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”落ち着く”ということを”教える”ということ

こんにちは。新学期が始まって、なかなか落ち着かない日々が続いているのではないでしょうか。Mr.チキンも「冬休み中にやっておけばよかった!」という業務に追われています。落ち着きませんね。そうなると子どもたちも落ち着かなくなる・・・
でも、「落ち着いて!気持ち切り替えて!」と言葉で言えば言うほど落ち着かなくなる子どもたち・・・今日はそんな子どもたちへの「落ち着く」の教え方についてお話します。

なぜ子どもたちは落ち着かないのか・・・それは「落ち着く」という状態が分からないからかも?

Mr.チキン先生!あのクラスが荒れているから、見てみてくれない?」と、特別支援教育コーディネーターとして、校長から相談を受けます。そして、現場に行ってみると大変な有様。廊下側の子が椅子の上に立っています。それを周りの子が囃し立てています。もちろん学習に集中したい子もいますが、集中なんてできません。担任の先生は必死です。「落ち着きなさい。静かにしなさい。」と段々と声が大きくなっていきます。担任の先生の声が大きくなればなるほど、子どもたちの声も大きくなっていきます
とまぁ、ここまでひどくなるようだったら、それは担任の先生のせいではなく、特別支援教育コーディネーターをはじめとした周りの責任が大きいと思います。
では、子どもたちはなぜ、「落ち着きなさい!」と言われても落ち着けないのでしょうか。それは、「落ち着く」という状態が分からないというのが一因かもしれません

落ち着くって何?

そもそも、落ち着くって何でしょうか?
実は、「落ち着く」という言葉は、とても抽象的な感覚の言葉です。
だから、子どもたちに「落ち着いて!」と言っても、すぐにピンとは来ない子もいるのです。
こういう時は、「落ち着く」という言葉を分析すると、子どもたちに伝わりやすい形にすることができます。
それでは、”落ち着く”時に脳や体の中ではどのようなことが起きているのでしょうか?
インターネットで「落ち着くとは」で調べると、以下の言葉が出てきます。

この腹式呼吸を繰り返し行うと、脳にセロトニンという物質が分泌されα波が出ます。それによって精神が安定し、神経を集中させられます。

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普段から怒ったりイライラしたりしていると、交感神経が興奮し、筋肉が緊張してこり固まりがちになります。

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つまり、落ち着くということは

  • 深い呼吸をしている

  • セロトニンが分泌されている

  • 副交感神経が優位になっている

  • 筋緊張が弛緩している

という状態を言います。
だからと言って、落ち着かない子どもに「はい、深い呼吸をして、セロトニンを分泌させて、副交感神経を優位にして、ついでに筋緊張を弛緩させて!」と注意しても、「あ?何言ってんだ!」と火に油を注ぐ結果になるでしょう。

”落ち着く”を疑似体験してみよう

言ってダメならやってみせましょう。
「筋弛緩法」という手法です。

上の記事に詳細が載っていますが、
Mr.チキンが通常学級で授業をする際には、必ずやっていることです。
「落ち着くってこういうことだよ。」という言葉を添えて
この動作をすると、肩の力を抜くと同時に、大きく息を吐くことができます。
通常の深呼吸よりも良いのは、「息を吐く」ということに注目できる点です。息をたくさん吐くことにより、息をたくさん吸うことができるのです。

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すると、特に落ち着かないと言われている子たちが「あ~、落ち着くわ~。」と言って楽しそうにしていることに気付きます。しめしめですね。「そう。これが落ち着くっていう状態だよ。覚えておいてね。」と伝えます。

まとめ

今日は”落ち着く”状態の教え方についてお話しました。
ところで、皆さんはどんな時に落ち着きますか?
コーヒータイム?音楽を聞いている時?本を読んでいる時?家族といる時?
そう。落ち着くって、落ち着くためのキーアクションがあることが多いのです。「筋弛緩法」はそんな落ち着くためのキーアクションにしやすい動作です。興奮している状態の子どもに、「落ち着いて、力抜いて」は伝わらないですが、「よし、一緒に落ち着いてみよう。肩にグーッと力入れてみて!」は通じることが多いです。
子どもたちが落ち着いた状態の時に、子どもたちと楽しみながらキーアクションを作れると良いですね
では、またね~

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