【SLAM DUNK GI】125話「オーストラリア4者会談」
それぞれの思惑を持ちながら、一同はオーストラリアへ向かった。
まずは河田雅史と新田裕一が先に落ち合った。
久しぶりの再会に会話も弾んだ。そして時間も過ぎていく中、新田が切り出した。
「今日オーストラリアに来たのは、今後の契約について河田さんの気持ちの確認、契約交渉ってやつで来ました。」新田
「なんですか(笑)急にあらたまって、、。それはこっちへ来る前にも言ったじゃないですか。こうやって挑戦させていただいたんです。恩返しをさせてください。」河田
「そうか。ありがとう。そう言ってくれて嬉しいよ。実は今日は、河田さんに会ってほしい人物が2人来ています。」新田
「えっ 誰ですか?」河田
新田は、その席に三田良佑と木暮公延を招いた。
「はじめまして、三田良佑と申します。本日は急な席をいただき申し訳ありません。プロサッカー選手をしていますが、本日はUJBリーグ、プレパラシオン東京のオーナーとして河田さんとお話したいと考えています。よろしくお願いいたします。」三田
「はじめまして、、、ではないのですが、木暮公延と申します。本日はUJBリーグ設立補佐官、理事としてこの席につかせていただきます。よろしくお願いいたします。」木暮
「・・・状況が読めねえだ、、、です。」河田
「悪いな(笑) 河田。覚えてくれているか?」木暮
「湘北、、、。5番 木暮公延だべ?」河田
「驚いたな、、。そこまで認識されていたとはね、」木暮
「あの試合は、忘れねえべ。財産だ。」河田
木暮は、河田に日本の現状、そしてなぜ三田良佑がここにいるのか?を説明した。
「単刀直入に言います。河田さん、あなたをプレパラシオン東京に誘いに来ました。」
「私があなたに魅力を感じたのは、結果、成果を求めず、成長を求めたことだと思っています。」三田
「どういうことですか?」河田
「私はよく若手には目の前の結果、成果を求めるな。成長を求めろと言います。そして若手にはまず外に出ろと言います。戻ってもいい、でも外を経験しろと言います。河田さんは、日本のバスケット界の組織に当てはめていけば、きっと結果は出たでしょうし、代表にもなれたでしょう。しかし河田さんはその結果、成果よりも自身の成長を求めた。ここに魅力を感じていますし、今後、河田さんと仕事がしたい。」三田
「河田、UJBリーグ理事の立場としては、三田さんの尽力もあって日本のバスケット界が大きく変われるチャンスなんだ。テルノン会長の宣言は撤回されるし、選出されれば日本代表にだってなれる。その大きな第一歩に河田雅史に日本、そしてプレパラシオン東京でプレーしてほしいと思っている。」木暮
「僕も立場はあるからルームショー埼玉のスポンサーとしては全力で引き留めるべきなんだと思う。でも河田雅史の気持ちを尊重したいとも思っているよ。」新田
「・・・先ほども言いましたが、新田さん、ルームショー埼玉に、ファン、サポーター、支援者に恩返しを約束してここにこさせてもらいましたので、、。」河田
「恩返しですか。河田さんの考える恩返しとは支援していただいたルームショー埼玉に復帰しプレーをすることですか?」三田
「はい。優勝も逃したと聞いております。もう一度、、、。新しいリーグも開幕するんだべ? チームの歴史を作ることが恩返しだと、、。」河田
「はい。それもそうだと思いますよ。では新田さんに聞きます。
もし河田さんが何らかの理由でプレーできなかったとしたらどうです?」
「‥‥‥‥‥‥」
「河田さんが高給取りになることは避けられないでしょう。」三田
「経営としては痛手でしょうね。」新田
「新田さん!!」河田
河田は珍しく声を荒げた。
「すみません! 気を悪くしたなら誤ります。私は他の方法での恩返しがあるということを提示する為の例え話をさせてもらいました。すみません。」三田
「他の方法?」新田
三田は恩返しの形は他の選択肢があることを説明した。
「移籍金です。ルームショー埼玉に移籍金を残すという恩返しの方法です。」三田
「移籍金?」新田
「お金ですか?」河田
「はい。私はUJBリーグのチェアマンを木暮さんから任命いただきまして、やらせてもらっています。本格的なプロリーグが漸く開幕するのです。プロのクラブとはなんや?というモデルケースを示したいとも考えているんですよね。」三田
かつてヨーロッパのビッククラブにも在籍した三田良祐が示したいというプロのクラブのモデルケースとは?
オーストラリア、メルボルンでの4者会談は続く。
続
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