東洋思想に魅せられた人の若き日の悩み

「問い」をつくる記事を書きます。哲学者・思想家・経験者のコトバから、色んな解釈を書きま…

東洋思想に魅せられた人の若き日の悩み

「問い」をつくる記事を書きます。哲学者・思想家・経験者のコトバから、色んな解釈を書きます。意味のない意味あることor意味のある意味ないことのどちらかを書きます。「りねん:一燈照隅 百燈照国 萬燈照世」

マガジン

記事一覧

"ワレタダタルヲシル"垂直的知足

言志録 佐藤一斎著 第四十二条【原文】 分を知り、然る後に足るを知る。 【訳文】 自分に与えられた天分を自覚すれば、 現状で満足するを知る。 幕末の名著「言志四録」に…

心を満たすな。空で満たせ。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.41 言志録 佐藤一斎著 第四十一条 【原文】 富貴は喩えば則ち春夏なり。人の心をして蕩せしむ。 貧賤は喩えば則ち秋…

好き嫌いのない人は、好きも嫌いもない。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.40 言志録 佐藤一斎著 第四十条【原文】 愛悪の念頭、最も藻鑑を累わす。 【訳文】 好き嫌いの感情が、 最も"人を見る…

意味の意味【意を味わう】

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.39 言志録 佐藤一斎著 第三十九条【原文】 人の賢否は、初めて見る時に於て之を相するに、多く謬らず。 【訳文】 人の…

心の不思議【何とも妙なる心の働き】

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.38 言志録 佐藤一斎著 第三十八条 【原文】 心の形わるる所は、尤も言と色とに在り。 言を察して色を観れば、賢不肖…

生き方なんて誰にも教えることはできない。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.37 言志録 佐藤一斎著 第三十七条【原文】 能く人を容るる者にして、而る後以て人を責むべし。 人も亦其の責を受く。 …

理解を求めない。ただその存在を見つめる。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.36 言志録 佐藤一斎著 第三十六条【原文】 人の言は須く容れて之を選ぶべし。 拒む可からず。又惑う可からず。 【訳…

素直な人は矛盾を受け容れる。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.35 言志録 佐藤一斎著 第三十五条【原文】 物を容るるは美徳なり。然れども亦明暗あり。 【訳文】 雅量があり、人を受…

【今この瞬間が青春】超訳 言志録 第三十四条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.34 言志録 佐藤一斎著 第三十四条【原文】 少年の時は当に老成の工夫を著すべし。 老成の時は、当に少年の志気を存す…

【志のある人とは?】超訳 言志録 第三十三条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.33 言志録 佐藤一斎著 第三十三条 【原文】 志有るの士は利刃の如し。百邪辟易す。 志無きの人は鈍刀の如し。童蒙も侮…

【日常を非日常に変えていく】超訳 言志録 第三十二条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.32 言志録 佐藤一斎著 第三十二条【原文】 緊しく此の志を立てて以て之を求めば、 薪を搬び水を運ぶと雖も、亦是れ学…

【多忙な人、勤勉な人】超訳 言志録 第三十一条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.31 言志録 佐藤一斎著 第三十一条【原文】 今人率ね口に多忙を説く、其の為す所を視るに、 実事を整頓するもの十に一…

【優しさについて思うこと】超訳 言志録 第三十条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.30 言志録 佐藤一斎著 第三十条【原文】 自ら責むること厳なる者は、人を責むることも亦厳なり。 人を恕すること寛な…

【なぜ道徳心が大切なのか?】超訳 言志録 第二十九条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.29 言志録 佐藤一斎著 第二十八条【原文】 大徳は閑を踰えざれ。小徳は出入すとも可なり。 此を以て人を待つ。儘好し…

【評価を求めない生き方】超訳 言志録 第二十八条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.28 言志録 佐藤一斎著 第二十八条【原文】 纔に誇伐の念頭有らば、便ち天地と相似ず。 【訳文】 少しでも誰かに誇り高…

【小さなことができない人は大きなことはできないのか?】超訳 言志録 第二十七条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ 東洋の生き方学 No.27 言志録 佐藤一斎著 第二十七条【原文】 真に大志有る者は、克く小物を勤め、 真に遠慮有る者は、細事を忽にせず。 …

"ワレタダタルヲシル"垂直的知足

"ワレタダタルヲシル"垂直的知足

言志録 佐藤一斎著 第四十二条【原文】
分を知り、然る後に足るを知る。
【訳文】
自分に与えられた天分を自覚すれば、
現状で満足するを知る。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.42

