考え之介

企業で働く物書き。物語や詩を書きます。丁寧に生きるのが上手な妻とよだれが止まらない息子と三人暮らし。ビールをこよなく愛するが、おなか周りが。おなか周りが。読書、マンガ、ランニング、山登り、英語。考えごとと、言葉が好き。
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短編小説 『母の味噌汁のレシピ』

なぜこの味噌汁を飲むと、涙が止まらないのだろう。 母が死んだ。 連絡を受けた時にはすでに末期の大腸ガンとのことだった。 毎年健康診断は受けていたはずなのに、なぜ…

短編小説  『金色の稲穂と彼女のふくらはぎ』

私は全力で走っている。視界の隅を黄金色の稲穂がざあざあと音を鳴らしながら揺れている。稲穂をなぎ倒していく風が鮮やかな陰影を作り、左から右へと流れていく。その陰影…

短編小説 『負け知らずの男』

僕はジャンケンで負けたことがない。 文字通り、人生で一度も。 ジャンケンに必ず勝つ、という異様さをいよいよ自覚し始めたのは中学生の頃だった。あんまりにも強いので…

『ナイスボール!』と叫ぶ声

ひょんなことから始まる会話がある。 それは夕暮れどき、電車の中でのこと。 出先からの帰り道。遊び疲れた僕と奥さんと息子は、3人がけの席に座っていた。 向かいの席辺…

短編小説 『僕らの銀河鉄道の夜』

『天の川銀河系 Z4016号特急列車にご乗車の皆様にご案内申し上げます。本列車は間もなく、次の駅に停車致します...』 *** 昔友達の部屋で見かけた、ある物が僕の心…

【新年のご挨拶】その瞳にはぬらぬらと、お前になら分かるだろうという挑むような怪しい光が映って。

皆さんあけましておめでとうございます。考え之介です。 旧年中はnoteという場所を通じて様々な方と繋がることができて、本当に幸せな一年でした。世の中にはこんなに素敵…