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詩)書き残した言葉

いつかの為にと書き残した言葉
どうにもならない落書き
幼い頃に貰った人は
使い方が分からずに無暗に投げた
誰かが受け取ってくれればいいのだが
誰にも貰われずに宙に浮く

私という存在を忘れてはいないかと
誇らしげにこちらをみつめる

気付かぬふりをしてその場を立ち去る

大声を上げる訳でも
地団駄を踏む訳でもなく
こちらから手を差し伸べるのを
静かに待っている

今の私には貴方を救えない
いつか必ず迎えに行くからと
赤子をあやすかの様に嘘をつく

消える事なく漂う言葉
わたしにはどうする事も出来ず
下を向くしかなかった

過去の亡霊
台本をまる覚えした様な台詞
空との間に建てられた塔
手を合わせても地に足はつかず
嘘つきの本音
泳ぐのは目ばかりで思考の海に溺れそうだ

行く先もなく葬られる事もない
そこにいて漂うばかりの言葉達
いつかまた遊びに来ておくれ

ありがとう
さようなら
そしてまた会う日まで
私が紡いだ言葉達


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