名は「ケーキの切れない非行少年たち」の感じ。

コーチは気軽にこういうことを言うんだ。

「前回の練習でこれをやったよね」
「この前の試合はこうだったよね」

などと。

前回の経験を、今回の練習や試合で活かそうとするためにする話だね。

よく分かる。

けど、選手は覚えていないことが多い。

そしてそ

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オシムさんは僕たちに「魔法」をかけて去っていった。

オシムさんは僕たちに「魔法」をかけて去っていった。

2009年1月4日。成田空港。
搭乗ゲートへと続くコンコースには、最終の搭乗案内が鳴り響いていた。

空港の係員が「そろそろ機内へ」とうながしてくる。
その場にいた僕も、気が気ではなかった。

だが、その人はかまわずに、僕に向かって語り続けた。

「選手たちに対して、言い続けてほしい」
「もっと走れ、もっと戦え、もっとリスクを冒せ、と」

決して流暢ではない英語で、懸命に話す。
それは、相手が自分

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説明より解説

説明より解説

「今の子供は、説明は聞かない」

とよく言われることがある。確かに聞かない。いや、私も聞かないかもしれない(^^)。

が、解説は聞くと感じている。だから授業で作業の仕方を説明するとき、説明は極力短くし、作業に移らせ、できないときできたときの解説を丁寧にするというのがいいと考えている。

今、子供達が触れているコンピュータゲームやiPhoneは、使うための説明がほとんどない。iPhoneを買った人

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「センスのあるコーチ」ってどんなコーチのことですか?(スポーツ教育学のおはなし)

こんばんは!ジョゼ佐藤です。
今年もよろしくお願いいたします。

新年一発目の今回は、
「センスのあるコーチ」の話です。

早速ですが、始めましょう。
よろしくお願いいたします。

先日このようなご質問をいただきました。
この方(以下、Aさん)はふだんの指導の中で、

「オマエはセンスがねーよ(笑)!」

などと上司から言われたことがあって、ご自身のセンスに悩んでいたそうです。
その上司に言われた

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背も大きくなく、体重が軽い自分がなぜJ1リーグでプレーでき、決定率NO.1になれたのか。

このタイトルどうですか?笑

新聞で見ましたが、今年のJ1リーグでシュート打った数とシュートを決めた数での決定率がNO.1だったみたいで、(びっくりしている)こんな感じのタイトルにしてみました。

自分と似たような選手に参考になればと思い、自分なりの考えを書いてみましたので少し長いですが、興味がある方はぜひ読んでみて下さい。

166㎝、55kg。
これが僕の身長、体重です。
この身長、体重を見て

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サッカーを学びたて初心者が最低限押さえておきたいこと -小学生でも分かるスペース=時間のハナシ-

サッカーを学びたて初心者が最低限押さえておきたいこと -小学生でも分かるスペース=時間のハナシ-

Hola Chavales!!!!

僕はよく『スペース=時間』『幅と深さ』のハナシをします。

(むしろそれくらいしか言ってない)

でもこれがサッカーという複雑なスポーツを究極にシンプルに考える方法です。

以前、スペインサッカー研究所のメンバーさんの試合を分析する過程であることに気づいたんです。

“幅=サイドラインではない“

後で講義の資料を使って話していく時に

“幅を取る=サイドライ

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選手は話を聞いて当然という幻想

選手は話を聞いて当然という幻想

自分自身、TRを行う中で「選手はコーチの話を聞いて当然」というのが基準の時期がありました。今から考えると我ながら未熟でした。ただ、日本の教育現場では「生徒は先生の話を聞いて当たり前」という考えが土台にあり、教室で先生の話に耳を傾ける生徒たち、という光景は個人的に普通だとは思います。

サッカーのトレーニングとの違いは、選手はサッカーをプレーしに来ているのであり、話を聞きにグラウンドにきている訳では

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中央が出ていけない守備はボコられる

ここ最近で見たいくつかの試合で同じことを感じたのでそれを記事に。

感じたことはタイトルそのまま。

『中央が出ていけない守備はボコられる』という話。

お互いに[4-4-2]よりだけど[4-3-3]っぽくもなるような配置にしてみた下の図。

最近見たのがその2つのシステムだったから中間にした。

白がボールを持ってて黒が守備。

守備(黒)のこんな状態をよく見た。

で、その中のこの黒丸エリアに

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守備のやり方のそもそものところなんだけど

2021/9/7追記:目次見出し「中間ポジションの性質とマンマーク」「5バックの理由と4バック」

記事のきっかけこんなツイートをした。

この「正面に立つ」が守備でとても大事だと思ってるんだけど、「ボールとゴールの間に立つ」という考えがあることがわかった。

どうやら一般的にも後者で教わることが多そう。

これをきっかけにこの記事を書こうと思った。

で、その「どこに立つか」でキーになってくるの

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「戦術以前の問題」

「戦術以前の問題」

こんにちは。
これからnoteでトレーニングメニューを発信していきたいと思います。
念のためですが、twitterを含めた自分の発信はすべて「個人の見解」であること、あらかじめご了承ください。

初回。まずは過去の自分への戒めも込めて、「戦術以前の問題」「どんなサッカーをするか以前の問題」という言葉についてお話ししたいと思います。
指導者になって、自分自身が最初に感じた課題です。

戦術以前の問題

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