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#コラム
才能なんて言葉で片付けないでくれ
初めに書いておく。
これは僕自身の、ただの負け犬の遠吠えだ。
ー ー ー
自分に才能があると思ったことはあるだろうか。
僕の知る限りの狭い世界で言えば、「自分には才能がある」と言い切った人に会ったことはない。
誰かに才能を感じたことがあるだろうか。
僕の知る限りの狭い世界で言えば、ほとんどの人が誰かに才能を感じている。それくらい世の中の人は才能で溢れている。
みんなが自分にしかないものを持っ
言葉は武器にも盾にもならない
自分の書いた文章が初めて認められた時、
初めて女の子とデートに行った時のような高揚感で
夜眠れなかったのを覚えている。
夢中になってたくさん書いて
月末に口座へ金が振り込まれた時
何かとんでもない間違いをしてしまったような気がした。
小さいころ父が大切にしていた服を絵の具で汚してしまった時のような。
高揚感や微かな優越感は消えて
惰性で書き続ける日々が続いた。
月末には書いた分だけの金が入って
なぜ物語は、スタートに戻るのか -『ついやってしまう体験のつくりかた』より
たとえば私が東京で暮らしていたとして、多くの人と同じように、コンクリートで固められた道を踏み、日々同じ場所へ通い、箱の中で「仕事」と呼ばれ、与えられた作業をこなしていたとして。
「そうではない場所」に憧れを抱いたとき、「どうしてこんなところに、居るのだろう」と、遠い「何処か」へ想いを馳せたくなる。
そして私は、旅に出る。長く、ながく、数年は帰ってこない世界の旅に。「今まではとは違う場所」を求め