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ことば展覧会

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言葉

言葉は、記憶。

私の記憶のほとんどは、遠い記憶であればあるほど、誰かの発した言葉を核として、そしてその時の映像が絡み合い、成立している。

私は、つまらない記憶ほど、細かいところまで覚えている。よく覚えているなと、時々、驚かれたりするが、恐らく、言葉、映像、記憶という、私独特のルーチンの中で、脳の中に、あるいは心の中に、ひっかかったものが時間の経過に溶け込まずに沈殿しているのだと思う。

私の記

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指でつぶやく時、ひとしずくの希望がにじんでる。

指でつぶやく時、ひとしずくの希望がにじんでる。

突然の贈り物のようなふいな出来事が好きだ。

人を好きになるのは偶然だ。

それは突然の贈り物なのだと後になって気づく。

好きになるのではなくて、好きになっちゃった。

このなっちゃった感がわたしたちを切なくさせる。

あの人の名前を呼ぶだけで涙がでるとか。

あの人を好きだとあの人のいない場所で声にするとき

ひとしずくの涙がでるとか。

ひとしずくのものが好き。

海の水は、昔のひとのみんな

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地と水際に彷徨う

地と水際に彷徨う

起きて 太陽が微笑み

大丈夫 一緒だと 言う

夜中の目覚ましは 意味有りげに

一度だけ 澄んだような 痛みのような 音色を

搔き鳴らし 舞う 弦 爆ぜる 何か

動かないといけないから ひととき 汗

汗の中に 希望のような 闇 失望源

随分遠くで トンネル先の 正しい呼

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詩)言葉

言葉は何の為にあるのか
気持ちを伝える為か
愛を語る為か
寂しさを埋める為か

言葉は何のためにあるのか
人を傷つける為か
嘘をごまかす為か
寂しさを埋める為か

言葉は繋がる為にある
1人で生きていくには
あまりに長い時間を
誰かと分かち合う為に

誰かは片時も離れず側にいたい
愛する人かもしれないし
誰かは殺してしまいたい程の
憎い相手かもしれない

密やかな月灯り

密やかな月灯り

生きる場所は あなたの窓辺に

密やかに 碧い月光に乗り  

佇むでしょう

降り積もる雪

ひとひら  ひとひら

結晶は あなたへのメッセージ

ごらんよ  星は  何か言ってる

わたし  今回  八角形

夜空は風だ  気流に乗ったぞ

あと  6571話

言葉って  雪

積もり 溶けて  残る

結晶を  あなたの胸へ

詩)言葉は自由だ

詩)言葉は自由だ

言葉は自由だ
頭で生まれて口から出て行く迄の間に
いったいどれ程の旅路を渡り歩いたのか
そう誤解する程に大きくイメージを
変えてしまう事もしばしば

自身でさえも上手く操縦出来ない程の
じゃじゃ馬を生みの親でもない他人が
きちんと理解するのはあまりに難題だ

そもそも思った通りに作られていないのに
口から飛び出して誰かの耳に入ったとたん
創造主の意図を無視してさらに自由に変わる

運良くそのまま伝

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詩)言葉に託す

詩)言葉に託す

言葉に想いを込めてはいけない
言葉に希望や絶望を込めてはいけない
言葉はどれだけ美しく着飾っても
言葉に過ぎず
それ以上でもそれ以下でもない

身勝手な自慰行為は醜く
見え隠れする事は滑稽だ
言葉が滑稽ではなく
その思いに隠されるべき
執着や未練が欲望の塊に見える
即ち己の存在が滑稽なのだ

言葉には何も込めずに
ただ託すべきだ
如何様に伝わるかはわからない
如何様に伝わったとしても
ただ託せばい

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詩)書き残した言葉

詩)書き残した言葉

いつかの為にと書き残した言葉
どうにもならない落書き
幼い頃に貰った人は
使い方が分からずに無暗に投げた
誰かが受け取ってくれればいいのだが
誰にも貰われずに宙に浮く

私という存在を忘れてはいないかと
誇らしげにこちらをみつめる

気付かぬふりをしてその場を立ち去る

大声を上げる訳でも
地団駄を踏む訳でもなく
こちらから手を差し伸べるのを
静かに待っている

今の私には貴方を救えない
いつか必

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