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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを… もっと読む
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2023年11月の記事一覧

宇宙(詩)

宇宙(詩)

命は錆びゆく鍵穴であり
魂は使い捨ての乾電池である
体は殻を破れないヒナの叫びであり
心は出口のない巨大迷路である
時間は視力を失った太陽であり
空間は伊達メガネのレンズのひびである
地球は嵐の中のタンカーであり
宇宙は行き場のない独裁者である

賽の河原(詩)

賽の河原(詩)

慣れない手つきで君が築こうとしている幸せの塔はいつも途中で崩れてしまう
それでも君は何度も何度も挑戦する
まるで賽の河原で石を積むように

独り(詩)

独り(詩)

早くしないと逃げちゃうよ
今ならすぐにつかまるよ
だから今すぐつかまえて
とにかく僕をつかまえて

埋葬(詩)

埋葬(詩)

道なき道を人間の大群が押し寄せる
後に残されたのは舗装された道路だけ
埋葬された生物たちの死の世界

夜空を見上げる(詩)

夜空を見上げる(詩)

何もない夜空を見上げる
雲も星もない空を見上げる

宇宙の一番奥が見たくて
ただひたすらに空を見上げる

見えるのは藍色だけなんだけど
それでも藍色のその奥を僕は見上げる

宇宙の一番奥の景色を想像しながら
僕は何もない夜空を見上げる

空を飛ぶ男(詩)

空を飛ぶ男(詩)

男は空を飛びたかった
ある日、男はビルの屋上に昇り
両手を羽ばたきながら
空へと飛び跳ねた
男はビルを落ちていき
地面に当たって死んだとさ
だけど
男の魂は空高くへと飛んでった

飛べメロス(詩)

飛べメロス(詩)

メロスは走った
でもメロスは知っていた
城から故郷まで往復していたら
3日後の日没に間に合わないことを
それでも友情と信頼を失わないために
メロスは走った
妹の結婚式が終わってすぐに
メロスは城へ向かって走り出した
今日の日没までに城に戻らなければ
親友の命が奪われるから
最後の体力を振り絞って
メロスは走った
しかし体力は尽き
走ることが出来なくなった
親友が死ぬのならば
自分も死んで責任を取る

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枯れ葉たちの円舞(詩)

枯れ葉たちの円舞(詩)

枯れ葉が鳥になって空を舞う
赤い鳥 黄色い鳥 茶色の鳥 緑の鳥
色とりどりの羽根を風に任せて

枯れ葉たちが空を飛ぶ
風が止むと枯れ葉たちは死に絶え
地上に降りたち墓標を作る

北風よ もっと吹け
そして枯れ葉たちに命を与えろ
枯れ葉の鳥たちの合間から
青い鳥を見つけるまで

雪化粧(詩)

雪化粧(詩)

一夜にして地面は白一色に染まった
雪は空中の雑音を飲み込み
地上に積み重なっていく
白い静寂

汚れた大地を覆い隠しながら
雪は人間の欲望を飲み込み
徐々に高く積み重なっていく
白い純潔

目が覚めたとき
人は白い世界を見て
何を思うのだろうか
白い芸術

やがて積もった雪は人間に穢され
雪は黒く泥まみれになる
雪が溶け
雑音と欲望が目を覚ます
白い幻滅

それでも雪は降り続ける
白い平和を人間た

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カラス(詩)

カラス(詩)

一羽のカラスが鳴いていた
でも誰も返事をしてくれない

カラスは何度も鳴いたけど
やっぱり誰も返事をしてくれない

仕方がないから隣の町へ
カラスは空を飛んでった

も一度カラスは鳴いてみた
今度は返事が返ってきた

カラスはやっと仲間を見つけ
眠りの森へ帰っていった

唇金魚(詩)

唇金魚(詩)

公園のベンチで池を眺めていたら
唇がムズムズ蠢いて
手鏡で見てみたら唇にヒレが生えてきた
驚いて鏡を見ていたら
唇が金魚になって僕の顔から逃げ出した
金魚は池に飛び込んで
楽しそうに泳ぎだした
僕は公園を出て
ペットショップで金魚を2匹
買って顔にくっつけた
金魚はヒレがなくなって
僕の唇は顔に戻った

鉄の花(詩)

鉄の花(詩)

ずっと咲いていたいから
枯れるのが恐かったから
鉄の花を咲かせたの

でも鉄の花は重すぎて
茎があっさり折れちゃった
鉄の花は地面に落ちた

梅雨が来て、雨が降って
鉄の花は錆びついちゃった
これじゃあ枯れたのと一緒だよ

欲望という名の荷物(詩)

欲望という名の荷物(詩)

誰もが欲望という名の荷物を持っている
大きい荷物の人もいれば
小さい荷物の人もいる
前に進むには小さい荷物のほうがいいに決まっている
それなのに人は大きい荷物を持ちたがる
荷物は大きいほどいいと思う
そしていつか
その荷物に潰されて
前に進めなくなる

還暦(詩)

還暦(詩)

60歳 還暦
3度目の成人式
10回目の小学校卒業式
そして60回目の誕生日

60歳 還暦
赤いちゃんちゃんこは古いから
ハロウィンでスパイダーマンの仮装でもしてみようかとも思ったが
恥ずかしくて出来なかった

60歳 還暦
これからは子供に返っていく
子供の心はまだ持っているつもりだが
それでも大人になって失ったモノがある

60歳 還暦
子供返りすることで
失った何かを取り戻せるかもしれない

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