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突然変異② DNAとゲノム
DNAは遺伝子を構成する生体分子で,A (アデニン), T (チミン), G (グアニン), C (シトシン)の4種類の 塩基 と呼ばれる化合物が縦に連結したバイオポリマーであり,さらに2本のバイオポリマーがAはTと,GはCと,というように決まった相手と横の繋がり(塩基対)を形成しており,鉄道のレールのような構造をしています.
ひとつの生物が持つ遺伝子の情報全体を ゲノム 呼び,ゲノムはその役割から「生命の設計図」と称されています.ゲノムを構成する塩基の総数(ゲノムサイズ)は生物によって異なります.
細菌のゲノムサイズは,最小で約11万塩基対 (0.11 Mbp),最大で1,200万塩基対 (12 Mbp)と報告されています.同じ細菌に分類される生物間でも設計図の情報量が最大100倍も異なるということです.
(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10508130/)
(https://www.toyaku.ac.jp/lifescience/departments/applife/knowledge/article-032.html)
ちなみに,ヒトのゲノムサイズは32億塩基対 (3.2 Gbp)と報告されており,細菌と比較すると非常に大きいですが,ヒトの数十倍大きなゲノムサイズをもつ生物も報告されています.(https://www.toyaku.ac.jp/lifescience/departments/applife/knowledge/article-032.html)
細菌は自身のゲノムDNAを丸っとコピー(複製)し,自分の体を切り分けた次世代へと受け渡しますが,全く同じ設計図が受け渡されているとは限りません.設計図は時々,書き換えられしまうことがあります.これが 突然変異 と呼ばれるものです. これは細菌だけではなくあらゆる生物に起こる事象です.
突然変異は完全にランダムに起こるように思われがちですが,実際はランダムではなく突然変異が起きやすいパターンがあります.
(突然変異②に続く)
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