また、雨の降る日に3章3

また、雨の降る日に3章3

ギルドの受付嬢に言われるがまま水晶に手をかざすとチチっと音を出した。 エラーコード、もう一度手をかざして下さい。 「あれ、おかしいですわね。何かしら適正能力が出るはずなんですけど・・・」 すると肩をポンと叩かれた。 「やあ先ほどはどうも。」キトクだ。 「とりあえずこっちへ来てくれ」と手招きされて静かな声で言う。 「君はこっちの住人ではないからエラーが起こるんだよ」 僕はその言葉にどきっとする。 これは夢の世界だって分かっているからだ。でも夢の中に健太もいる。健

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【SLAM DUNK 続編】10話 「アメリカ初試合」

【SLAM DUNK 続編】10話 「アメリカ初試合」

ストリートに集まってきたバスケットマンとのゲームが始まった。1ON1から5対5の試合まで、時間の許す限りバスケットに明け暮れる。 「なんかちょっと緊張してきたか、、、、、、日本での初の練習試合の時も、、、、いやもうあの頃の俺じゃねぇ。」桜木 日本での初試合、陵南相手に途中出場。必死に食らいついた。覚えたてのレイアップシュートも決めた。 体育館シューズがボロボロになった。そして苦い敗戦。 「ハナミチはリバウンド、ディフェンス重視だ。速攻は走れよ どんどんでてこい!」エリ

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hokkori12【オヤジのエプロン】

hokkori12【オヤジのエプロン】

 ねこサンはキッチンにいる。 平成28年6月、2年後20週年を迎えるほっこり食堂。本来ならその2年後にリニューアルする予定だったのを冬五郎が早めた。春光が、冬五郎がシェフになった年と同じ34歳で跡を継ぎたいと言ったからだ。それは来年にあたり、予定では春光は既に完全に帰国し、ここにいなければならない。だが修行先の関係で予定が大幅に延期されている。 冬五郎は迷ったが改装の期間等考慮して工事を済ませることにした。先にキッチンが仕上がったのでねこサンが運ばれたのだ。 「やっと帰って来

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hokkori11【その願い、たしかに聞き届けた】

hokkori11【その願い、たしかに聞き届けた】

 輪投げ1回目。 丸々としたねこサンに輪投げの輪はことごとく弾かれてしまう。また、その子の輪投げも下手くそだった。仕方がない、なんせ幼すぎるのだから。悔しがる子供。父は2回目を許してくれたよう。 「このガキ、相当に俺のことを欲しがってる」 ねこサンは少し嬉しくなった。 一体どんな理由が、自分を欲しがる理由があるのか見当もつかないが。 輪投げ2回目。今度は力みもあるのか、1回目よりもひどい有様だった。かすりもしないことが子供心を更に追い詰める。大人であってもこんな場面で平常心を

連載小説「STAR LIGHT DASH!!」4-10

連載小説「STAR LIGHT DASH!!」4-10

インデックスページ 連載小説「STAR LIGHT DASH!!」 PREV STORY 第4レース 第9組 正直者のジレンマ 第4レース 第10組 せっかちなantinomy 「あー、ちゃんと来たね。いい子だ」  電車、バスと乗り継いでたどり着いた、オープンテラスのあるカフェ。  横髪を三つ編みにして後ろで結わえ、カフェ用のエプロンを着けた舞先生が笑顔で迎えてくれた。  電車に乗った後は、世界陸上と甲子園の話をしながらここまでやってきた。 「……来なかったら空席できるで

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連載小説「STAR LIGHT DASH!!」4-9

連載小説「STAR LIGHT DASH!!」4-9

インデックスページ 連載小説「STAR LIGHT DASH!!」 PREV STORY 第4レース 第8組 星屑チケット 第4レース 第9組 正直者のジレンマ  あれはいつの夕暮れだったろうか。  逢沢先生に強制的に部活休みを言い渡された冬の日だった気がする。 『受験生だぞー』  邑香はそう言いながらも、出掛けないかと俊平が誘うと嬉しそうに笑った。  この子がこんなに可愛く笑うこと。みんなは知らない。  表に出すのが苦手な彼女の、いろんな表情を、みんなは知らない。  独

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hokkori10【縁日にいたねこサン】

hokkori10【縁日にいたねこサン】

 昭和64年1月7日、元号法によって政令が出され、翌日「平成1月8日」と改元された。新しい元号となり様々に賑わう世間、そして、今日は富士ノ山商店街の祭りの日だ。 この商店街は程よく活性化された街だけあって大きな催事も多いが、今時珍しく地元住人だけでもたいそう賑わう。季節ごとの企画も、古くからの恒例行事にちなんだものや時代を反映した新規の行事も共に、常に成功しているという。組合の組織力もさることながら、地元住民の参加意欲も熱い。 特に大人気なのが秋の祭り「富士ノ山食べ歩き三昧」

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連載小説「STAR LIGHT DASH!!」4-8

連載小説「STAR LIGHT DASH!!」4-8

インデックスページ 連載小説「STAR LIGHT DASH!!」 PREV STORY 第4レース 第7組 こぼれ落ちた雫 第4レース 第8組 星屑チケット 『藤高の子? 大丈夫?』  今年の1学期の始業式の日、具合が悪くなって道端でうずくまっていると、傍に停まった車からそう声を掛けられた。  顔を上げようとしてまたくらりと視界がぐらつく。 『わー、無理しなくていい。そのまましゃがんでて。えっと……どうしようかな』 『舞、学校まで乗せてこうか?』  運転席からそんな声。

hokkori09【時を超えた絆】

hokkori09【時を超えた絆】

「お前のことをわかってやれなかったな」 冬五郎は瞼を閉じたままそう言った。 「春ちゃん……よくがんばったね」 千春は二人の姿を涙をこらえて眺めた。 泣いてしまっては、この瞬間を目に焼き付けることはできない、しっかりと見届けよう、冬五郎の代わりに自分が、とばかりに。 辛抱強く弱音を吐かない夫は、仕事の話を家庭に持ち込む人ではなかった。家では笑顔を絶やさない夫、千春にとって良き夫であったし母親としての努めに専念できたことは有難かったが、だからこそ心配も多かった。 また、この春光は

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好きを嫌いたい…… #しまそら

好きを嫌いたい…… #しまそら

「トイレ行ってくる」と一言いうと、そそくさと衣装部屋を出て、トイレへと小走りで向かい、個室に入り鍵を閉める。そして、ドアに寄りかかり、自分の頭を撫でながら、星空と周のポンポンと撫でられたことを思い出し、ニヤニヤとその場に倒れ込むかのように座った。 幸せだなぁ〜っと、1分ほど浸っていると、遠くから足音が聞こえ、徐々に近づいてきているようだ。やばい、ニヤニヤを止めて衣装部屋へ戻らないと怒られると、そう思った瞬間、「コンコン」とドアをノックする音が聞こえ、肩をビクつかせると、ドア

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