Studio Q.V.

バイアスブレイクを信条とした企画者。拾ったものはなんでも理論にする野良マーケター。一般…

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バイアスブレイクを信条とした企画者。拾ったものはなんでも理論にする野良マーケター。一般的な理論に独自の見解や18年の企画経験を織り交ぜて、マーケティングや自己啓発について語ります。

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固定された記事

マーケティングが使えない

マーケティング的なことを書こうと思って始めたのに一週間遠回りしました。ようやく本題に入ります。 マーケティングが必要、マーケティングが足りない、マーケティング、…

Studio Q.V.
2年前
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シェアを追うべきではない理由

世の中に争いの種が尽きないように、市場において競争の種は尽きません。 独自性の高い製品で市場を席巻しても、模倣品や代替品や顧客の関心の薄れにより他の何かに取って…

Studio Q.V.
1日前
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PDCAは回らない

計画、実行、見直し、反映、これら一連の流れを繰り返すことで物事は改善されていくと言われています。 PDCAサイクルを回す、と言われるものです。 さて、この有名なPDCA…

Studio Q.V.
1日前
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フラクタルなPDCA

フラクタル構造という概念があります。 自己相似性とも呼ばれ、一部を拡大したものと全体がよく似た形をしているものを言います。 カリフラワーの一種であるロマネスコをご…

Studio Q.V.
3日前

雛型に溺れる

商品企画を整理するには商品企画書というものを作ります。 業界の違い、企業の違いで形も目的も様々です。 投資や収益を重視するものもあれば情緒的なストーリーを重視する…

Studio Q.V.
4日前
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上司の姿勢

監督職•管理職になりたくないという声は昔から多くあります。 忙しそう、責任が重そう、その割に給料の差がない、そんなイメージで語られています。 監督職•管理職になり…

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5日前
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キャッチボールできる企画書

商品企画の狙いを伝える資料が商品企画書です。 書式や内容は業界ごと、企業ごとに異なりますが、求められる構成要素は変わりません。 市場•顧客のこと、競合のこと、自社…

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5日前
1

静的回復と動的回復

ああ、今週は忙しかった。 週末はゆっくり休んで体を休めよう。 そんな感じで土曜日が始まり、ダラダラと過ごしている間に日曜夜のサザエさん時間を迎えて暗い気持ちになっ…

Studio Q.V.
6日前
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1文字違いの間違い商品企画

正しい商品企画とは何かを語るのは正義とは何かを語るのと同じように不毛です。 未来を見据えて筋が通った商品企画でも売れなければ正しいとは言えませんし、業績を好転さ…

Studio Q.V.
7日前
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商品企画の支えは野望と打算

商品企画って新しいことを考えるから楽しそう。 目をキラキラさせながらそう言ってくれる学生がいる一方で、その大変さに打ちのめされている商品企画経験者がいます。 斬新…

Studio Q.V.
8日前
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顕微鏡の使い方とアクション

顕微鏡の使い方を習ったのは中学生のことでしょうか。 スライドガラスに観察対象を載せ、カバーガラスを被せてプレパラートを用意して、顕微鏡がプレパラートに1番近付いた…

Studio Q.V.
10日前
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商品企画に貴賎なし

商品企画という職種は様々な業界にあります。 自動車業界、食品業界、家電業界と言ったメーカーだけでなく、商社や小売業の中にも存在します。 担うプロセスもまちまちで、…

Studio Q.V.
10日前
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事業戦略と商品戦略

事業戦略と商品戦略の違いはなんでしょう。 事業と商品とで言葉の意味が大きく違うのですから、まったく別物という答えも正解ですが、案外誤る場面があるので整理をしてみ…

Studio Q.V.
12日前

方針、戦略、キャッチコピー

方針と戦略の違いは何でしょう。 経営方針、事業方針という言葉はありますが、商品方針とは言いません。 経営戦略、事業戦略、商品戦略は全て一般的に使われます。 経営か…

Studio Q.V.
13日前
1

部下の救いの求め方

仕事にトラブルはつきものです。 トラブルのない仕事などないと言い切っても異を唱えるひとはいないでしょう。 トラブルがあるから、悩み、迷い、困ることがあるからそれ…

Studio Q.V.
13日前
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単純な言葉の複雑なニーズ

