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創作①小説・詩

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素人ながら小説を気が向いたときに書いています。今のところ恋愛小説ばかりです。良かったら読んでみてくださいね!
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記事一覧

【創作】ヘリオス 第1話

血脈というものを、日々考えている。 私の大きな目や顔立ちは父譲りで、背格好は母に似ている…

【創作】ヘリオス 第2話

ヘリオスみたいな、ゆうちゅうばあ。さっぱり想像できない。釣り書きを見てみる。業界最大手の…

【創作】ヘリオス 第3話

もうこんな恥ずかしい思いはしたくないし、早々にさようならしたかったのに、家元が「我が家に…

【創作】ヘリオス 第4話

「失礼します」 聞き覚えのある声の方を見やると、優成くんがお茶を持って入ってきた。青く柔…

【創作】ヘリオス 第5話

それからの1週間は慌しかった。YouTubeをやる了承を家元に頂き、神様からは私と共演する際の契…

【創作】ヘリオス 第6話

優成くんのあまりに赤裸々な言い方に戸惑ってしまい、目を伏せた。 「一応、私も大人だから分…

【創作】ヘリオス 第7話

※この回には性的な表現が含まれています。  苦手な方はご遠慮下さい。 「人を守ってくれるのは常に、契約とそれを証明する契約書だ。結婚は契約の最たるものだ。細部まで契約書に記載し、互いがそれを守る。そうすれば問題は発生しにくい」 「......晃輝さん、動画の撮影を決めた時もすぐに契約書を送って来ましたが......もしかして契約マニアですか......」 私がそう言うと、晃輝さんは声を立てて嬉しそうに笑い豪語した。 「失礼なことを言うな。我が身を守ってくれるのは愛じゃ

【創作】ヘリオス 第8話

「お嬢は山田を贔屓しすぎじゃね?」 「ああ、お嬢の直弟子の?それはほら、顔だよ顔。いくら…

【創作】ヘリオス 第9話

私が晃輝さんを好き?  彼は条件に見合う、私にはもったいないほどのお見合い相手だ。彼にと…

【創作】ヘリオス 第10話

次の日の夕方、晃輝さんが予約してくれた銀座のイタリアンレストランに来た。高層階の窓際の席…

【創作】ヘリオス 第11話

「は?鈴、何言って......」 いきなり実の妹に変なことを言われて、思考が追いつかない。 「…

【創作】ヘリオス 第12話

太陽に近づいたらダメなんだ。どれほど憧れても、恋焦がれても。 「優成くんがそんなに緊張し…

【創作】ヘリオス 第2部 第1話

「凪、大丈夫か」 晃輝さんが家に来てくれた。玄関まで迎えに行き、部屋に着くなり私は晃輝さ…

【創作】ヘリオス 第2部 第2話

トンテン、トテトテ......。 指がなまらないための練習曲だけは、弾くことを欠かさないようにしている。この際基本に立ち返り、基礎をしっかり身につけて骨太にしておきたい。家元は完全に箏から離れるように言ったけど、長年毎日弾いていたのにそんなことは出来ない。 晃輝さんはいろいろな所へ連れて行ってくれた。映画、花道展、歌舞伎やミュージカルを見て、M響も聴きに行った。 「凪は俺の演奏を聴いても大丈夫か?」 「どうして?YouTubeなら毎日聴いてるよ」 「毎日?」 そう