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#私の作品紹介
連載小説(50) | 最終話 | 漂着ちゃん
エヴァが死んだことを、現場にいた者たちはみな理解した。重々しい空気が流れた。
しかし、エヴァの死に顔を見ると、みな顔を見合わせた。
私にはエヴァはどう見ても微笑んでいるようにしか見えなかった。胸に刺さったままのナイフ。
凄惨な血の流れとエヴァの微笑は、どう見てもアンバランスだ。
エヴァを失くした悲しみよりも、私が真っ先に思ったのは「なにを考えて死んでいったのだろう?」ということだった
漂着ちゃん | 第1話 [創作大賞2024] | ファンタジー小説部門
[ あらすじ ]
漂着ちゃん 第1話 リュックサックにロープだけ入れて山を目指した。日に数人しか利用客がいないような駅だったらどこでも良かった。駅周辺には、数件の家屋しか見えない。そこに魅力を感じたから下車した。
細い道が一本あって山頂へとつづいている。けもの道だろう。だったらなおさら好都合だ。道なりに進んで行った。それにしても長い道である。もうすでに人家はひとつも見えなくなっていた。なのに
青ブラ文学部だより📢新マスコットの誕生😄| および募集要項
このたび、青ブラ文学部の新マスコットに「なかがわちゃん」が加わりました😊
ひきつづき「おおかわちゃん」もよろしくお願いいたします😃✌️
#青ブラ文学部 #気になる口癖 #6月9日締め切り #募集要項はこちら
ご応募いただいた記事はこちらのマガジンに収録しています😄。
#なんのはなしですか
てるてる坊主のラブレター
急に大雨が降ってくるんですもの。もうこれ以上に濡れられないっていうくらい濡れちゃったわ。早くお風呂に入って着替えたいわ。
それにしても、このてるてる坊主。ベランダに吊るしておいたのに何で雨が降ったのかしら?ご利益なんてなかったわね。
でも上手に作れたから、そのままにしておいてあげる。
あのね、お姉さん。僕はお話することが出来ない。けど雨を降らせたのは、ちゃんと理由があるの。
今日お
連載小説(37)漂着ちゃん
私は今までの出来事を振り返ってみて、エヴァがAIの頭脳を持っているのではないかと邪推した。そう考えればこれまでに起こったことはすべて説明がつくではないか。
自殺するために雪山をさまよっていた私の前にナオミを流したのはエヴァだったとしたら?
所長というAIの存在を作り出したのは、未来の私ではなく、エヴァだったとしたら?
私は所長にエヴァが従っていると考えていたが、エヴァが所長を作り出し
連載小説(36)漂着ちゃん
エヴァの車が見えなくなるまで見送ったあと、私はひとり収容所の中に入っていった。
玄関前にたどり着くと、護衛官が二人立っていた。
「なぜ、あなたたちが?!」と私は思わず声を漏らした。
「なぜって、私たちは収容所の職員ですから。お部屋まで付き添わせていただきます」
私は護衛官に両脇を挟まれて、エレベーターにのった。
護衛官はAIロボットだったはずではないか?、という疑問で頭の中がいっぱ
連載小説(35)漂着ちゃん
エヴァの車に乗り、収容所へもどるとき、私たちは終始無言だった。もはや所長はいないのだから、何の気兼ねもなくエヴァのもとへ行けるはずなのに、もう二度とエヴァとは会うことが出来ないような感覚があった。
「着きました。ナオミさんのもとへお戻りください。当面の間、ナオミさんのもとを離れないでください」
「なぜです?」
「なぜって、それはナオミさんがあなたの奥さまだからに決まっているじゃないですか」
連載小説(34)漂着ちゃん
朝になった。
「そろそろ帰ったほうがいいわね。甘美な一夜になりました。ナオミさんも心配しているでしょうし。朝食をとったら、私が送ります」
「いろいろお世話になりました。これから、私たちはまた会えるだろうか?」
「もう所長はいませんしね。あなたが良ければ、マリアと一緒にいてくださったら嬉しいですけど。しばらく、ゆっくり休んで考えましょう」
エヴァと一夜を明かしたことで、私には不思議な感覚