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プロテウスオペレーション(著:JPホーガン)【今回の読書紹介?はたくさんありすぎてどれをタイトルにしたのかわからない】

ナチスドイツが戦争に勝っていたら?

を元ネタにした作品の嚆矢は、
ご存じフィリップKディックの高い塔の男です。
60年代の作品です。
戦勝国である日本とドイツが、アメリカを東西に分断し、
盛んにスパイ戦争をしている日独冷戦時代。
ひとりのアメリカ人男性が妙な事件に巻き込まれます。
その事件に登場する謎の本とは「連合国が戦争に勝った世界」の仮想戦記でした。
その本のリアリティは、あまりにも高すぎた???

SFだったので、日本が海洋進出して南米とかに根拠地を持っているのに対して、ナチスドイツは火星植民をしているとかいう、訳の分からない追加設定がありましたが。

もうこのあたりからして、後続の同系統の作品群と比べても引けを取らないぐらいのインパクトがあります。というか最もとんがっています。

数年前にネットフリックスでドラマ化されてました。
火星植民ネタとかはさすがになくなっていたと思います。

上記の本はもちろんお勧めですが、
以降、このナチスが勝った世界を舞台にした小説
というカテゴリが生まれます。

ファーザーラントは、ナチスが勝った世界で、刑事をやっていたドイツ警察の主人公が、過去の犯罪に行きつく警察小説です。
ナチスでは、刑事警察はSSの下部組織でもあったので、同時にSSの制服を着ることにもなるのですが、主人公はむしろ刑事としての本質に忠実で、体制が行った過去の犯罪に行きついてしまいます。
つまりその世界では誰も知らないはずの例のアレにたどり着いてしまうのですね。

優れた警察小説だと思いますが、その前提もまた業界を驚かせました。
こんな作品が可能なのか?と。

またレン・デイトンのSS‐GBは、ドイツに占領された英国で、スコットランドヤードの刑事が謎の犯罪を追いかける事件です。

こちらでは米ソを相手にまだ第2次大戦が続いている時代です。
要するに史実の占領下フランスの立ち位置にイギリスを置いただけ、とも言えますね。
これもBBCでドラマ化されたようです。

そんな作品の中にSFの大家JPホーガンが、おそらく「高い塔の男」へのオマージュ的な作品としてぶちこんできたのがプロテウスオペレーションです。

プロテウスでは圧倒的に優勢なナチスドイツと、民主主義陣営で唯一生き残ったアメリカが孤高の対立を続けています。
アメリカ陣営には北米とオーストラリアとニュージーランドしか残されておらず、それ以外はすべて枢軸勢力に覆われています。
ケネディ大統領は圧倒的形勢不利を逆転するために時間改変作戦を敢行。
過去に戻り、ナチスが戦争に勝利した事実を書き換える作戦に打って出ます。

しかもなぜこんなことが可能だったか、というと、
どうも、ナチスが勝利した世界線そのものが、とある未来からの干渉によって成立したものだった、らしいということが分かってきたからだという。

私は限りなくピュアだった青春時代前期にこれを読んでしまったため、今回のタイトルはこれにしています。
私は名作だと思います。
がしかしカテゴリ的には、この作品は埋もれてしまっていますね。
このカテゴリでは、ある意味、この程度の良作はありふれており、その中では目立たないのです。おそらくもっとも。

まだあります。
ナチスが勝利した世界、ナチスが冷戦の末に崩壊した世界。

ナチスが世界制覇して、人類という種がエイリアン的なものに変わってしまった世界。

ノーマン・スピンラッドの鉄の夢では、ヒトラーがアメリカでSF小説家になり、その作品の中でナチスが勝利した世界を夢想してしまうという作中内小説が描かれます。
これはディストピアじゃないかと、作中世間では物議をかもしたりするのですが。
(その世界ではソ連がヨーロッパ全土を制圧しています。ナチスは最初から存在しませんでした)
この本はついに読まず仕舞いでした。
どうしても他に読みたかった本があってそっちを優先したんだったかな。
図書館で飛ばし読みくらいで止めちゃったんですよね。ファスト読書だ。

ナチスが勝利した世界。
今となっては、ありふれた設定になってしまいました。
もはやすべて追いかけるのを諦めました。
たくさんありすぎて読破できません。
というのもあるシリーズについては、最初から読むのを諦めたんです。
ファージング三部作とか、ウルフェンシュタインとか。

スタートレックにも、ナチスが勝利した世界の惑星連邦が番外エピソード的に出てきたりします。

日本だと仮想戦記でよくこんな展開になっていますね。
紺碧の艦隊・旭日の艦隊シリーズとか。
レッドサンブラッククロスはついに未完のままとなってしまいましたが。

ここまでカテゴリが広がってくると、これまでとは一風違った独特のアプローチでないと、もはや頭角を見せることはできないでしょう。難しい。
そんな作品が果たして今後は出てくるのでしょうか?

今回は大量の作品を紹介させていただきました。
いずれかに引っかかった方はいらっしゃいますでしょうか?

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