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【日常を非日常に変えていく】超訳 言志録 第三十二条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.32

言志録 佐藤一斎著 第三十二条

【原文】
緊しく此の志を立てて以て之を求めば、
薪を搬び水を運ぶと雖も、亦是れ学の在る所なり。
況や書を読み理を窮むるをや。
志の立たざれば、終日読書に従事するとも、
亦唯是れ閑事のみ。
故に学を為すは志を立つるより尚なるは莫し。
【訳文】
志を立てれば、たとえ薪を運び、
水を運んでいたとしても、
そこに学問の道は有り真理を得ることができる。
志がなければ一日中読書していても学びはない。
故に、学問の道を修めるには、
志を立てることが何より大切である。

言志録 第三十二条『志は日常を非日常に変える』

何をするか?こればかりを求めてしまうのは
「自己」が定まっていないからである。

日常を嫌い、非日常を外側に求めている状態である。

東洋の考え方は、
日常をそのまま"非日常"に変えていく。

何をするのか?それよりも先に考えるべきは、
"自己の生命を捧げる何か"についてである。

日本人はそれを「志」と呼んだ。

志とは、自分にとっての"憧れ"である。

他人の価値判断は全く関係ない。
そこに、他人の価値判断が入れば、
それは"志"ではなくなる。

正解も不正解も、善も悪も関係ない。

志とはそういうものである。

志は、自己の中に中心軸を生じさせる。

この中心軸の存在が、
日常への認識力を高める。

認識力が高まれば、
日常を非日常に変えていくことができる。

この条文(言志録 第三十二条)にて、
佐藤一斎先生は、

"緊しく此の志を立てて以て之を求めば、薪を搬び水を運ぶと雖も、亦是れ学の在る所なり"

と、述べた。

何をするか?が最も重要な事柄ではないということだ。

強烈な学びを得るための時空間
即ち"非日常"を
環境論で考えてはならない。

志によって、
日常を非日常に変えていくのだ。

そしてまた、
これが【東洋の自由】である。

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#読書 #哲学 #人生観 #東洋思想


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