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1文字違いの間違い商品企画

正しい商品企画とは何かを語るのは正義とは何かを語るのと同じように不毛です。
未来を見据えて筋が通った商品企画でも売れなければ正しいとは言えませんし、業績を好転させるほどの売り上げを稼いだからと言って、元がありきたりの言葉を並べただけの商品企画ではとても正しいとは思えません。
何が正しいかを論ずるのに1番近い道筋は何が正しくないかを明確にして、正しさの共通認識を浮かび上がらせることです。

では明らかに誤っている商品企画とはどんなものでしょう。
それは自社しか見ていない商品企画、言うなれば承認企画です。
「ひ」と「に」の一文字しか違いがありませんが意味合いはまるで違います。
提供する価値を最大化してビジネスとして成立させる為のあらゆる取り組みを包括する商品企画に対して、社内の都合、しかも前に進める為のプロセスを円滑にすることだけを意識した取り組みが承認企画です。

上司が気にするのは誤字脱字だから気をつけよう、営業は販売数量が過剰だと感じると反発するから控えめに、役員は投資の総額を気にするから…
そんな配慮は1mmも顧客を向いていません。
どの配慮も商品を形作るものではなく、承認を円滑にする為のものです。
それは小手先のテクニックに過ぎません。

売上が苦戦すると投資に対しての判断が厳しくなり、商品企画の承認ハードルが高まります。
ハードルが高まるとどうすれば承認されるかばかり考える姿勢が強まり、本来の商品企画とは異なる努力が増えます。
結果として商品の魅力は高まらず売上が苦戦する…そんな負のサイクルに陥ってしまうのです。

承認は社内プロセスの為。
では商品は誰の為にあるのでしょう。
見失わないでいたいものですね。

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