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#高校生
【短期集中連載小説】保護者の兄とブラコン妹(第1回)
1「えっ?転勤?」
父からの突然の言葉に俺が驚いたのも、ある意味当然だろう。
俺は大学2年生の伊藤正樹。今の大学は滑り止めで受けた私立大学で、いまだに第一志望の国立大に未練が残っている。
だが、家計を気にして浪人は出来ないと思いやむを得ず通うことにしたのと、バイトも色々掛け持ちしているので、なかなか授業にも身が入らなかった。
家計を気にする理由には、3歳下の妹の存在があった。
伊藤由美、高校2
【短期集中連載小説】保護者の兄とブラコン妹(第3回)
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7いよいよ俺と由美の2人で一夜を明かし、本格的な2人暮らしが始まった。
平成元年9月30日(土)という、9月の末日スタートになってしまったが、曜日や家族みんなの都合上、仕方ない。
大学は9月一杯は前期試験ということもあり、後期の再開は10月2日の月曜日からになっていた。
個人的には、早く軽音楽のサークルに顔を出したかった。
気になる女子の後輩がいたからだが、由美や親には完全
【短期集中連載】保護者の兄とブラコン妹(第18回)
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50今までの由美なら、いくら水泳部優先でも、定期試験の前は一切泳がず勉強に集中していたが、3年生となったこの年は、定期試験よりもインターハイ予選に備え、毎日泳いで感を鈍らせないことを優先していた。
そのためか5月下旬の中間テストでは、いつもより成績を落としてしまったようだ。
「どれくらい成績落としたんだ?」
「ま、まあ平均以上取れてた科目で、平均並みしか取れなかった…って