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べん毛⑤ 真核生物の鞭毛
真核生物は鞭毛を波打ち運動(beating)させて水中を泳ぎます.細菌やアーキアのべん毛の回転運動が3次元的な運動であるのとは異なり,真核生物の鞭毛は2次元的な運動を行います.
鞭毛繊維は,リング状に配置された9本の二連微小管(図中の薄い灰色)とリングの中心に配置されたペアな2本の微小管(図中の中心の濃い灰色)が細胞から伸びており,繊維の外側は膜で覆われています.
鞭毛繊維は,その特徴な微小管
べん毛③ 細菌のべん毛
細菌はべん毛をくるくる回転させて水中を泳ぎます.
遊泳速度は数十から数百μm/秒であり,速いものでは1秒間に体の大きさの100倍近く進みます.これはヒトで換算すると時速600 kmにもなり,リニア中央新幹線の速度をも上回ります.
繊維は長さ5‒10 μmで,フラジェリンタンパク質で構成されており, 10,000‒30,000分子を使って1本の繊維を形成しています.
典型的な細菌べん毛は繊維が
べん毛② 3種類のべん毛
地球上の生物は「細菌(バクテリア)」「古細菌(アーキア)」「真核生物(ユーカリア)」の3つに分類されます.
細菌とアーキアのどちらが先に地球上に誕生したのかは解明されておらず,現在は,地球上の全生物の共通祖先として LUCA (Last Universal Common Ancestor) という仮定の生物が置かれています.
また,真核生物は一部のアーキアから進化したことが示唆されています.
べん毛① 生物と動き
ある日,道を歩いていると一匹のバッタをみつけました.私はそのバッタをみてすぐに死んでいると思いました.なぜなら,そのバッタは横向きに倒れていて動かなかったからです.
私たちは普段動いている生き物が動いていないと、死んでいる可能性を考えるようです.
その一方で,電力で動く金属製のロボットや風力で動くプラスチック製のストランドビースト(テオ・ヤンセン氏の作品)は「まるで生き物のようだ」と表現される
窒素固定③ 窒素固定と光合成の両立戦略
多細胞性シアノバクテリアであるAnabaena属やNostoc属では,光合成による酸素発生型有機物合成と,酸素によって不活性化される窒素固定を同一生物内で行っていることが知られています.
この矛盾を克服するために細胞の一部を
ヘテロシスト と呼ばれる窒素固定に特化した細胞に分化させることが報告されています.
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/seibu
窒素固定① 窒素固定って何?
先月,科学誌Scienceに
“Nitrogen-fixing organelle in a marine alga(海洋藻類における窒素固定細胞小器官)”というタイトルの論文が発表され,アカデミアの生物学界隈で話題になりました(https://www.science.org/doi/10.1126/science.adk1075).
なぜ話題になったのかというと,これまでに報告されている窒素