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シェアを追うべきではない理由

世の中に争いの種が尽きないように、市場において競争の種は尽きません。
独自性の高い製品で市場を席巻しても、模倣品や代替品や顧客の関心の薄れにより他の何かに取って代わられていきます。
競争というと辛く苦しく見えますが、新陳代謝というとやむを得ないものに思えてきます。
競争環境に晒されていると、自社の実情だけでは満足できず、必ず競合との比較をしたくなります。
売れてるのはどっち?人気なのはどっち?
定量的な比較をするのに使用されるのがシェアです。
市場全体を100とした時の自社の構成比は何%なのか、順位は何位なのか、その結果で一喜一憂しながら戦略の見直しをしていきます。

業界内の関係性を表す方法であるシェアですが、これは実態を把握するのに充分ではありません。
一憂する意味はありますが一喜する意味はありませんし、シェアアップを追うことで見誤ることがあります。

シェアを追うべきではない理由は、シェアを上下させる条件にあります。
金額でも数量でも構いませんが、シェアはなぜ上下するのでしょう。
自社の売り上げが伸びたからと言ってシェアが拡大するとは限りません。
自社以上に競合が伸ばせばシェアは下がりますし、自社の伸び以上に新規参入があれば市場全体の拡大によりシェアは下がります。
逆に自社が実績を落としたり変わらなかったりしても、市場が縮小したり競合が撤退すればシェア自体は上がります。
シェアは市場に対する相対的な割合なので、自社の位置付けを知る指標の一つではあっても、目標として設定するには管理できない項目が多く含まれてしまうのです。

追うのであれば実数です。
販売数量を増やすという目標であれば自社の絶対的な数字として追えるのです。
理解しやすい指標と管理すべき指標が異なることを間違えないようにしましょう。


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