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事業戦略と商品戦略

事業戦略と商品戦略の違いはなんでしょう。
事業と商品とで言葉の意味が大きく違うのですから、まったく別物という答えも正解ですが、案外誤る場面があるので整理をしてみましょう。

事業とは主に営利の為の組織運営であり、商品とは利益を得る為に交換される物財です。
全く別物と結論づけても良いのですが、関連性を与えないと落ち着けないし納得し辛いものがあります。

商品企画者としてはまず商品から考えていきましょう。
商品とは物品単体で成り立つものではなく、マーケティング•ミックスで構成されたものです。
そして商品単体ないしは商品群への取組が商品戦略です。
それに対して事業とは商品や商品群全体への取組となります。
事業の領域設定は企業によって異なります。
例えば炊飯器を一つの事業として設定している企業もあれば、炊飯器も含めた家電を事業領域にしている企業もあります。
また、炊飯器だけでなく、白米やチルド米も含めた米飯関連製品を一つの事業として捉える企業もあることでしょう。
一つの製品カテゴリーを事業と捉えているなら商品戦略は個々の商品になりますし、事業に含まれるカテゴリーが広ければ商品戦略も商品群と個別商品とで階層化されていきます。

大雑把に括ると、事業戦略は全体像で商品戦略は個別の話です。
この分け方になんの意味があるかというと、伝える相手に応じてこの階層を変える為です。
同じチームの中で話す分には商品単位で問題ありませんが、経営層と話す時には事業として語らなければなりません。
何かを伝える時には大きな領域から徐々に解像度を上げていくのが基本ですが、その領域の捉え方を誤ると話が通じにくくなる場合があるのです。

事業戦略だけでは具体的な活動が見えない為、下に必ず商品戦略が続きます。
注意が必要なのは逆だともまた真というわけではないことです。
商品個別の戦略はあるけれど事業全体の戦略がないときです。
商品個別が売上を作っていれば全体戦略はいらない、少ない商品数で大きな売上を作っているから全体戦略はいらない、そんな雰囲気だと長続きはしないことでしょう。
何故ならそれは経営視点が抜けてしまうからです。

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