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好きな記事、好きな小説、好きな文体

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個人的に好きな記事や小説や文体。個人的に注目している書き手、活動。
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2021年3月の記事一覧

田舎の不思議なパン屋で働いてみた

田舎の不思議なパン屋で働いてみた

2月に鳥取県智頭町にあるタルマーリーというパン屋さんで1ヶ月間インターン生として働きました。

タルマーリーは知る人ぞ知る有名なパン屋です。お店があるのは那岐という智頭の中でもかなり田舎の方。わざわざ足を運んでこないといけないのに、特に土日の昼間はコロナ禍にも関わらずお客さんが次々と来店し、パンを買い、カフェでゆっくり過ごしていく。

おそらくお客さん、そしてファンが多い理由はタルマーリーのオーナ

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私の10年を肯定してくれた一皿のこと

私の10年を肯定してくれた一皿のこと

つい先日。私はとうとう、人生初・ミシュランデビューを果たした。個人的な節目として、意を決して予約したのだ。

お店は新潟県村上市の「割烹 新多久」さん。予約してからの3か月間、それはもうそわそわしっぱなし。

「30歳までに恵比寿の某ミシュラン店にデートで行けたらイイ女」という定説(?)とはかけ離れているけれど、私には理想のミシュラン・デビュー様式があった。

自分の稼いだお金で、ひとりで、カウン

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なにかにつけてタイミングが遅くなってしまう

今回の相談者の方は「やることなすことが周回遅れ」と感じているみたいなのです。

たとえば、高校生になった時に将来を考えてアルバイトや夢を見つけたり、大学生になったら遊び8割、勉強2割みたいに効率良く頑張れる人達がいる。場合によっては、その時期に海外にまで飛び出してしまう人すらいる。そして、就活の時期が来れば、どこで勉強したのかどんどんESを書いて面接に行ったり。社会人になったら仕事で忙しいはずなの

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靴は自分で手に入れる!NEOシンデレラストーリーのお話👠

靴は自分で手に入れる!NEOシンデレラストーリーのお話👠

こんにちは、自問自答ファッション通信です。

シンデレラ物語では王子様が靴を拾ってくれましたが、そんな偶発性の高いイベントはなかなか起こらないものですね(独り言)現実では片方の靴が落ちていてもなかなか拾ってくれませんし、自分自身も落とされた靴を頼りに運命の人を探したこともないのが現状です。

むしろ今は探されるよりも「大好きな靴を履いて、こちらが舞踏会を開催する側になってやるぞ〜〜🏰」くらいの楽

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「初めての人生の歩き方――毎晩きみにラブレターを」第420話:今夜は春巻き。

「初めての人生の歩き方――毎晩きみにラブレターを」第420話:今夜は春巻き。

初めまして。小説家と詩人とシンガーソングライターを目指して日々色んなことにチャレンジしている有原悠二と申します。
詳しい自己紹介はこちらから⇒https://html.co.jp/yuji_arihara

〇日記 家に帰ると、春巻きが待っていた。しかも、生春巻きではなく、油でカラッと揚げた中華系の春巻きだった。私は春巻きが大好きなのだ。だから、家に帰って、しかも仕事をして、更に大量のお肉をメガド

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鳥取の患者

患者の顔と名前を覚えない。もともと記憶力が悪いせいもあるが(笑)、あえて覚えないようにしているところもある。
精神科を標榜している。患者は胸張って通院しているわけではない。回復して社会復帰するまでの、"世を忍ぶ仮の姿"である。
町を歩いていると、ときどきばったり患者と出くわすことがある。あまり露骨に目が合えば、さすがに無視はできない。軽く会釈を交わしてすれ違う。でもたいていの場合、気付かないふりを

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