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留学生のこと

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留学生と日本語教師として接した日々を書いた記事を集めました。
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3日に1回、職務質問。

3日に1回、職務質問。

「私、3日に1回は
 警察に職務質問されるよ」

これは内モンゴル出身の
友人ミミちゃん(仮名)が
10年以上前に言っていたことばです。

ミミちゃんとは
日本語教師になるための学校で
知り合いました。

内モンゴル人は
今私が教えている学生は
中国人のような容姿の子が多いですが、

ミミちゃんは
モンゴル人寄りの見た目で、
高い身長に長い手足、
褐色の肌、
ストレートの長い茶髪、
そして目鼻立ち

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教師の多様性。

教師の多様性。

今年の専門学校の2年生は、6クラス。

1年生は、

なんと17クラス😱

しかもひとクラスに42名以上。

どんだけ増えてるの!

3月に大事件がありました。
勤務校の専門学校で
主任の先生がお辞めになったのです。

ひとり辞めたくらいで、と
思うかもしれませんが、
ここは退職者がほとんど出ず
顔ぶれが10年以上変わらない
学校です。

一人ひとりが家族のような
存在なのです。

その中で、

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1月にビザを出すのはやめて欲しいな。

1月にビザを出すのはやめて欲しいな。

茶道体験を
学生にさせていた日のことです。

午後のクラス

「お先に」
「お点前ちょうだい致します」
「けっこうなお点前でした」

おお〜。上手!

先に教えてコーラス練習を
させておいた言い回しを
ちゃんと使って、
お茶を点てたり飲んだりしています。

「おいしいお茶ですね、先生」

中国の子たちは
さすがお茶の本場出身。
味がよく分かるようで
味わって飲んでくれています。

「足、痛いでしょ

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茶道、歌舞伎、伝統唱歌。だって最後だから。

茶道、歌舞伎、伝統唱歌。だって最後だから。

薬の量を増やしています。

授業中にぐわんぐわんと
世界が揺れて、慌てて薬を飲むことも。

本当は嫌な気持ちも
あるんです。

「私、こんなに出来ない!」と
泣きごとを言いながら
やっています。

馬鹿ですね。

だって、
あの子たちに
愛情がない訳じゃ
決してないんです。

最後だから。

最後の1週間。

日本語教師になってからきっと
今までで一番忙しくて
体調も心配な1週間。

ラストスパー

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リスキリング?してないとき、ないわ😆

リスキリング?してないとき、ないわ😆

年末から年度末にかけての私は
自転車操業です😆

つまり、
インプットしたらすぐ
アウトプットです。

簡単に言えば
付け焼き刃です😆

通常ならいいのです。

マーケティングやら
企業経営論やら
通年で担当となった科目を、
一年を通じて
教師自らも学び続け
アンテナをはりつつ教えられます。

だけど、この時期は

「はい、次はこれを
 教えて下さいね〜」

と、突然
よく知らない科目をポン!

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内部進学パニック‼︎

内部進学パニック‼︎

私の勤務校に併設されている
日本語学校では
コロナ禍前は
大卒者しか入学できない、という
超選別主義教師がやりやすい環境
だったのですが、

コロナ禍により
ビジネスのために
そんなことが言っていられなくなり
様々な学生が入学するようになりました。

この日本語学校で私は今年度
2年生は2クラス、教えています。

午前と午後を
1クラスずつ。

午後は中国人メインで
その中に優秀な
スリランカ人2

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上手くまとまらない日常。

上手くまとまらない日常。

2年生のとある教室には
「卒業まであと○日」と書かれた
担任の先生手作りの
日めくりカレンダーが貼ってあります。

今年は私
本当に忙しすぎて
1年があっという間で
昨年度の2年生よりずっと
手をかけられなかった
気がします。

気がついたら、もう2月。

そんな彼らは
先週の金曜日に
最後の校外学習へ行きました。

西武園ゆうえんち。

晴れて良かった。
楽しめたかな。

内定の話もかなり
入っ

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3つの名前

3つの名前

中国人が留学生として
来日した際は、
本人からの特別な希望がない限り
日本語学校の教師が
彼らの名前の漢字を日本語の音に変えて
呼び名を決めます。

10年ほど前の男子留学生には
名前が「飛」という漢字1字の子が
多かったのですが、
日本語の音だと「ヒ」と読むので
「ヒさん」と呼びながら
日本人としては
名前が一音なことに違和感を持ちました。

中国語読みだときっと
かっこいいのでしょうね。

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学校はちゃんと選んでね

学校はちゃんと選んでね

中国の中学、高校では
朝6時半ごろ授業が始まり
午後10時ごろ終わるそうです。

私は何年にもわたって
多くの中国人留学生に
その話を聞いてきました。

学校により
大抵は寮に住むとか、
夜9時から10時までは
教師が見回りながらの
自習の時間だとか、
いろいろのようですが

長時間毎日
勉強を強いられたことに
変わりはないようです。

学生たちの中には

「中学生のときから
 死にたかったよ」

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優秀じゃないから、いいんだ。

優秀じゃないから、いいんだ。

私が勤める専門学校は
学生の評価が高い教師から
翌年度の希望を通していきます。

希望のコマ数や
希望の担当教科などが
評価の結果で決まります。

他校で社会人対象の
プライベートレッスンを
していた時は、
毎回のレッスンごとに
5段階で評価され、
その評価が全て公表されました。

人気商売です。
気が引き締まります。

今年度、
学生による教師評価の時期に
私は休職してしまいました。

担当教師

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言ったって言わなくたって。

言ったって言わなくたって。

私の教え子は外国人なので
はっきりものを言ってきます。

例えば

「先生、その服は似合わない」

「そこに白い髪があります」

「それは男みたいだからやめて」

「今日は顔が疲れてる。
 夜は早く寝ないとダメですよ」

「そのコートだと若く見えません」

これは実際に
私が彼らに言われたことばです。

これを日本人に言うと

「怖いよ」

「はっきり言い過ぎ」

「そんなこと言われたくない」

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冤罪の恐れ注意報

冤罪の恐れ注意報

中国人の名前は性別不詳のため
間違えやすいです。

日本では男の子のような
名前が女の子で
女の子のような名前が
男の子だったりします。

今日、同じクラスを教えている
変わり者の先生が
授業終了後に私に言って来ました。

「あのクラスの施華(仮名)!
 いつも酷いわよね!」

「え?施華さん?
 真面目でいい子ですよ?」

「嘘よ!真面目なんかじゃないわよ!
 プリントも碌に出しやしない!」

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留学生はお年ごろ💕

留学生はお年ごろ💕

ひと口に留学生と言っても
様々な国の学生がいますし、
年齢も10代から50代まで

※私は教えたことが無いですが
 きっと60代以降も。

本当にいろいろですが、

特に多いのは20代です。

みんな、
お年ごろなんですね。

日本語学校の留学生は
来日間もないこともあり
まだ日本語が上手じゃないので、

日本語教師は
日本語のほかに
役所の書類の書き方を教えたり
銀行口座開設の仕方を教えたり

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繋がるための種を蒔きたい

繋がるための種を蒔きたい

「私たちはどんなに頑張っても
 ご家族の代わりになることは出来ません。
 ですからどうか、お暇なときは
 面会に来てください」

これはかつて
特養のサービス提供責任者だった私が
新規入所の方のご家族との契約の際に
必ずお話していたことです。

今ならご家族様が
とても忙しかったと想像できるので
こんなことを申し上げて
正解だったか分かりません。

だけど、
職員が、100%尽力しても
悔しいかな

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