言志録 第四十二条『垂直的知足』"足るを知る"

仏教思想で言うところの、
"吾唯知足"
老荘思想で言うところの、
"知足者富"

この条文(言志録 第四十二条)にて、
佐藤一斎先生もまた、

もっとみる
心を満たすな。空で満たせ。

心を満たすな。空で満たせ。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.41

言志録 佐藤一斎著 第四十一条

【原文】
富貴は喩えば則ち春夏なり。人の心をして蕩せしむ。
貧賤は喩えば則ち秋冬なり。人の心をして粛ならしむ。
故に富貴に於ては則ち其の志を溺らし、
貧賤に於ては則ち其の志を堅うす。
【訳文】
物質的な豊かさは春や夏のようであり、人の心を蕩けさす。
貧賎は秋や冬のようであり、人の心を引き締める。
故に、

もっとみる
好き嫌いのない人は、好きも嫌いもない。

好き嫌いのない人は、好きも嫌いもない。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.40

言志録 佐藤一斎著 第四十条【原文】
愛悪の念頭、最も藻鑑を累わす。
【訳文】
好き嫌いの感情が、
最も"人を見る目"を惑わす。

言志録 第四十条『好き嫌いなく食べる』"好き嫌いしないで食べなさい"

割と古風な家庭だったので、
子どもの頃に口煩く言われた。
お陰で、今は何でも有り難がって食べられるようになった。

好き嫌いなく食べる

もっとみる
意味の意味【意を味わう】

意味の意味【意を味わう】

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.39

言志録 佐藤一斎著 第三十九条【原文】
人の賢否は、初めて見る時に於て之を相するに、多く謬らず。
【訳文】
人の堅なるか否かの判断は、
初めて相対したときに直覚したその印象が、
凡そ間違ってはいない。

言志録 第三十九条『意を味わう』人は何かと意味を知りたがる。

出会いの意味。別れの意味。
言葉の意味。行為の意味。

挙げ出したらキ

もっとみる
心の不思議【何とも妙なる心の働き】

心の不思議【何とも妙なる心の働き】

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.38

言志録 佐藤一斎著 第三十八条

【原文】
心の形わるる所は、尤も言と色とに在り。
言を察して色を観れば、賢不肖、人隠す能わず。
【訳文】
人の心は言葉と顔色に最も現れる。
その人の言葉をよく訊き、顔色を観れば、
利巧かそうでないかも分かり、
人というものは決して隠せるものではない。

言志録 第三十八条『心が現実を創る』"心の形わ

もっとみる
生き方なんて誰にも教えることはできない。

生き方なんて誰にも教えることはできない。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.37

言志録 佐藤一斎著 第三十七条【原文】
能く人を容るる者にして、而る後以て人を責むべし。
人も亦其の責を受く。
人を容るること能わざる者は人を責むること能わず。
人も亦其の責を受けず。
【訳文】
人を受け容れられる人であって、
始めて人の欠点を責めることができる。
そのような人からの責めは相手も受け容れる。
反対に人を受け容れられない

もっとみる
理解を求めない。ただその存在を見つめる。

理解を求めない。ただその存在を見つめる。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.36

言志録 佐藤一斎著 第三十六条【原文】
人の言は須く容れて之を選ぶべし。
拒む可からず。又惑う可からず。
【訳文】
人の言葉は一旦は自分の中に受け容れなさい。
それを拒んではならない。
しかし、その言葉に惑わされてはならない。

言志録 第三十六条『理解を求めない』自分と相対する全ての存在に対して、
理解を求めない。

理解しようとす

もっとみる
素直な人は矛盾を受け容れる。

素直な人は矛盾を受け容れる。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.35

言志録 佐藤一斎著 第三十五条【原文】
物を容るるは美徳なり。然れども亦明暗あり。
【訳文】
雅量があり、人を受け容れることは美徳である。
しかし、善と悪とがあるということも忘れてはならない。

言志録 第三十五条『素直について』素直さとは何か?

