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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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#JGB

「円」を買う理由が見当たらない

「円」を買う理由が見当たらない

 日銀の政策変更無しを受けて「円売り」に拍車。” Ms. Watanabe" =FXの個人トレーダーは「介入」期待で「ドル円」を逆張りで売っていた(円買い)ようだから「損切り」で値が飛んだように見える

 植田総裁のこの発言に恨み節を言うトレーダーも多かろう。だが筆者は実は同意見。「円安」は「インフレ」の根本原因ではない。日米欧とも "根っこ" はベビーブーマー引退に伴う人口動態の変化=「人手不

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続・「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 株もタワマンも買いそびれ「円安」で物価は上がる一方...

続・「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 株もタワマンも買いそびれ「円安」で物価は上がる一方...

 「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?|損切丸 (note.com) の続編

 さあ、いよいよFRBの「年内利下げ」の雲行きが怪しくなってきた。2月までは16カ月連続で50を下回っていたがISM製造業指数が "水面下" に浮上。生産指数が54.6と2022年6月以来の高水準で前月比+6.2ポイントは2020年6月以来の大幅な伸び。2月に縮小圏となっていた新規受

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実際「マイナス金利解除」するとどうなるのか?

実際「マイナス金利解除」するとどうなるのか?

 高めの米CPIであきらめるかと思いきや はっきりした「ドル建日経平均」戦略Ⅲ - "脅し" に屈した方がやられる|損切丸 (note.com) で "売り崩し戦略" に出ていたファンド勢は簡単にはあきらめない。まあ売ったり買ったりを繰り返して「損」を薄めようと藻掻いているようにも見える

 さて「マイナス金利解除」が大分 "リアル" になってきたので、現状の確認とその変化について考察を加えてみよ

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JGBの ”怪” -「利上げ」確実なのに金利が下がる不思議

JGBの ”怪” -「利上げ」確実なのに金利が下がる不思議

 植田総裁が「インフレ」と言い切ってちょっと驚いた。これは明確な方針転換で、余程のことが無い限り3~4月での「マイナス金利解除」は確定

 さぞやJGB(日本国債)を売りに来るかと思いきや、20~30年の超長期ゾーンはむしろ金利が低下。確かに決算期の2~3月は4月からの新年度に向けて生損保などがJGB残高を積み増す時期ではある。だが、それにしても…

 やはり まだまだもの凄い「金融緩和」-まるで

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やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。

やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。

 やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切丸 (note.com) の続編として

 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) 前稿.「お金」の価値 - "一度一方方向に走り出すと止まらない日本人" |損切丸 (note.com) で金利急騰のリスクを指摘した途端に厳しい数字が出た:

 米CPIは実は驚くような数字ではない。直近の様々な指標から「人件費」の再上昇は示唆され

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「いつも買う相手」のいる有り難み - 今度は「インフレの免罪符」

「いつも買う相手」のいる有り難み - 今度は「インフレの免罪符」

 この発言を聞いてほっと胸をなで下ろしているのは、顧客の売買注文に価格提示をする義務を負うJGB(Japanese Government Bond、日本国債)のマーケットメーカーだろう。アメリカのように+0.75%×連続3回なんて「世紀の利上げ」をされたら堪ったものではない。それこそシリコンバレー銀行(SVB)のように潰れてしまう

 日本の国債市場でもアメリカに倣って「プラマリーディーラー制度」

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まだまだもの凄い「金融緩和」-まるで昭和の ”牛歩戦術” 的「利上げ」

まだまだもの凄い「金融緩和」-まるで昭和の ”牛歩戦術” 的「利上げ」

 これは "FACT" (真実)。▼0.10%をチャージされているのは500兆円余りの日銀当座預金のうちたったの30兆円程度であり、「マイナス金利解除」だけではとても「金融引締め」とは言えず象徴的意味しかもたない

 「マイナス金利解除の予告」と受け取った向きが一旦ドル円を売ったが、考えてみれば仮に日銀が+2%「利上げ」してFRBが@4%まで「利下げ」してもまだ「実質金利」で日本はアメリカを上回ら

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続・マーケットの "裏の顔” - 低迷する支持率では「マイナス金利解除」の札は切りにくい(?)

続・マーケットの "裏の顔” - 低迷する支持率では「マイナス金利解除」の札は切りにくい(?)