商品企画は机の上で考えるより、ユーザーに直接聞いた方が良いなどと言われます。 顧客は顧客自身のニーズを理解しておらず、例えばPHS全盛の時代にどんな携帯電話が欲しい…

Studio Q.V.
2週間前
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マーケティングが使えない

マーケティングが使えない

マーケティング的なことを書こうと思って始めたのに一週間遠回りしました。ようやく本題に入ります。

マーケティングが必要、マーケティングが足りない、マーケティング、マーケティング、マーケティング…重要性が声高に叫ばれている一方で、うまく使えていないという会社が多いのではないでしょうか。

私の経験した2社の中小企業はそうでした。

マーケティングは販売施策、マーケティングは広告宣伝、マーケティングは

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シェアを追うべきではない理由

シェアを追うべきではない理由

世の中に争いの種が尽きないように、市場において競争の種は尽きません。
独自性の高い製品で市場を席巻しても、模倣品や代替品や顧客の関心の薄れにより他の何かに取って代わられていきます。
競争というと辛く苦しく見えますが、新陳代謝というとやむを得ないものに思えてきます。
競争環境に晒されていると、自社の実情だけでは満足できず、必ず競合との比較をしたくなります。
売れてるのはどっち?人気なのはどっち?

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PDCAは回らない

PDCAは回らない

計画、実行、見直し、反映、これら一連の流れを繰り返すことで物事は改善されていくと言われています。
PDCAサイクルを回す、と言われるものです。

さて、この有名なPDCAサイクルですが、不思議に思ったことはありませんか?
よく考えるとサイクルが繋がらないのです。
計画し、実行し、見直した結果を反映するのは自然な流れですが、見直した結果を反映したことに対する評価がないまま次の計画に進むというのはおか

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フラクタルなPDCA

フラクタルなPDCA

フラクタル構造という概念があります。
自己相似性とも呼ばれ、一部を拡大したものと全体がよく似た形をしているものを言います。
カリフラワーの一種であるロマネスコをご存知の方は想像しやすいかもしれません。
沢山の円錐形が集合したロマネスコの一つの円錐形を拡大してみると、その円錐形も多くの小さな円錐形で構成されていることが分かるはずです。
拡大して細部に目を向けても、各部分ごとで全体と同じ構造をしている

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雛型に溺れる

雛型に溺れる

商品企画を整理するには商品企画書というものを作ります。
業界の違い、企業の違いで形も目的も様々です。
投資や収益を重視するものもあれば情緒的なストーリーを重視するものもあります。
社内的な合意を目的としたものもあれば対外的に発信する為のものもあります。
自社の特性に合わせることで効率的かつ効果的なものになりますので、各社それぞれの商品企画書の雛型を持っています。

雛型がある、定型があるというのは

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上司の姿勢

上司の姿勢

監督職•管理職になりたくないという声は昔から多くあります。
忙しそう、責任が重そう、その割に給料の差がない、そんなイメージで語られています。
監督職•管理職になりたいという人は少ないものの誰かがなることで組織は回っています。
それは生贄のようなものなのでしょうか。

上司であること、監督職•管理職であることは周りの面倒を見る為の人柱ではありません。
今まで行ってきた仕事をより高い次元、長いスパンで

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キャッチボールできる企画書

キャッチボールできる企画書

商品企画の狙いを伝える資料が商品企画書です。
書式や内容は業界ごと、企業ごとに異なりますが、求められる構成要素は変わりません。
市場•顧客のこと、競合のこと、自社のこと。
様々なフレームワークがあるものの、大雑把に言えば3Cが含まれることでしょう。

商品企画書は大枠の方針に基づいて各担当者が作成し、上職者の確認•合意を得て進みます。
過不足があれば内容をブラッシュアップして仕上げて行きますが、中

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静的回復と動的回復

静的回復と動的回復

ああ、今週は忙しかった。
週末はゆっくり休んで体を休めよう。
そんな感じで土曜日が始まり、ダラダラと過ごしている間に日曜夜のサザエさん時間を迎えて暗い気持ちになったりしていませんか?
人の休息には2種類あるので、時には違う選択肢を取るのはどうでしょうか。

