野本遼平
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第6回 PDCAのシステム・ダイナミクス
前回の記事では、スピード勝負な側面の大きいスタートアップは、認識(観測)→判断/意思決定→行動/実行の遅れを可能な限り減らすことが重要であることを確認しました。今回は「行動/実行」に関連して、PDCAに向き合うときの考え方について整理したいと思います。
スタートアップのPDCAプロダクト開発、セールス、オンボーディング、コーポレート、ファイナンスなど様々な領域において、スタートアップは基本的には
第3回 グロースのシステム・ダイナミクス②
「強化型フィードバックループ」10選(後編)以下では、スタートアップに指数関数的成長をもたらし、最初の小さな差を増幅させる「強化型フィードバックループ」ご紹介します。本稿は前回の続きの後編として、残りの5個をご紹介します。
6) ソリューション開発への再投資
スタートアップが初期の収益をソリューションや製品の開発に再投資することで、製品の品質や機能を向上させることができます。具体的には、「製品
第2回 グロースのシステム・ダイナミクス①
前回は、スタートアップ・システム・ダイナミクスの意義や位置付けについて説明させていただきました。今回から具体的な本題に入っていきます。
スタートアップに求められる「指数関数的成長」スタートアップは、一般的なビジネスとは異なり、短期間での指数関数的・加速度的な成長を目指す宿命を負っています。このような成長を実現するためには、強化型フィードバックループが必要です。
強化型フィードバックループとは、
第1回 スタートアップ・システム・ダイナミクスとは
「スタートアップ・システム・ダイナミクス」の提案システム・ダイナミクスという言葉自体は知らなくても、「Amazonのループ図」は知っているという方は多いのではないでしょうか。ループ図を用いて事業成長の構造を設計するのは、システム・ダイナミクスのアプローチそのものです。
「スタートアップ・システム・ダイナミクス」というのは私の造語ですが、本稿は要するに、「スタートアップ経営に、システム・ダイナミ
人間拡張の視点から見る技術革新 - バズワードと真のイノベーションの区別
はじめにLLMが盛り上がりを見せる中で、「今回はバズワードじゃないのか?本物なのか?」という会話をよく耳にします。バズワードと本物のイノベーションは、事後的にしか判定できない(勝てば官軍的な)ものなのでしょうか?
ところで、1800年代から提唱されてる概念に、Human Augmentation(人間拡張)というものがあります。Human Augmentationの考え方は、非常に雑に紹介すると
テクノロジーの発展のこれまでとこれから(後編:AIサーバントの出現)
サマリー長期的には人口が頭打ちになる可能性が高い状況下においては、いわゆる「生産」を限りなく自律制御的なシステムのもとで行い、タスクから解放された人間のリソースをいわゆる「消費」に寄せる分業体制を構築しないかぎり、資本主義は維持できない可能性が高い。
生産プロセスにおける知覚的・運動的タスクを自律制御にて処理し、人間を制御ループから解放するというコンセプトのソリューション群(Bots, Gene