Studio Q.V.

バイアスブレイクを信条とした企画者。拾ったものはなんでも理論にする野良マーケター。一般…

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バイアスブレイクを信条とした企画者。拾ったものはなんでも理論にする野良マーケター。一般的な理論に独自の見解や18年の企画経験を織り交ぜて、マーケティングや自己啓発について語ります。

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マーケティングが使えない

マーケティング的なことを書こうと思って始めたのに一週間遠回りしました。ようやく本題に入ります。 マーケティングが必要、マーケティングが足りない、マーケティング、マーケティング、マーケティング…重要性が声高に叫ばれている一方で、うまく使えていないという会社が多いのではないでしょうか。 私の経験した2社の中小企業はそうでした。 マーケティングは販売施策、マーケティングは広告宣伝、マーケティングは消費者調査…言葉の表面的なイメージや部分的な聞きかじりで判断して、都合の良い言葉

    • 閑話休題

      「それはさておき」と読むことをご存知でしょうか。 普段は商品企画的な話を投稿していますが、たまには「それはさておき」 ビールの作り方を知っていますか? 麦芽を糖化させたモルトエキス、風味付けのホップ、酵母と水が主な材料です。 酵母は糖分を炭酸ガスとアルコールに分解する機能を持ちますので、その機能によってお酒が作られます。 第一段階ではモルトエキスの糖分を分解することでアルコールを生成しますが、第二段階では瓶詰め後に瓶内で炭酸ガスを閉じ込めることで発泡性を得ます。 同じ糖分

      • ソーシャルマーケティングと顧客価値

        マーケティング理論はどんどん進化します。 効率的な製造販売から、競争を勝ち抜く為の手法に変わり、更なる先進性を求めてどんどん人間心理に踏み込んでいきます。 最新とまでは行きませんが、製品が世の中に行き渡って技術的な差別化が乏しくなってきた段階で意識されるようになったのがソーシャルマーケティングです。 顧客価値を別視点からの情緒性に訴え出たもので、エコに始まりSDGsやDEIといった流行りの言葉もこの流れの中にあります。 こういった社会正義を背景にしたような価値訴求に対して、

        • プロセス思考と弓道

          時々合気道の話を投稿しますが、学生時代には弓道もしていました。 その頃の記憶の話です。 弓道は射法八節という八つのプロセスで構成されています。 心技体が伴い、各プロセスを適切に進めていけば自ずと矢は的に当たるという考え方です。 動く禅とも表現されます。 型を重視する弓道ではありますが、学生にとっては競技です。 高い的中率を出すことを目的とした型の解釈も出てきます。 私が出会ったのはそんな的中の為に型を破った人でした。 弓道における足の配置は肩幅よりやや広い程度、弓を構え

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        マーケティングが使えない

          資料と話量

          プレゼンテーションと資料はセットです。 資料だけ見せて沈黙を貫くことはありませんし、何も見せずに一方的に喋ることもありません。 そんなセットで使われる二つですが、情報整理の仕方次第で分かりやすくも分かりにくくもなります。 文字ばかりたくさん書いてあって、どこに目を向けたらいいか分からない資料に出会ったことはないでしょうか。 逆に図でスッキリ整理されているのに意図が掴めないものはないでしょうか。 資料の文字量と喋る言葉の量にはバランスがあります。 資料の文字が少ないのに説明も

          資料と話量

          3Cのピント

          競争関係を見る最小単位が3Cです。 自社と顧客、競合と顧客だけでは競争にはなりませんし、自社と競合だけでは競争の目的が分からなくなります。 競争関係を俯瞰する為にある3Cはそれぞれにピントを合わせる対象だけでなく、その範囲も変わってきます。 自社を意識する時、最も視野が狭くなります。 言葉の通り自分達のことですから内側にしか意識が向かなくなってしまい、自分勝手な考えになります。 競合を意識すると、少し視野が広がります。 自社が競合に対してどんな状態にあるのかを考えるように

          3Cのピント

          迷ったらフルスイング

          たまたま朝起きて点けたニュースで見たセリフです。 大谷翔平選手が言ったのか、甲子園球児が言ったのかと思って調べたら、小泉進次郎議員でした。 頓珍漢な発言で有名な氏ですが、なかなか良いことを言うものです。 これは商品企画にも当てはまる話です。 商品企画に迷いはつきものです。 与えられた方針に対する迷い、自分のアイデアに対する迷い。 どんなに自信満々に見えても、必ずどこかに迷いや迷いの痕跡が隠れています。 迷った時には思い切りやる、とりあえず信じてやってみる、そんな言葉よりも

          迷ったらフルスイング

          いくら稼ぐかで視点は変わる

          商品企画には様々な視点があります。 商品単体の場合と商品をシリーズとして捉えた場合、事業として捉えた場合でも視点が変わってきます。 中でも大きな影響を与えるのが「いくら稼ぐか」です。 1000万円か1200万円かという切り方ではありません。 桁の違いに対する視点の違いです。 例えば身近な人から10〜100円を借りようとしたら奢ってくれる場合もあるかもしれません。 1000円だとそうはいかないでしょう。 1万円借りようとすると確実な返済が求められますし、簡単には貸してくれなく

