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理解を求めない。ただその存在を見つめる。

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.36

言志録 佐藤一斎著 第三十六条

【原文】
人の言は須く容れて之を選ぶべし。
拒む可からず。又惑う可からず。
【訳文】
人の言葉は一旦は自分の中に受け容れなさい。
それを拒んではならない。
しかし、その言葉に惑わされてはならない。

言志録 第三十六条『理解を求めない』

自分と相対する全ての存在に対して、
理解を求めない。

理解しようとすれば、
理解できない概念が生じる。

肯定すれば、否定が生じる。

理解は、存在に対する自分の期待。

理解しようとすると、
「こうであって欲しい」という希望的観測が
少なからず含まれてくる。

だから、理解は求めない。

理解しようとしない。

人間関係でも、学問でも、何でもそうだが、
人間は理解できる物だけに価値を見出す嫌いがある。

故に、何でも"分かりやすさ"が求められる。

分かりやすい物が流行り、分かりやすい物が売れる。

これが「理解」というものではないか。

私は頭が良くない。
だから、理解しようとした途端に、
何もかもが自分という小さな枠の中に入ってしまう感覚を覚えた。

理解しようとすれば、安易な方に流れる。

安易な方に流れるのも悪くはないが、
自分の中の熱情も少しずつ消え失せていっているのを感じずにはいられなかった。

再び熱情を取り戻すためにはどうしたらいいか?

出会いと別れ、
そして出会いの連続の末に辿りついたのが、
「理解を捨てる」ということだった。

理解しようとしなくなった途端、
今まで"理解"できなかったことを
"味わえる"ような自分に変わった。

瞬間を味わうことによって、
次々と熱情が生まれくるのを感じる。

人間関係においても、
理解しようとしなくなった途端に、
色々と感じる事が増えてきた。

そして、豊かになった。

それが何故かは"理解"できない。

だが、それでいいと思っている。

私は理解しようとしない。

ただ存在を見つめている。
そうやって何もかもを受け容れていきたい。

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#東洋思想 #生き方 #メンタル


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