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突然変異④ 塩基の酸化による突然変異


自然に発生する突然変異の二つ目の事例は,
塩基の酸化 です.

塩基の酸化は 活性酸素 によって起こることが知られています.様々な酸化塩基が知られていますが,突然変異に繋がりやすいのはグアニン(G)の酸化とアデニン(A)の酸化です.

グアニン(G)の酸化

グアニン(G)が活性酸素によって酸化されると,8-オキソグアニン(8-oxoG)と呼ばれる化合物に変化します.8-オキソグアニン(8-oxoG)は,
グアニン(G)の本来のペアであるシトシン(C)ではなく,アデニン(A)と結合しやすい性質があるため,結果的にシトシン(C)がアデニン(A)に変化する突然変異が生じます.

アデニン(A)の酸化

アデニン(A)が活性酸素によって酸化されると,2-ヒドロキシアデニン(2-OH-A) と呼ばれる化合物に変化します.2-ヒドロキシアデニン(2-OH-A) は,ある程度の嗜好性はあるもののA,T,G,Cすべての塩基と結合できることが知られており,様々な突然変異を誘発します.

(突然変異⑤に続く)

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