Studio Q.V.

バイアスブレイクを信条とした企画者。拾ったものはなんでも理論にする野良マーケター。一般…

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バイアスブレイクを信条とした企画者。拾ったものはなんでも理論にする野良マーケター。一般的な理論に独自の見解や18年の企画経験を織り交ぜて、マーケティングや自己啓発について語ります。

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マーケティングが使えない

マーケティング的なことを書こうと思って始めたのに一週間遠回りしました。ようやく本題に入ります。 マーケティングが必要、マーケティングが足りない、マーケティング、マーケティング、マーケティング…重要性が声高に叫ばれている一方で、うまく使えていないという会社が多いのではないでしょうか。 私の経験した2社の中小企業はそうでした。 マーケティングは販売施策、マーケティングは広告宣伝、マーケティングは消費者調査…言葉の表面的なイメージや部分的な聞きかじりで判断して、都合の良い言葉

    • 美味しくなって新登場

      食品売り場でよく見かける言葉に、美味しくなって新登場や、美味しくリニューアルというものがあります。 信用している人は余り多くないとは思いますが、その美味しさは買い手の感覚ではなく売り手の主観です。 そしてリニューアルを宣言するということはランニングチェンジで静かに変えられるほど些細なものではないことを表しています。 どう表現するかはコピーの腕前次第ですが、プラスの表現の裏には別の意味が隠れています。 サクサク感UPは粉の量を減らしつつ膨らませただけかもしれませんし、特定の具

      • インテリアにマッチ…

        商品の魅力を伝えるキャッチコピーは様々ありますが、使うことで商品企画の敗北を宣言するようなものがあります。 魅力を伝える為には他の競合製品と比べてより良い印象を与えなければなりませんので、誰もが言ってることを同じように伝えても意味がありません。 当たり前のこと、横並びのことを言うのは何の加点にもなりませんが、それでは敗北というほどマイナスにはなりません。 横並びどころか、表現することがある種のみっともなさに繋がるのが敗北表現です。 最も定番と言える敗北表現は「どんなインテリ

        • 好奇心が企画を育てる

          商品企画への適性とは何でしょう。 センスや才能といった無いものねだりではなく、マーケティング検定や経営学と言った資格や学問でもなく、何があれば向いていると言えるのでしょう。 学問を納めていたり資格を有したりしていれば考える為の手がかりを多く持っているから有利です。 関連する製品や市場についての知識が多ければ新しく調べることが少ないので有利です。 ただそれらは有利なだけで適性があるというわけではありません。 商品企画の適性、それは好奇心です。 知識の有無や情報の有無は好奇心の

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        マーケティングが使えない

          商品企画書はテキストで

          商品企画の仕事のアウトプットは商品の発売ですが、商品の発売には多くの部署が関わってきます。 商品企画の独自のアウトプットはというと商品企画書です。 商品企画書の形式は企業ごとに様々ですが、多くの方が想像するのは写真やグラフが並ぶ分かりやすくて華やかな資料でしょう。 今回はその華やかな資料作成の功罪について話したいと思います。 商品企画の仕事で重要なのは何でしょうか。 それは顧客のニーズを満たし、業績向上に貢献する製品の仕様を決めて商品としてマーケティングミックスに仕立て上げ

          商品企画書はテキストで

          ピンからキリまで商品企画

          ピンからキリまで、略してピンキリ、同義語は玉石混淆。 一度は口にした言葉かもしれませんが、どちらが上位なのかを明確に理解している人は少なそうです。 一番や唯一を表すピンと、最後や末端を表すキリと言われています。 商品企画にもピンからキリまであるという話です。 商品企画のピンキリには色々な観点があります。 金額の大小、市場規模の大小、社内での重要度の大小、アイデアを反映できる範囲の大小… 今回は商品企画の要でもあるアイデアを反映できる範囲の大小についてお話しします。 商品企

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          ビジネスの転換期と生存戦略

          ビジネスは生き物のように変化します。 どんなビジネスも生まれたての導入期から成長期、成熟期を経て衰退期に入っていきます。 衰退期から消滅するまでの時間は環境次第ですが、代替品の登場によって急速に衰退するものもあります。 街中を少し歩いただけでも衰退期にあるビジネスを目にすることができます。 個人店の肉屋や魚屋は美味しい、質が良いと愛されながらもスーパーに売り上げを奪われていきます。 毎週のように漫画雑誌を買いに走った書店も徐々に新刊の入りが悪くなります。 ワクワクしながら店

          ビジネスの転換期と生存戦略

          光陰犬の如く

          時間とは犬の如きものです。 逃げる限りどこまでも追ってきます。 〆切からは逃れられません。 しかし追えば逃げていきます。 〆切が逃げるとはどういうことでしょう? それは〆切の先、更にその先を意識できるようになるということです。 目の前の〆切ではなく、より大きな目的を意識できるようになるということです。 追う側でありたいものですね。