          いくら稼ぐかで視点は変わる

          絵餅を侮るな

          商品企画につきものなのが「絵に描いた餅」、通称絵餅企画です。 言葉の通り、机上の空論であり実現できるとは到底思えないような粗のある企画です。 絵に描いた餅は食べられないのは当たり前ですが、餅の絵を描くことさえ無意味かというとそうではありません。 ただ餅の絵を描くこと。 美味しそうな餅の絵を描くこと。 餅が出来上がるまでの工程や、素材の性質を理解した上で餅の絵を描くこと。 アウトプットに至るまでの積み重ねが多いほど、出てくるものは現実味を帯びてきます。 商品企画もただの閃きを

          絵餅を侮るな

          顧客の3C

          一般的に知られる3C分析を使うタイミングは、PEST分析や5F分析といった社会や産業を俯瞰した後、SWOTやSTPのような戦略に手をつける前です。 教科書通りの基本ですが、基本には応用が続くものです。 売り手と買い手の3Cの違いを比べることでそれぞれの視点の違いと、価値提案時の注意点をお伝えしましたが、他にも3Cが活きる場面があります。 売り手と買い手にそれぞれの立場での3Cがあるように、エンドユーザー=顧客にも3Cがあります。 自社は必ずしも企業でなければならないわけで

          売り手の3C、買い手の3C

          商品企画という仕事は売り手として魅力的な製品を考案する仕事です。 売り手があるもう一方には買い手があります。 練りに練った最高のマーケティングミックスのつもりでも、買い手に一蹴されてしまうことは商品企画において日常茶飯事です。 買い手の前にいる自社の営業担当に弾かれることでさえあります。 それは製品の仕様が足りないのか、価格が合っていないのかターゲット顧客に響かせるには販路が誤っているのか、販促投資を増やすべきなのか、そんなことを考え始めますが原因は別のところにあります。 売

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          真の知識の習得

          全国各地で地震が発生し、巨大地震のリスクに対する情報が増えてきました。 災害を予言する超能力者の紹介も増え、ある種のブームのような盛り上がりです。 大きな天災や人災の結果、衰退した文明の元で始まる物語は古今東西にあります。 高度に電子化、情報化した現代社会において、電気の喪失や蓄積されたデータの消失は大きな文明の衰退を生み出すことでしょう。 さて、もし今この瞬間に全ての電子機器が機能しなくなったら、あなたはどんな知識を後世に伝えることができるでしょう。 毎日当たり前のように

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          多様性とMECE

          多様性が尊ばれています。 誰も理不尽な差別を受けるべきではないという人道的な観点だけでなく、背景の異なる多様な人材を抱える組織の成長は均質化された組織よりも速いという経済的な理由もあるそうです。 確かに画一化した組織は特定条件下では素早い意思決定と行動ができますが、変化に対する知見が限られてしまいます。 多様化した組織は強い、それを認めてしまうと少人数の組織は大人数の組織に劣るということになってしまいます。 2種類の属性で構成された組織よりも3種類、さらには数百種類の属性が

          多様性とMECE

          トレンド調査は仮説検証

          どんな産業にもトレンドがあります。 好まれる傾向、求められる傾向をなるべく早く捉えて、適切なタイミングで提供することが事業成長に貢献します。 街中で日々変化していく様を観察するのもトレンド調査ですし、関連業界が集合する展示会を見に行くのもトレンド調査です。 こんな新製品がありました、来年のカラーはこの色です、こんなキーワードをよく見かけました。 トレンド調査の成果は様々ですが、次に来そうなものが何かを考えるヒントであることは確かです。 ちょっと行って見てきます、そんな気楽

          トレンド調査は仮説検証

          商品企画、炭火の如く

          情熱やこだわりと言ったエネルギーを炎で表現することがあります。 メラメラと燃え上がる情熱、漫画的な表現をすると瞳の中や背後で燃え上がります。 その描写が表す通り、情熱やこだわりといったものは燦然と輝きながら表出し、時には周囲にカリスマ性を感じさせることさえあります。 一方で商品企画に求められるのはメラメラと燃える炎ではなく、黒い炭火の奥でパチパチと爆ぜる燠火のような力です。 商品企画は外から見るとアイデアを形に変える花形的な役割と思われることがありますが、実際は中間管理職

          商品企画、炭火の如く

          休日のリセット術

          今週もお疲れ様でした。 土日休みの職場の方は今日明日とゆっくり羽を伸ばしてください。 週明けからまた頑張れるように。 そんなありきたりな言葉から始めますが、休日にリセットして休み明けからしっかり動けるかというと、そんなことはありません。 明日から仕事だと嘆きながらサザエさんを見ることになるでしょう。 人の能力には0から1を創出すること、1を10にして定着すること、10を100にも1000にも増やして普及させることがあります。 得手不得手や適性がありますが、世の中を見る限り

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