 マーケットの "裏の顔” - 突然の「派閥解消」とJGB急落の関係(?)|損切丸 (note.com) なんて note. を書いてしまったので続報として

 某政府系保険会社の運用責任者がメディアの取材に答えていたが、生損保を始め「日本金融村」では+1.5%の「利上げ」を想定している模様。30年国債の ”目処” を@1.8%としていたから、現段階で+2%を超える「利上げ」は想定していない。おそ

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マーケットの "裏の顔” - 突然の「派閥解消」とJGB急落の関係(?)

マーケットの "裏の顔” - 突然の「派閥解消」とJGB急落の関係(?)

 10年以上前になるが、某通信社の記者さんが筆者の携帯に電話してきた。政策決定会合のまさに前日。丁度東京に出張で来ていたロンドンの同僚と飯を食いに行く所だったので、その事を告げたらビックリしていた。マーケットでは「利上げ」も噂されていたが、結局「金融政策変更無し」。

 これで何か儲かったわけではなく、もちろん事前の情報漏洩は御法度。だが筆者が現役当時、「日本金融村」ではこんな事が頻発していた。出

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 "クレディビィリティ" (信用)の危機 -「お金」はどこへ向かうのか?

"クレディビィリティ" (信用)の危機 -「お金」はどこへ向かうのか?

 大統領返り咲きを狙う "T" 御仁が吠えているが、シェールガスをドンドン掘れ、という事らしい。「インフレ」で生活が苦しいアメリカ人に訴えている訳だが、こういう所は非常に上手い。まさにポピュリズムの権化。鬱憤が溜まりすぎて「脱炭素」などクソ食らえ!という感情も判らなくはない

 一方OPECなど産油国も必死。原油価格が@50~60ドルなんてことになれば今までのように "贅沢" できなくなるし「戦争

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日本人にとっての「最適投資」2024 - 優先するのは「円安」それとも「インフレ」?

日本人にとっての「最適投資」2024 - 優先するのは「円安」それとも「インフレ」?

(参照) 日本人にとっての「最適投資」は...。 ー 2022年に儲かったのは誰?|損切丸 (note.com)
 日本人にとっての「最適投資」2023。- 円金利上昇で狭まる選択肢。|損切丸 (note.com)
 続・日本人にとっての「最適投資」2023。- 跳ねるか ”卯(うさぎ)年” 。|損切丸 (note.com)

 「グローバル・ソブリン」(通称「グロソブ」↑ 標題添付グラフ)って覚

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日本の「インフレ」の正体。その後...

日本の「インフレ」の正体。その後...

 日本の「インフレ」の正体。|損切丸 (note.com) を書いたのが約1年半前。それからこの国でどういう変化があったのか、検証してみた

 前稿の中で強調したのが20代 ≓「Z世代」の「値上げ許容度」の低さ。ただこれも「インフレ」を実体験して変化が起きつつある。ようやく 「預貯金」では「インフレ」に追い付けない!|損切丸 (note.com) という "FACT" (事実)に辿りつきつつあるよ

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続・「理想」と「現実」- 「過剰流動性」の "アンカー" 「日銀」

続・「理想」と「現実」- 「過剰流動性」の "アンカー" 「日銀」

 「理想」と「現実」- やはり鍵を握るのは「日銀」|損切丸 (note.com) の続編

 年初から奇妙な相場が続く。主要株式市場や国債市場(金利)が軒並み売られているのを横目にビットコイン(BTC)だけが突っ走る

 暗号資産関連会社は大はしゃぎだろうが投資家にとっては望ましい状況ではなかろう。年初からの相場を見ているとわかるが、何かが売られれば何かが代わりに買われる。まるで ”モグラ叩きゲー

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日本の「インフレ」の行方Ⅱ ー 注目される ”サービス価格” ≓ 人件費の行方

日本の「インフレ」の行方Ⅱ ー 注目される ”サービス価格” ≓ 人件費の行方

 日本の「インフレ」の行方 ー 問われる日本人の ”覚悟” |損切丸 (note.com) の続編

 「損切丸」も含めそう感じている人も多いのではないか。原因は「燃料調整費」。年初月+3,000円程度だったのが▼3,000円にドテン。そう、これが「エネルギー補助金」の正体。CPIを▼0.5%引下げると概算されている。

 コアコアCPI+3.8% > 総合CPI+2.8%にその影響ははっきり現れ

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