          光陰犬の如く

          回る以外に急ぐ道なし

          もののふの 矢橋の船は 速けれど   急がば回れ 瀬田の長橋 急がば回れと申します。 急ぐ時ほど安全を見て確実な手段を取る方が、リスクを負った短縮を求めるより結果的に早くできる、そう言われています。 実は急ぐ時もそうでない時も常に回る意識が必要なのではないかという話です。 例えば移動の話。 最短距離で最短時間が選べるかというとそうではありません。 道路沿いに移動しなければなりませんし、交通機関を使うには回り道する必要も出てきます。 回らずに移動することの方が難しいでしょう

          回る以外に急ぐ道なし

          大きくゆっくり、小さく鋭く

          合気道の技は円の動きと表現されます。 主観の中では直線ですが、膝や腰の回転が加わる為、外からは円に見えます。 同じスピードで一回転するとしても、中心に近いほど移動距離が短く、離れるほど移動距離が長くなるので、中心から離れるほど速くなります。 逆に半径が小さいほど容易に素早く動かすことができます。 技をかける時の意識は大きく二つあります。 大きな円を描いてゆっくりとかける場合と、小さな円を描いて鋭くかける場合です。 大きな円は模範演武のように見えますし、小さな円は技を効かせる

          大きくゆっくり、小さく鋭く

          柔軟性のリスク

          何か問題があった時の感じ方は人によって様々ですが、大きく分けて三つになります。 一つ目はその問題の原因を誰か外に求める場合。 本当に外部に原因がある場合もありますが、自省を忘れて他責になってしまうリスクもあります。 二つ目は問題の原因を自分の中に見出す場合。 外部に真因があったとしても、自分がこうしていればと自省し過ぎて、時には無関係な問題まで抱え込んでしまうリスクもあります。 三つ目は起きた問題を仕方ないこととしてありのままを受け止める場合。 柔軟性がある為、物事を客

          柔軟性のリスク

          シェアを追うべきではない理由

          世の中に争いの種が尽きないように、市場において競争の種は尽きません。 独自性の高い製品で市場を席巻しても、模倣品や代替品や顧客の関心の薄れにより他の何かに取って代わられていきます。 競争というと辛く苦しく見えますが、新陳代謝というとやむを得ないものに思えてきます。 競争環境に晒されていると、自社の実情だけでは満足できず、必ず競合との比較をしたくなります。 売れてるのはどっち?人気なのはどっち? 定量的な比較をするのに使用されるのがシェアです。 市場全体を100とした時の自社の

          シェアを追うべきではない理由

          PDCAは回らない

          計画、実行、見直し、反映、これら一連の流れを繰り返すことで物事は改善されていくと言われています。 PDCAサイクルを回す、と言われるものです。 さて、この有名なPDCAサイクルですが、不思議に思ったことはありませんか? よく考えるとサイクルが繋がらないのです。 計画し、実行し、見直した結果を反映するのは自然な流れですが、見直した結果を反映したことに対する評価がないまま次の計画に進むというのはおかしくないでしょうか。 AからPの繋がりに違和感がある、つまり繋がっていないのです

          PDCAは回らない

          フラクタルなPDCA

          フラクタル構造という概念があります。 自己相似性とも呼ばれ、一部を拡大したものと全体がよく似た形をしているものを言います。 カリフラワーの一種であるロマネスコをご存知の方は想像しやすいかもしれません。 沢山の円錐形が集合したロマネスコの一つの円錐形を拡大してみると、その円錐形も多くの小さな円錐形で構成されていることが分かるはずです。 拡大して細部に目を向けても、各部分ごとで全体と同じ構造をしているのです。 話は変わって商品企画です。 商品企画はアイデアの閃きだけに頼っている

          フラクタルなPDCA

          雛型に溺れる

          商品企画を整理するには商品企画書というものを作ります。 業界の違い、企業の違いで形も目的も様々です。 投資や収益を重視するものもあれば情緒的なストーリーを重視するものもあります。 社内的な合意を目的としたものもあれば対外的に発信する為のものもあります。 自社の特性に合わせることで効率的かつ効果的なものになりますので、各社それぞれの商品企画書の雛型を持っています。 雛型がある、定型があるというのは作業者にとっては安心です。 全体のボリューム感が想定でき、完成までの時間も読める

          雛型に溺れる

          上司の姿勢

          監督職•管理職になりたくないという声は昔から多くあります。 忙しそう、責任が重そう、その割に給料の差がない、そんなイメージで語られています。 監督職•管理職になりたいという人は少ないものの誰かがなることで組織は回っています。 それは生贄のようなものなのでしょうか。 上司であること、監督職•管理職であることは周りの面倒を見る為の人柱ではありません。 今まで行ってきた仕事をより高い次元、長いスパンで実現する為のレベルアップなのです。 負荷を負うのではなく、権限を得ることなのです

          上司の姿勢