相手の言うままを聞き、
聞くままを実行すること。

この様に解釈されていることが多いと思

もっとみる
【今この瞬間が青春】超訳 言志録 第三十四条

【今この瞬間が青春】超訳 言志録 第三十四条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.34

言志録 佐藤一斎著 第三十四条【原文】
少年の時は当に老成の工夫を著すべし。
老成の時は、当に少年の志気を存すべし。
【訳文】
若い時は経験を積んだ人の如く、
熟慮し手落ちの無いように工夫するのが良い。
年をとってからは、
若者のような意気と気力を失わぬようにするのがいい。  

言志録 第三十四条『青春とは初心である』青春時代はいつか

もっとみる
【志のある人とは?】超訳 言志録 第三十三条

【志のある人とは?】超訳 言志録 第三十三条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.33

言志録 佐藤一斎著 第三十三条
【原文】
志有るの士は利刃の如し。百邪辟易す。
志無きの人は鈍刀の如し。童蒙も侮翫す。
【訳文】
志のある人は鋭利な刃のようで、
誘惑や妄念といった邪なものも近寄らない。
志のない人はなまくら刀のようで、
子どもにまでからかわれる。 

言志録 第三十三条『志がある人とは?』日常には魔物が潜んでいる。

もっとみる
【日常を非日常に変えていく】超訳 言志録 第三十二条

【日常を非日常に変えていく】超訳 言志録 第三十二条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.32

言志録 佐藤一斎著 第三十二条【原文】
緊しく此の志を立てて以て之を求めば、
薪を搬び水を運ぶと雖も、亦是れ学の在る所なり。
況や書を読み理を窮むるをや。
志の立たざれば、終日読書に従事するとも、
亦唯是れ閑事のみ。
故に学を為すは志を立つるより尚なるは莫し。
【訳文】
志を立てれば、たとえ薪を運び、
水を運んでいたとしても、
そこに学

もっとみる
【多忙な人、勤勉な人】超訳 言志録 第三十一条

【多忙な人、勤勉な人】超訳 言志録 第三十一条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.31

言志録 佐藤一斎著 第三十一条【原文】
今人率ね口に多忙を説く、其の為す所を視るに、
実事を整頓するもの十に一、二。
閑事を料理するもの十に八、九、
又、閑事を認めて以て実事と為す。
宣なり其の多忙なるや。
志有る者誤って此のかを踏むこと勿れ。
【訳文】
今の人は口ぐせのように多忙を口にするが、
実際に必要なことをしているのは十の一、

もっとみる
【優しさについて思うこと】超訳 言志録 第三十条

【優しさについて思うこと】超訳 言志録 第三十条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.30

言志録 佐藤一斎著 第三十条【原文】
自ら責むること厳なる者は、人を責むることも亦厳なり。
人を恕すること寛なる者は、自ら恕することも亦寛なり。
皆一偏たるを免れず。君子は則ち躬自ら厚うして、薄く人を責む。
【訳文】
自分を厳しく律する人は、人にもまた厳しい。
人に対し思いやりをがあり寛大である人は、
自分にもまた寛大である。一方に偏ら

もっとみる
【なぜ道徳心が大切なのか?】超訳 言志録 第二十九条

【なぜ道徳心が大切なのか?】超訳 言志録 第二十九条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.29

言志録 佐藤一斎著 第二十八条【原文】
大徳は閑を踰えざれ。小徳は出入すとも可なり。
此を以て人を待つ。儘好し。
【訳文】
忠・信・孝・悌というような
大徳に該当するものは外れてはならない。
しかし、小徳に該当する進退・応対のようなものは、
他人には寛大に対応するのがよい。

言志録 第二十九条『道徳心の重要性』なぜ道徳心が大切なのか

もっとみる
【評価を求めない生き方】超訳 言志録 第二十八条

【評価を求めない生き方】超訳 言志録 第二十八条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.28

言志録 佐藤一斎著 第二十八条【原文】
纔に誇伐の念頭有らば、便ち天地と相似ず。
【訳文】
少しでも誰かに誇り高ぶる気持ちがあれば、
それは天地の道理と相離れることである。

言志録 第二十八条『命もいらず、名もいらず』西郷隆盛の言葉にこの様なものがある。

命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困

もっとみる
【小さなことができない人は大きなことはできないのか?】超訳 言志録 第二十七条

【小さなことができない人は大きなことはできないのか?】超訳 言志録 第二十七条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.27

言志録 佐藤一斎著 第二十七条【原文】
真に大志有る者は、克く小物を勤め、
真に遠慮有る者は、細事を忽にせず。
【訳文】
本当に大志を持つ人物は、小さな事柄も粗末にせず勤め、
また遠大な思考をする人物は些細な事をも疎かにしない。  

言志録 第二十七条『大は小を生み、小は大へと誘う』小さな事も出来ない人間は
大きな事は出来ない。

もっとみる