【創作】ヘリオス 第2部 第4話
2月8日。
心がめちゃくちゃに壊されたみたい。辛うじて残った心臓のかけらで生きている。昼も夜も曖昧だ。家元に言われて仕事を休んだ。食事もろくに取らずに、部屋にこもって呆然としている。
お箏の基礎練習だけは執念で続けた。だってこれを無くしたら、私にはもう何も残らない。ベッドにいるラッコが、素知らぬ顔で笑っている。貴方は何か知っていたの。
どうして。どうして何も相談してくれなかったの。話し合えば何か、解決策が見つかるかもしれないと思わなかったの。それとも演奏能力が無くなった