マガジンのカバー画像

水木三甫の心葉♡♧詩集

358
心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを…
運営しているクリエイター

#夢

夢なんか見たくない(詩)

夢なんか見たくない(詩)

朝、私は疲れています。寝たのだから疲れが取れていなければいけないはずなのに、私は眠ったときよりも朝のほうが疲れているのです。

理由はわかっています。
私は毎日、夢の中で戦っているからなのです。相手は会社の上司だったり、部下だったり、あるいは家族だったり、まったく赤の他人のときもあります。

夢の中の戦いに勝っていれば、起きたときも高揚していて疲れを感じないと思います。逆に戦いに負けていれば、死ん

もっとみる
夢に向かって(詩)

夢に向かって(詩)

僕たちはいつも一番高い木を目指して登っていた。そのてっぺんに何があるかもわからなかった時代の風に揺られた枝が折れて土の上に突き刺さった。

自分がわからなくなって頭の中を歩いている連中たちよ、僕たちを向こう見ずの一言で片づけないでくれ。

僕たちには僕たちの夢があり夢に向かう行動それ自体が自信へと変わるのだから。
このままでは未来の首にギロチンが落とされるから、僕たちは夢に向かうのだ。

目覚めの歌(詩)

目覚めの歌(詩)

夢のない世界に僕は眠っている。
生も死もない世界に僕は寛いでいる。
自意識だけが僕の頭の中で蠢いているけれど、僕はそれに気づかない。
何もない無の世界は安らかで、清らかで、淋しくない孤独に満ち満ちている。
これが永遠というものなのか。そう思ったときに、一気に雑音と汚濁と悲しい孤独が体を襲ってきた。
生と死の世界で僕は目覚めた。
でも、夢のない世界は何も変わらなかった。

花火(詩)

花火(詩)

真っ黒な空に
みんなの夢を乗せた球体のロケットが
轟音とともに打ち上げられる
ロケットは宇宙に到達することもなく
みんなの夢と一緒に爆発した
それをみんなが笑顔で見ている
少女はその笑みを不思議に思う
なぜみんなは自分の夢が壊されたのに
あんなに笑顔でいられるのだろう
赤ちゃんが大きな声で泣いていた
父親が母親に向けて
「きっと音が恐かったんだね」と言った

でも少女は知っていた
赤ちゃんは夢をひ

もっとみる
レゴランド(詩)

レゴランド(詩)

この島では
作った夢が壊れたとしても
また違う形の夢を作り直せばいいのさ

僕が生まれた場面(詩)

僕が生まれた場面(詩)

世の中はすべて夢で
夢を見ている僕自身が実は存在していなくて
僕は夢の中の登場人物の一人だとして
それもエキストラの中の一人だとして
どこの誰の夢かもわからないまま
僕は任された場面を演じているだけで
カット の声に夢見ていた誰かが目覚めて
夢の中の僕は無になってしまう

そんな夢から目覚めると
僕はスポットライトを浴びて
この世の中に姿を現した

君を失った日から(詩)

君を失った日から(詩)

君を失った日から僕は夢を見失った
君を失った日から僕は明日を見失った
君を失った日から僕は僕自身を見失った

今の僕を見たら君は僕と別れて良かったと思うだろう
でも君の存在があまりに大きくなってしまっていたことに
僕は最後まで気つかずにいた

それは決して君のせいではなくて
僕のひとりよがりだったのだろう

僕は君との間に隙間が開いていたことに
気づかない振りをしていただけなのだろう

夏も終わり

もっとみる
空中分解(詩)

空中分解(詩)

僕の夢のロケットは空中分解した
何度も発射したけれど、いつも空中分解した
その頃は原因なんて考えずに
やたらとロケットを飛ばし続け
そしていつも空中分解した

今になって思うと
僕はいつも途中で夢をあきらめていた
それが空中分解の原因だった

僕は今、小説家になるという新しいロケットを作っている
このロケットだけは宇宙まで届けたいと思っている

夢の途中(詩)

夢の途中(詩)

子どもの頃に粉々に壊された夢の破片をかき集めて、ひとつずつ丁寧に接着剤で復元する。

地道で根気のいる作業を、もう何年続けているだろう。

夢の原型の記憶は曖昧になり、貼り付けては壊し、壊しては貼り付けるす作業を繰り返す。

賽の河原の石積みのような気の遠くなる作業を、あと何年続ければいいのだろう。

残された時間は限られている。

夢の復元が完成する見込みはまだ立たない。

未練のない人生なんて

もっとみる
夢追い人(詩)

夢追い人(詩)

夢を追い続けるのが愚かだった時代が過ぎ

夢を見ること自体が愚かな時代になった今だからこそ

私は愚かな夢を追いかけたい

僕の風(詩)

僕の風(詩)

僕の風がいなくなった

あの日僕は僕の風と話していた
「君の夢はなんだい?」
風が聞いた
「夢なんて何もないよ」
僕が答えた
「どうして夢をもたないんだい?」
風の質問に僕は答えられなかった
「よし、それならば僕が君の夢を探してきてあげるよ」
風は空の彼方へと消えていった

僕の風がいなくなった
どこまで遠くに行ってしまったんだろう?
僕の夢はそんなに遠くにあるのかな?
僕の風は戻ってこなかった

もっとみる