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エッセイらしきものばかり

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何がエッセイなのかよく分かっていない人が書いたエッセイらしきものです。
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#トイレ

忘れてもいい忘れられない一言

忘れてもいい忘れられない一言

 誰にも忘れられない一言があると思うんです。ただ、忘れられない理由はきっと千差万別でしょう。嬉しかった一言、悲しかった一言、衝撃的な一言。皆さんの心の中に、いろんな一言が存在している。

 たまにそんな忘れられない一言が後々まで影響を与える場合がございます。私にもそんな一言がございます。

 当時付き合っていた彼女を家に呼んだ時の話です。彼女は部屋に入るなり、あっちこっちを見て回りました。別に見つ

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最高で最高を裁く

最高で最高を裁く

 「もし過去へ行けるようになったら」という仮定は雑談から創作物、時には学術的で真面目な議論に至るまで、いろんなところで出てきます。でも、私にそれをされると困ってしまう。過去に行きたくないからです。理由はトイレです。

 ここ数十年でトイレは本当に綺麗になりました。私が子供だった頃にちょくちょく見かけた、この世の地獄みたいなトイレは非常に少なくなりました。もちろん、未だに酷い状態のものは見かけます。

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オープン闇トイレ

オープン闇トイレ

 まだ実家に住んでいた頃です。自分の部屋で夜中までダラダラ起きていた私は何気なくトイレに行ったんです。トイレは電気がついておらず、真っ暗です。真夜中なんだから当たり前です。私はいつものようにトイレの電気をつけ、その流れでドアを開けました。

 普通に祖母が便器に座っていたんで私、「うおっ」と声をあげました。しかし、当の祖母は「ああ、ごめんね。すぐ終わるからね」と、のん気な言い回しです。とりあえず、

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余所者を戸惑わせるトイレ

余所者を戸惑わせるトイレ

 前回、いきつけの、じゃない、かかりつけの病院での話を書きました。皮膚のトラブルがとにかく多かった私は、一時期とある皮膚科医院に通いつめまして、甲斐あって今では通院しなくてもかなり安定した状態を保てているところです。

 その病院は予約を取るのも困難なレベルで人気がありました。予約なしでも診察はしてもらえるんですが、予約者の間に診察するシステムらしく、受付から診察まで2時間かかる場合もあるという、

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三枚のお札以前の問題

三枚のお札以前の問題

 「三枚のお札」という昔話がございます。

 とあるお寺に和尚と小僧が暮らしていたんですが、どういう話の流れか、小僧が山へ栗を拾いに行きたいと和尚へ頼み倒すんです。和尚は「山には恐ろしい山姥がいて危ないからダメだ」と止めますが、小僧の栗への執着がなぜか半端ない。和尚は仕方なく小僧の栗拾いを許可しますが、代わりに「山姥にあったらこれに願い事をして使いなさい。きっと守ってくれる」と言って3枚のお札を持

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新しい拷問

新しい拷問

 寒くなると眠くなるんです。何か雪山で遭難した人の最期みたいな書き出しですけど、やっぱり夏より眠くなる時が多い。共感いただける方もいらっしゃるかと存じます。

 体が欲してるんだから無理せず寝ればいいという考えもあるとは思うんですが、困る時もあるんです。油断すると生活サイクルがあっという間におかしくなるんです。

 例えば、寒い日に仕事から帰ってくると、いつも通りお風呂に入ってご飯を食べるんです。

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絶滅危惧立ちション

絶滅危惧立ちション

 大学生だった頃、一人旅で地方の電車に揺られていたんです。遠くまで広がる田園風景は収穫を待つ稲穂が風で波立っていました。

 ボーっと黄金の田んぼを眺めていると、景色の一番手前である線路わきに初老の男性がひとり、こちらを向いて立っているのが視界に入ってきました。男性は一瞬で視界から消えてゆきましたが、格好だけで何をしていたのかすぐに分かりました。立ちションです。思い切り線路に向かって放尿していたん

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トイレによく分からないこだわりを持っていました

トイレによく分からないこだわりを持っていました

 どうでもいいんだけど、なぜかやたらこだわってしまうことありませんか。私はあります。もう子供の頃からです。

 小学校4年生だった時の話です。こんな具体的に覚えているにはわけがありまして、私が通っていた小学校はなぜか4年生だけ違う校舎の教室と決まっていたんです。

 その校舎は一番最近にできたこともあって、隅々まで綺麗でした。だからなのかは知りませんけれども、変なこだわりが生まれました。同じ小便器

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貴重でも何でもない

貴重でも何でもない

 その昔、長期休みに実家へ帰っていた時の話です。私の他にも姉家族が帰省の最中でして、当然ながら私は甥っ子の遊び相手としてこの身を差し出すことになりました。

 子供の遊び相手ってのはなかなか体力のいる任務です。当時の甥っ子は確か3歳かそこらでした。もうやることなすこと全て楽しいみたいで、ゲームを始めたかと思えば庭に出てボールをあっちこっちに蹴りまくり、そうかと思えば私の肛門にこぶしを突っ込もうとし

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挫折の果てに小さなRPGを完成させた話

挫折の果てに小さなRPGを完成させた話

 何かを続けるのは大変です。つらく大変なことはもちろん、楽しいことでさえ大変なんです。

 RPGツクールというシリーズがあります。画像や音楽、戦闘システムなど、あらかじめ用意されたものを組み合わせてオリジナルのRPGが創れるというゲームで、今年には最新作が出る予定なんだそうです。

 私が中学生をしていた頃、RPGツクールが初めて家庭用ゲーム機で発売され、かなり流行していました。当時は子供たちの

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嫌いなものを増やす記憶

嫌いなものを増やす記憶

 多くの人には嫌いな食べ物が存在します。嫌いになった理由にはいろいろあるようです。味が嫌い、においが嫌だ、食べるとアレルギー反応が出る、といった、物理的な理由で嫌う人はもちろんいらっしゃるでしょう。

 一方で、精神的な理由で嫌いになる人もいます。見た目が気持ち悪い、などの他に、その食べ物に関して嫌な思い出があり、それで食べられなくなる場合も存在します。例えば、私は子供の頃に腐って道路でグチャグチ

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自分のせいにしすぎたゆえに

自分のせいにしすぎたゆえに

 全人類をふたつに分けるとしたら、いろんな分け方があると思います。例えば、人間、何か失敗すると他人のせいにしがちな人と自分のせいにしがちな人がいる。私はどちらかというと自分のせいにしがちです。そう書くとなんかいい格好しているように見られるかもしれませんが、そんなことはありません。ちょっと極端な時があるからです。

 とある商業施設で買い物をしていた時です。買い物をしてようがしてまいが尿意というやつ

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極端なトイレ

極端なトイレ

 何でも統計を取れば平均的なものから極端なものまでズラッと出てくるもんです。トイレだって一緒なんです。もちろん、他人のトイレ風景を見る機会なんてまずありませんし、見たいとも思いません。ただ、公共のトイレだと隣の音がどうしても聞こえる構造になってるところがある。

 公共のトイレにおける極端な方々の多くは、使用時間がものすごく長い人です。普通の人の5倍くらい個室に入っている。そういう人は往々にして静

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