ロールプレイングゲームで考えてみましょう。
体力を回復する手段はいくつかあります。
旅の途中で傷を癒しながら進むには回復呪文を使います。
体力

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1文字違いの間違い商品企画

1文字違いの間違い商品企画

正しい商品企画とは何かを語るのは正義とは何かを語るのと同じように不毛です。
未来を見据えて筋が通った商品企画でも売れなければ正しいとは言えませんし、業績を好転させるほどの売り上げを稼いだからと言って、元がありきたりの言葉を並べただけの商品企画ではとても正しいとは思えません。
何が正しいかを論ずるのに1番近い道筋は何が正しくないかを明確にして、正しさの共通認識を浮かび上がらせることです。

では明ら

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商品企画の支えは野望と打算

商品企画の支えは野望と打算

商品企画って新しいことを考えるから楽しそう。
目をキラキラさせながらそう言ってくれる学生がいる一方で、その大変さに打ちのめされている商品企画経験者がいます。
斬新なアイデアを生み出すことよりも、部署間の調整を求められ、やりたいわけでもない案件に心を砕き、一企業という狭い範囲に特化した人材になってしまう…そんな経験で濁った瞳になる人もいます。
一昔前は商品企画は転職しにくい職種と言われていました。

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顕微鏡の使い方とアクション

顕微鏡の使い方とアクション

顕微鏡の使い方を習ったのは中学生のことでしょうか。
スライドガラスに観察対象を載せ、カバーガラスを被せてプレパラートを用意して、顕微鏡がプレパラートに1番近付いた状態から徐々に離してピントを合わせました。
カバーガラスは非常に薄く、取り扱いを誤ると簡単に割れてしまいました。
パキパキと心地よい手応えのため、わざと割る生徒もいれば、顕微鏡の操作を誤ってレンズが接近しすぎて割ってしまうこともありました

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商品企画に貴賎なし

商品企画に貴賎なし

商品企画という職種は様々な業界にあります。
自動車業界、食品業界、家電業界と言ったメーカーだけでなく、商社や小売業の中にも存在します。
担うプロセスもまちまちで、世の中にない新しいカテゴリーを創出しようという取り組みから、既にあるものを買い付けるものまで幅広く存在します。

商品企画という言葉に若干でも憧れのような気持ちを抱いていると、0から1を生み出すプロセスを求め、既にあるものをどうにかする商

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事業戦略と商品戦略

事業戦略と商品戦略

事業戦略と商品戦略の違いはなんでしょう。
事業と商品とで言葉の意味が大きく違うのですから、まったく別物という答えも正解ですが、案外誤る場面があるので整理をしてみましょう。

事業とは主に営利の為の組織運営であり、商品とは利益を得る為に交換される物財です。
全く別物と結論づけても良いのですが、関連性を与えないと落ち着けないし納得し辛いものがあります。

商品企画者としてはまず商品から考えていきましょ

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方針、戦略、キャッチコピー

方針、戦略、キャッチコピー

方針と戦略の違いは何でしょう。
経営方針、事業方針という言葉はありますが、商品方針とは言いません。
経営戦略、事業戦略、商品戦略は全て一般的に使われます。
経営から事業へ、事業から商品へ向かう流れは活動の具体化です。
商品方針という言葉が使われないということは、方針の方がやや解像度が粗いということなのでしょう。

方針とは文字通り向かう先を示す為のものです。
どの方向を目指すかを明確に示すことで、

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部下の救いの求め方

部下の救いの求め方

仕事にトラブルはつきものです。
トラブルのない仕事などないと言い切っても異を唱えるひとはいないでしょう。

トラブルがあるから、悩み、迷い、困ることがあるからそれを解決するために上司は存在します。
上司に救いを求めるのも部下の仕事の重要な役割で、解決できないまま抱え込んでいるリスクは計り知れません。

一方で、救いを求めるものには求めるなりの作法のようなものがあります。
「どうしたらいいでしょうか

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単純な言葉の複雑なニーズ

単純な言葉の複雑なニーズ

商品企画は机の上で考えるより、ユーザーに直接聞いた方が良いなどと言われます。
顧客は顧客自身のニーズを理解しておらず、例えばPHS全盛の時代にどんな携帯電話が欲しいか聞いたところで、昨今のスマートフォンのような機能を上げる人はいないだろうと言われています。
顧客が自分のニーズに気付いていないことがある一方で、聞き手が顧客のニーズを理解しきれないこともあります。

Q:どんな炊飯器なら買う気になりま

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